第5週② 材料を仕入れたらどう書くの?

【キッズ簿記(BOKI)Step2】

今回は「材料を仕入れたらどう書くの?」というお話です。

卸売の○○屋さんから、毎日、ケーキを作るための材料を届けてもらうことになったケイイチくんです。
いくら幼なじみといっても、商売なので、お金のやり取りがあります。
それを帳簿にきちんと反映させなければいけません。
今回はその書き方について学びます。

進行:今日も、もかさんとりょうたくんと一緒に勉強していきますが、この番組を見て勉強してくださっているあなたも、わかりづらい所があったら、繰り返し見て一緒に勉強していきましょう。

さて、いよいよキッズベーカリー開店の当日です。
約束通り、朝早く、○○屋さんの2代目がケーキを作るための材料を届けてくれました。
その○○屋さんですが、ケーキの材料と一緒に、納品書を置いていきました。
これを見て、りょうたくんともかちゃんは、納品書がどんなものかわかりますか?

りょうたくん(以下、りょうたくん):商品名?

もかさん(以下、もかさん):レシートみたいなものですか?

柴山:たしかにレシートみたいなものですね。
ここにはどんなことが書いてありますか?

りょうたくん:数量、単価、金額です。

柴山:納品書があると、何を買ったかということがはっきりわかります。
後になってから買った物を思い出すときに、きちんとしたメモがあるといいですね。
そういった記録として必要なわけです。

進行:もかさんが言っていたように、レシートと同じようなものと考えていいのですか?

柴山:ほぼ同じものだと思って結構です。

進行:納品書がどんなものかわかったところで復習問題です。
納品書をよく見ながら、仕入れた金額と竹とんぼのアタマを書いてください。

柴山:今回は、問題文ではなくて、実務のように、このような資料から答えてもらいます。
ヒントですが、ケイイチくんは○○屋さんから何をしたか思い出してください。

進行:それでは、りょうたくんから答えをお願いします。

りょうたくん:複式簿記で、「仕入」したものはプラスのところに8,640シバと書いて、現金は8,640シバ減ったからマイナスのところに8,640シバと書きました。

進行:竹とんぼの頭が「現金」と「仕入」で、現金は左がプラス、右がマイナスとして、出ていくから右側に8,640、仕入はプラスとマイナスを逆にして、右側のプラスに8,640を書いたということですね。
それでは、もかさんの答えをお願いします。

もかさん:材料を仕入れたことでお金が8,640減ったので、1つ目の竹とんぼの頭に「現金」、右側に8,640シバと書いて、お金を払って仕入れた材料が手に入ったので、2つ目の竹とんぼの頭に「仕入れ」と書いて、左側に8,640シバと書きました。

柴山:2人とも良いですが、基本的にはもかさんの考え方が正解です。
でも、りょうたくんも途中で仕入のプラスマイナスの位置を逆に書いたことに気付きましたよね。
それと、細かいことですが、頭の名前には送り仮名は必要ないので、「仕入れ」の「れ」は取って「仕入」と書いてください。

それでは、正解を見てみましょう。

まず、○○屋から8,640シバで仕入れたということを書くと、こうなります。
仕入という言葉自体は2人とも書いてくれましたが、送り仮名の「れ」は必要ありません。
竹とんぼの左側がプラスで、8,640シバとなります。
りょうたくんがプラスを右にしてしまったのは、借入などがあったから、そのイメージで書いてしまったということですよね。
気持ちはわかりますが、仕入れることによって材料が入ってきたからプラス、とイメージしてください。

次に、お金を払ったので、竹とんぼの頭は「現金」になって、右側に8,640シバを記入します。
「仕入」「現金」のどちらも、左がプラス、右がマイナスで正解となります。

進行:まとめて帳簿をつけるのが複式簿記ということですね。

柴山:まとめて書くとどうなるかというと、現金の竹とんぼの右側に8,640シバを書いて、数字のバトンタッチのように、仕入の左側に8,640シバと書きます。
仕入というのは、仕入れた材料は使うとなくなってしまうので、費用と考えます。

進行:ケイイチくんが仕入れた材料は「費用」になるのですが、どうして費用になるのかわかりますか?

もかさん:商品を作るのに使って、消耗してしまうからですか?

りょうたくん:商品を作る材料になるから、費用にはならないのかなと思います。

柴山:今、途中まですごく良いことを言いましたね。
材料を買ってきて、その材料で製品を作ってお客さんに渡すということは、店から消えてなくなりますよね?

りょうたくん:消えてなくなってしまうけれど、その分は利益になるから費用にはならないと思います。

柴山:材料を買ったときに払ったお金と、売ったときにもらったお金が打ち消し合うから、費用にはならないということですね。
たしかに、そういう考え方もできるかもしれませんね。

進行:では先生、この部分を詳しく教えてください。

柴山:まず、費用について改めて確認をしておきましょう。
費用とは、毎日の商売に必要な支払いのことです。
ふだん使う、細々とした物の購入代金とか、何かをしてもらった時のサービスの代金、サービスとは、たとえばタクシーや電車に乗ってサービスを受けたときの代金です。
それから、他人から物を借りて使ったときの使用料があります。
りょうたくんに質問ですが、借りることを何といいましたか?

りょうたくん:リースですか?

柴山:そうですね。
もかさん、あと1つありましたけど、何でしょうか?

もかさん:レンタルですか?

柴山:そうです。
よく覚えていましたね。
リースやレンタルをした場合の代金も費用になります。
費用は1回の支払い金額が小さいものですが、大きいものだと何がありますか?

もかさん:設備ですか?

柴山:具体的には、配達をするときに使う車とか、パソコンとかですね。
それと、費用は使った分だけ消えてなくなります。
最後は、先程、りょうたくんが言っていたことですが、読んでもらっていいですか?

りょうたくん:今の売上に貢献。

柴山:これは先程、りょうたくんが言っていた「利益になる」という部分なのです。
利益が出ることに貢献するから、仕入も費用と考えるというわけです。
つまり、ケイイチくんが仕入れた材料は、厨房でケーキを作るために消費されてなくなって、りょうたくんが言ったように、売上に貢献するから費用になる、ということです。
それでは、費用の仲間にはどんなものがあるかということは何か覚えていますか?

りょうたくん:消耗品費ですか?

柴山:1個出ましたね。
他には、たとえば、物を借りた場合の費用は何て言いましたっけ?

りょうたくん:賃借料ですか?

柴山:正解です。
すごいですね。
では、部屋を借りた場合は?

もかさん:支払家賃です。

柴山:そうですね。
前回はきちんと意識してやってなかったかもしれないので、改めて確認してみましょう。
色々ありますが、これはすべて家計簿にも使えます。
このように、費用の種類はたくさんあるので、受け取ったものの内容が詳しく書いてある納品書やレシートなどの記録が大事になるのです。
今回のお話で、費用のことや仕入のこと、納品書のことなどをしっかりと覚えていただきたいと思います。

進行:先生、レッスン22のまとめをお願いします。

柴山:1つ目は、仕入れた材料や商品の内容がわかる書類の名前は、納品書です。
2つ目は、納品書には、商品の名前、数量、単価、金額などが書いてあります。
3つ目は、材料や商品を仕入れたら、帳簿には「仕入」の竹とんぼの左側に仕入れた金額を書きます。

進行:今日のレッスンはどうでしたか?
もかさん:以前やった難しい言葉などが急に出てきて驚きましたが、復習できて良かったです。

進行:りょうたくんはどうでしたか?

りょうたくん:まとめは大事だと思います(笑)

進行:柴山先生、明日の予定を教えてください。

柴山:明日は、「ケーキを喫茶ABCに配達するよ」というテーマです。
キッズベーカリー開店の朝を迎えたケイイチくんですが、その前に、喫茶ABCにケーキ50個を配達しなければなりません。
お店に来てくれるお客さん以外にもケーキを売る場合があるのですが、そういったことを学んでいきましょう。

進行:それではキッズ簿記、また明日。

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