第6週① お店でケーキが売れたよ

【キッズ簿記(BOKI)Step3】

大好きなケーキ屋さんを開店することにした主人公のケイイチくんと一緒に、お客さんがたくさん来てくれる人気店をつくりましょう。

進行:柴山先生、今回はどんなことを勉強するのでしょうか。

柴山:第6週は「さあ開店だ!たくさん売るぞ!」ということで、いよいよキッズベーカリーが開店します。
そして、日々、ケイイチくんに起こる、さまざまな出来事を通して、帳簿の書き方などを一緒に学んでいきます。
レッスン26となる今回は、「お店でケーキが売れたよ」というお話です。
ケイイチくんは、開店記念としておまけをします。
「おまけをしたら損するんじゃないの?」と心配するかもしれませんが、そのあたりも含めて今回は勉強します。

進行:今日も、もかさん、りょうたくんの2人と一緒に勉強していきます。
この番組を見て勉強しているあなたも、復習をして一緒に勉強していきましょう。

キッズベーカリー開店当日の朝です。
お店にお客さんをお迎えする前に、喫茶ABCへ配達したりと大忙しのケイイチくんでしたが、午前11時になっていよいよキッズベーカリーをオープンさせました。
そして、開店から10分後、1人のご婦人が店内にやって来ました。
キッズベーカリーの初めてのお客さんです。
これは、私たちもお祝いをしなければいけませんね。
そういうわけで、キッズベーカリー開店記念、キッズBOKI劇団、本日旗揚げです!
これから出てくるセリフを、りょうたくんともかさんに読んでいただきます。
ケイイチくん役をりょうたくんに、ご婦人役をもかさんにお願いします。
では始めます。

<開店から10分後、1人のご婦人が店内にやって来ました。>
もかさん(以下、もかさん):あら、こんな所にケーキのお店ができたのね、知らなかったわ~。
いつからお店をやっているの?

りょうたくん(以下、りょうたくん):実は、今日が開店日なんです!開店記念サービスで、3個買っていただけたら、あと1個、タダでお持ち帰りできますよ!

もかさん:あらそう?じゃあ、いちご2個とチョコ1個もらおうかしら。
おまけはチーズケーキがいいわ。

りょうたくん:はい、わかりました!お買い上げいただきましてありがとうございます!(やった!はじめての売り上げだぞ!)

進行:はい、無事にケーキ3個が売れました。
では、ここで、確認の意味で問題を出します。
300シバのケーキ1個をおまけする理由は何でしょうか?
おまけというのは色々なお店でやっていますが、なぜお店はおまけをしてくれるのか、わかりますか?

りょうたくん:サービスをすれば、また来てくれるようになるからだと思います。

もかさん:お店を気に入ってもらって、そのお客さんから口コミで広めてもらうようにするためだと思います。

柴山:用意していた以上の答えを出してもらって、非常にありがたいと思います。
1つは、こちらから感謝の気持ちを伝えて、相手に喜んでもらいます。
そうすると、お互いに気持ちが通じ合って、長いお付き合いができます。
長いお付き合いというのは、先程、りょうたくんが答えてくれたように、今後も繰り返し買ってもらえることに繋がるということです。
それに加えて、このようなサービスに感動してくれると、ご婦人から口コミで評判を広げてもらえるということもあります。
これは、もかさんが答えてくれた素晴らしい理由です。
完璧です。

進行:お店がおまけをする理由はわかりました。
しかし、商売をする目的の1つは営利でしたよね。
営利目的の理由は何だったか覚えていますか?

もかさん:自分の生活のためです。

柴山:まさにその通りです。
生活をするために儲け、すなわち利益を得たいのです。
でも、おまけをしてしまうとどうですか?

もかさん:利益が少なくなってしまいます。

柴山:そうですよね。
損したら困ってしまいます。

進行:そこで、質問があります。
商品1個をおまけして損はしないの?ということです。
2人には実際に計算をしてもらって、ケイイチくんが損をしていないのか、損をしているのか、どちらなのかを確認してもらいたいと思います。
そのための前提条件をおさらいします。
ケイイチくんは商品のケーキ150個を作るために、材料を12,000シバで仕入れました。
そして、1個300シバのケーキを3個買ってくれた人には、300シバのケーキ1個をおまけとしてプレゼントしたということです。
では計算を始めてください。

柴山:割り算などが入ってきますね。

進行:それでは、答えを見せてください。
2人とも、損はしないという結論になりました。
りょうたくんは苦労の跡がみえますけど、計算は抜かして、結論だけ出ましたか。

りょうたくん:最終的には勘です(笑)

進行:たしかに、損をしないからおまけをするのかもしれませんね。
では、もかさんの答えも聞いてみましょう。

もかさん:まず、12,000シバの材料でケーキが150個作れるから、ケーキ1個あたりの材料費を計算すると、12,000÷150で80シバになります。
ご婦人は1個300シバのケーキを3つ買ったから、300×3で900シバになるというのがわかります。
そして、ケーキを1個おまけしたから、ケーキ4個分の材料費を計算すると、80シバ×4個で320シバになります。
ケイイチくんがご婦人からもらった代金900シバから材料費は320シバを引くと利益が580シバ出るので、損はしないと思いました。

進行:意外とむずかしいですよね。

もかさん:疲れました(笑)

柴山:それでは、答えを言います。
もかさんはすべて正解です。
これは学校の算数の問題で出てもおかしくないような内容ですよね。
まずは、1個あたりいくら材料費がかかるかを計算します。
12,000シバの材料費で150個作ったので、1個あたりの材料費は80シバになります。
そして、80シバで4個のケーキを作ると320シバの材料費がかかります。
それに対して、売り上げが3個で900シバになります。
900シバのお金をもらって、320シバの材料費がかかっているので、差し引き580シバのプラスで、もかさんの計算過程と全くおなじ結果が出ました。
正解は、損をしないということになります。
結論だけを言うならば、2人とも正解になります(笑)
おつかれさまです。

進行:先生、レッスン26のまとめをお願いします。

柴山:ケイイチくんがケーキを1個おまけした理由を2人に質問してみました。
1つは、感謝の気持ちとして、そしてもう1つは、長いお付き合いをしたいから。
さらに、もかさんの答えをプラスすると、口コミという第3の理由がありました。

そして、ケーキ1個を作るための材料費をどのように計算したかというと、12,000シバの材料代から150個のケーキを作る予定なので、割り算をして80シバという数字を出しました。
それを受けて、300シバのケーキを1個おまけして、儲けは出たのかという問題でしたが、儲けは出ましたね。
売り上げの900シバから材料代320シバを引いても580シバの儲けがあるから、これなら、おまけをする意味があるというお話でした。

進行:もかさん、りょうたくん、今日はおつかれさまでした。
大変でしたか?

もかさん:今回は3個のケーキだったので簡単でしたが、たくさんのケーキを売ることになったら計算が大変なので、電卓の必要性を実感しました。

りょうたくん:簿記以前に、算数を1からやる必要性を感じました。

柴山:学校の算数の勉強は意外に役に立つということがわかりましたね(笑)

進行:先生、明日の予定を教えてください。

柴山:明日は「ケーキが売れたらどう書くの?」というテーマです。
長い準備期間の末、ようやく念願のキッズベーカリーを開店させたケイイチくんです。
初日からお客さんがケーキを買ってくれました。
このありがたい売り上げも、もちろん帳簿に書き残さなければいけませんが、どのように書くのかということを明日は勉強します。

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