上場企業の受取利息と配当金が3割増加

日経新聞、12月3日の1面です。

9月の中間決算を発表した1646社を対象にして、受取利息および受取配当金の合計から支払利息を引いた
「金融収支」を算出したところ、全体の金融収支は4512億円の赤字で、前年から1300億円ほど改善したそうです。
金融収支の赤字額は、ITバブルが崩壊する直前だった2000年の4分の1にまで縮小した、ということですから、すごい収益の改善ですね。

ところで、金融収支の改善に貢献したのは製造業です。
約420億円の金融黒字と、連結中心の決算となった2000年以降で、初めての黒字化です。
金融収支の黒字が大きい主な企業としては、三菱商事の591億円、トヨタ自動車の386億円、武田薬品工業の262億円などがあります。

金融収支改善の背景には、ここ数年、日本全体の有利子負債削減の傾向による支払利息負担の軽減と、好調な業績を基礎とした各社の配当の増加の2つが、いい方に影響している、と考えられますね。

今後、金利が上昇した時に、金融収支がどのように変化していくか、注目していきたいところです。

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