第1週③ 準備資金がもっと必要になったら?

【キッズ簿記(BOKI)Step1】

今日は「準備資金がもっと必要になったら?」というお話です。

柴山政行氏(以下、柴山):お店を開店させるには色々とお金が必要です。
でも、準備したお金が少し足りなくなってしまった場合にはどうするかということについて学習したいと思います。

進行:今回ももかさん、りょうたくんの2人と一緒に勉強していきます。
では、前回のおさらいです。

一生懸命貯めた30万シバを自己資金に、自宅1階でケーキ屋さんを始めることにしたケイイチ君ですが、開店するためには何が必要なのか、あれこれと確認しています。
では、私たちも、何が必要なのか一緒に考えましょう。

柴山:1日目で学習したように、商売を始めるには「ヒト・モノ・カネ」が必要です。
今、ケイイチ君が考えているのは「モノ」についてです。

りょうたくんももかさんも、ケーキ屋さんに行ったことはあるかと思いますが、ケーキ屋さんにはどんなものがあったかということを考えてみてください。

りょうたくん(以下、りょうたくん):ケーキです。

柴山:商品もある意味「モノ」ですよね。

もかさん(以下、もかさん):ケーキを入れる棚です。

柴山:そうですね。
他にもたくさん出てきそうですが、話を進めますと、ケイイチ君が確認したところ、次のようになりました。

まずは店舗が必要ですが、ケイイチ君の場合は自宅の1階がお店なので、問題ありません。

次に配達用の車が必要で、これは400,000シバで買うというお話です。
そして、事務用のパソコンが必要で、100,000シバです。

進行:これで軽く300,000シバを超えてしまいましたけれども。

柴山:そうなんです。
そこでケイイチ君は困ってしまうわけです。
お金が足りないときはどうするかということですが、ケイイチ君はお金を借りに行かなければいけません。
果たしてお金を借りることができるでしょうか。

進行:さて、心細くなったケイイチ君は、銀行にお金を借りに行きました。
しかし、なぜ、銀行はお金を貸してくれるのでしょうか?
銀行って、お年玉などを貯めておくところのはずですが。

柴山:実は、銀行には大事な役割が2つあります。

それを一緒に確認していきましょう。

まず、2人に質問ですが、銀行の役割はどんなものがあると思いますか?

もかさん:お金を貯めておいてくれるところです。

りょうたくん:もし失敗したら、その人が他のところに飛ばされます。

柴山:それは半沢直樹の世界ですね(笑)
では、ここで説明をしたいと思います。
今、もかさんが答えてくれたように、銀行はお金を預けるところです。
そうすると、銀行にはたくさんのお金貯まりますが、それをずっと銀行に貯めておいても仕方が無いので、どうするかというと、それを貸すのです。
商売をしたい人にお金を貸してあげるという役割があるのです。
そうするとお金が上手く回ります。

なので、もかさんやりょうたくんが預けたお金は、色々な人に貸して、世の中のために使っているのです。
ただ、貸すといっても、誰にでもすぐに貸すわけではありません。
信用がなければ銀行はお金を貸してくれません。

では、例えば、お2人は、どういう人にならばお金を貸せると思いますか?

もかさん:兄弟とか知ってる人だったら貸せます。

柴山:そうですね、まず、どういう人か知ってることが大事ですよね。
あとは何がありますか?
例えば、そのお金をもって「パチンコに行く」って言われたらどうしますか?

もかさん:嫌です。

柴山:嫌ですよね。
では、例えば、そのお金で、本が読めない人のために図書館を作ってあげたいとか、世の中のためになることにお金を貸してほしいと言われたらどうですか?

もかさん:貸してあげてもいいかなと思います。

柴山:そうなんです。
大事なことは「借りる人が誰か」ということと「何のために使うのか」ということなのです。

これを知ると信用しますよね。
世の中のためになることを説明して、一生懸命やる人には貸してあげたいですよね。
例えば、図書館を作るといっても、「気分が悪くなったら止めるかも」などど、いい加減な気持ちで考えていたら、お金は貸せませんよね。

このように、その人が何者かということと、何をしたいかということと、本気でやりたいのかどうかということを説明することが大切になってきます。
このように、信用してもらうということはとても大事なことなのです。

それと、「今まで貯金はしたことがない一文無し」という人と、「コツコツ貯金して、今100万あります」っていう人だったら、どちらが貸しやすいですか?

りょうたくん:貯金している人です。

柴山:では、そう思うのはなぜでしょうか?

もかさん:目的があって、そのために自分なりに頑張っているのが伝わってくるからです。

柴山:では、りょうたくん、そういう人の話を聞いたらどう思いますか?

りょうたくん:感動します。

柴山:そうです。感動でお金を貸すこともありますよね。
銀行の人も結構そういうところがあります。
一生懸命やったけれども足りない分を補ってあげる。
最初から銀行をあてにしてはいけないよね、ということです。

なので、借りたいお金の半分ぐらいは貯められるかどうかというのをチェックすることがあります。

それともう1つ、「担保」といって、万が一返せない場合には、車や家など、お金に換えて返すものがあれば、ちょっと安心しますよね。
担保という言葉は聞いたことはありますか?

りょうたくん:ないです。
柴山:これからどんどん聞く機会は増えると思います。
担保を用意するとお金を借りやすくなります。

それともう1つ、返せなくなったときに応援してくれる人が必要です。
それを「保証人」といいます。
そういう人がいるということは、その人は信用されているということですね。
担保の次は、物ではなくて、人による保証があると貸しやすいです。

ここまで揃えられるということは、その人がそれだけ本気だということですよね。
おそらく、ケイイチ君も、「こういうケーキ屋にしたいんだ」ということを、一生懸命説明したのだと思います。

進行:さて、ケイイチ君の審査結果が出たようです。
再び銀行を訪ねて、担当者を前にしたケイイチ君は緊張しているようです。
果たして、結果は……やりました、ケイイチ君は無事に500,000シバを借りられたようです。

これで、ケーキ屋さん開店に一歩前進しました。
では、先生、レッスン3のまとめをお願いします。

柴山:1番目、開店準備資金が足りないときは、銀行に行って融資を受けられるか相談します。

2番目、銀行の役割は、みんなから預金を集めることと、集めた預金を人に貸すことです。

3番目、銀行から融資を受けるには、事業計画を作り、どんな商売をしたいのかを一生懸命説明します。

そして、自己資金や担保、保証人についても説明をして、信用してもらいます。

進行:もかさん、りょうたくん、今日の内容はどうでしたか?

もかさん:わかってきました。

進行:お金を借りるのは意外と難しそうですけど。

もかさん:難しそうですけど、頑張って説明すれば出来るかなと思いました。

進行:りょうたくんはどうでしたか?

りょうたくん:難しくてあまりわかりませんでした。

進行:ではまた一緒に勉強していきましょうね。

柴山先生、明日はどのような内容でしょうか?

柴山:明日は「借りたお金が通帳に記録されたよ」というお話です。
銀行から50万シバを借りることがケイイチ君は、いよいよお金を受け取る日が来ますが、実は、現金ではもらえなかったようです。
どうやって帳簿に記録すればいいのか、こういったことを明日も楽しく勉強していきましょう。

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