第4週③ 自己資金の意味を考えよう

【キッズ簿記(BOKI)Step1】

今日は「自己資金の意味を考えよう!」というお話です。

柴山政行氏(以下、柴山):ケイイチ君は自分で貯めた30万シバを元手としてお店に入れたり、借入をしたりしましたが、このような「自己資金」と「借入」の違いや、自己資金を出すことによって得られるメリットなどを学びます。

進行:今回ももかさん、りょうたくんの2人と一緒に勉強していきます。
それでは、以前勉強したことをもう一度おさらいしてみます。
ケイイチ君がキッズベーカリーをはじめるために用意した自己資金はいくらか覚えていますか?

もかさん(以下、もかさん):30万シバです。

進行:そうでしたね。
では、商売を増やすためのお金を何と言いましたか?

りょうたくん(以下、りょうたくん):資本です。

進行:そうですね。
では、ここで問題です。
「借り入れ」と「資本」の違いは何なのか、手元の紙に書いてみてください。
……では、答えを読み上げてください。

もかさん:借り入れは将来返さなければならない返済義務があるもので、資本は増やす目的で使うお金で、私財と分けなければいけないお金です。

りょうたくん:借り入れについてはわからなくて、資本は増やす目的のお金です。

柴山:借り入れの部分に関してはもかさんが正解で、資本の説明についてはもかさんとりょうたくんのどちらも正解です。
それでは、正解例を見てみましょう。

借り入れは、将来返済しなければならず、利息を支払う必要があります。
資本は、自分のものなので返済する必要はなく、利息も支払う必要もありません。
要するに、この2つは裏と表の関係になるのです。

進行:借り入れと資本の違いがわかりましたが、実は、お店とケイイチ君との間には大事な関係があります。
ケイイチ君は30万シバを自己資金としてお店に出していますが、ここにはどういう関係があるのでしょうか。

柴山:お店の立場と個人のケイイチ君はどういう関係にあるかを考えてみてください。

もかさん:ケイイチ君はお店のためにお金を出して、お店側はケイイチ君に利益をもたらすという関係があると思います。

柴山:お店はお金を預かったから、そのお金で店を切り盛りして利益を増やすということですね、何となく核心に近づいてきましたね。

進行:先生、どのような関係があるのでしょうか?

柴山:店主としてのケイイチ君は、お店を活用して利益を増やします。
そして、利益を増やしたら、個人としてのケイイチ君にお金を少し渡せるのです。
個人のケイイチ君も生活費が必要になりますので、お店で増えたお金を少しずつ個人のケイイチ君が引き出せるように渡すということがお店の立場なのです。

商売をするのは公共目的と営利目的という2つの目的があることは以前学習しましたが、ここで営利目的の本当の意味を考えるときがきました。
営利目的の向こう側にある、本当の目的とは何でしょうか?

もかさん:自分が生活をする目的です。

柴山:そうですね。
お金を増やすことによって幸せになる人が出てくるわけです。

つまり、営利目的の本当の意味とは、資本が増えた分の一部を持ち主(この場合はケイイチ君)に報酬として分けるということです。
たくさん増やしてくれるようなお店にお金を預けたくなりますよね。
そういった形でお金を預けて、たくさん増やして分配してもらうことが、営利目的の本質的な意味なのです。
儲けを山分けして、みんなでハッピーになりましょうということです。

進行:従業員がいる場合は、その人たちにも山分けするのですか?

柴山:従業員には給料として支払います。
従業員にお金を支払って、余りをケイイチ君が貰うという形になります。

進行:要するに、きちんと増やしていかないと、貰えないということになるのですね。

柴山:そうです、なので真剣に商売をしなければならないのです。

レッスン18のまとめをお願いします。

柴山:1番目、資本は借り入れと違って、返済をしなくてもよくて、利息も支払いません。
2番目、個人としてのケイイチ君はお店の持ち主であって、店主としてのケイイチ君はお店の経営者という関係性があります。
3番目、営利目的の本当の意味は、持ち主としてのケイイチ君に儲けを山分けすることです。

進行:今日も色々なことを学びましたが、営利目的の意味は知っていましたか?

りょうたくん:知るわけがないです(笑)

進行:もかさんはどうですか?

もかさん:わかったときはすごく嬉しかったですけど、それよりもりょうたくんに褒められたときが一番嬉しかったです(笑)

進行:では柴山先生、明日の内容を教えてください。

柴山:明日は「自己資金を入れたらどう書くの」という、竹とんぼのお話になります。
お店を始めるときに自己資金の30万シバをお店の金庫に入れたケイイチ君ですが、その状態をどのように帳簿に書くのかを学んでいきます。

進行:それでは、また明日。

一同:簿記はパズルだ!

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