計画は2割の余裕を持たせよう!

前を向いて歩こう、今回は「計画は2割の余裕を持たせよう」というテーマでお話をしたいと思います。

これは私が講師を始めた25年ぐらい前の話です。
初めの頃というのはなかなか段取りがわかりませんでした。

東京商科学院(現・クレアール)で日商簿記検定2級講座を受け持つ前に、TACというところで2年間公認会計士の勉強をしていて、そのときには全答練という全国公開模試でも名前が載るくらいでした。

名前が載るくらいだと合格の確率が高かったのですが、なかなか縁が無くて2年連続で落ちてしまいました。

2年間でやることは一応やってしまったので、マンネリ感もあり、少し環境を変えようと思いました。

ベースはTACで作って、原価計算のところは大原の教材を見たりしていました。
3年目もTACでやっていれば受かったような気もしますが、環境を変えてみようと思いました。

それで、気分一新で、3年目は東京商科学院に行きました。
ある程度勉強も終わらせていたので、新しくやることはほとんどありませんでした。

思い違いがあったので、基本の理解を深めるということを東京商科学院でやりました。
東京商科学院ではほとんど新しい知識はやっていませんが、基本の掘り下げをして受かったのです。

東京商科学院で初めて簿記2級の講義を受け持ったときは、私からすれば簿記2級は簡単だったのですが、簿記3級を受かった直後の人に簿記2級の内容をどう説明するのかは悩みました。

私の記憶では、初めて講師をやったときは、大学ノートに、5分ごとに話す内容を時系列でシナリオを作って、場合によっては閑話休題のような、コラムのような話を入れて、受講生の方にリラックスしてもらえるような内容を入れようとか、逐一計画を立てていました。

ある意味、「段取り100パーセント」に近い状態でやったのですが、やはり実際にやっていると、予定外のところで休憩を入れざるを得なかったりします。

また、自分ではスムーズに行くと思っていたのに教室を見渡すと理解が進んでいないから2回3回と説明を繰り返しているうちに時間が押してしまったり、予定通りに進まないことが色々ありました。

計画を完璧に立てても思いどおりにいきません。
自分の頭の中では計画が完璧の状態なので、思いどおりにいかないことにイライラしたり悩んだりしていました。

途中でわかってきたのが、「計画というのは完璧に物事を進めるためにあるのではない」ということです。

ある程度は時間がずれるということを踏まえて、2割ぐらいは余裕を持たせようと思いました。

最初は3割から4割ぐらい余裕を持たせていましたが、段々精度が上がってくるので、慣れてくると進行の8割ぐらいは計画通りにいきます。

でも、2割ぐらいは余裕を持たせておかないといけません。
2時間半の授業とすると、2割の30分ぐらいは余裕をもたせて、2時間はきっちり内容を決めます。

30分は「遊び」の時間として残しておきます。

それぐらい前後してもいいように、「ここだけは伝えたい」ということを絞ると、必要な時間というのは段々絞られてきます。

簿記2級・簿記3級だと2時間半で、簿記1級だと3時間なのですが、簿記1級の場合はさらに精度が高いので、場合によっては3分おきの計画を立てました。

180分を3分刻みぐらいで60のユニットに分けてやったりしていました。
場合によっては1分おきに話すことを決めて、分刻みのスケジュールを立てていましたけれど、後になってみればなかなか思いどおりにはいきません。

一応、そのような計画はあったら助かるのですが、そのときにわかったのは、1分ごとに積み上げていってもわからなくなってしまうので、「だいたい30分の経過した時点でこのぐらい進んでいればいい」や、「1時間経過したあたりでプラスマイナス5ページのあたりにいればなんとかなるな」という感覚が掴めるようになります。

最初はガチガチに計画を立ててそれが思いどおりにいきませんでしたが、段々慣れてくると、プラスマイナス20パーセントの幅で余裕が持ててきます。

そうなったときに、私の講師としての評価が高まった気がします。
だから、計画通りにはいかないと思ったほうが良いです。

しかし、計画は立てます。

きっちり計画は立てておいて、思いどおりにいかなくて対処したほうがいいです。

一番まずいのは、計画もロクに立てないで行き当たりばったりでやって、右往左往することです。

やはり計画は必要ですが、きっちり計画を立てても2割か3割は思いどおりにいかないと思っておきます。

計画通りにいかないことについてストレスを溜める必要はないということです。
8割方計画通りに進めば御の字で、2割は思いどおりにいかないと思って余裕を持たせます。

「2の矢、3の矢」というように、思いどおりにいかなかったときの次善の策、さらに3番目の策ぐらいまではイメージできるようになると、あなたの計画性もかなり精度が上がってきます。

第一次計画で動いていくことはまずないと思いますし、それで動いていったら逆に怖いです。二次計画、三次計画みたいに、20パーセントぐらいの余裕を持たせてあげます。

簿記の勉強の場合だと、1週間のうち日曜日は予備日にするように私は言っています。
この日曜日が「2割」の部分です。

6日間はきっちり決めていいけど、勉強の計画が思いどおりにいかなかったときのために予備日を1日つくっておきます。

日曜日は元気があればやってもいいし、やらなくてもいいし、どちらでも対応できるように「遊び」を持たせておきます。

だから、私が学習スケジュールの相談を受けるときには、7日間のうち6日はやることをきっちり決めて、1日は予備日にするように言っています。

6日全部きっちりできたらご褒美として休んでもいいし、まだエネルギーがあったらやってもいいですし、それは本人にお任せしています。

7日のうち1日ぐらいは「バッファ」をとっておきます。
これはどんな計画にも言えることだと思います。

1時間のうち10分程度は遊びを持たせるという気持ちで計画を立てると非常に上手くいくと思います。

計画は綿密に立てた上で、あえて2割の余裕を持たせるのです。
常に完璧な計画を作ろうと思って、完璧な計画ができるまでは一歩を踏み出せないという状況が一番マズイです。

まずは一歩を踏み出しましょう。
極端な話、状況にもよりますが、半分ぐらいしか計画を立てていなくてもやってしまうケースもあります。

それでも、大雑把でいいですから計画は立てます。
どんなにきっちり計画を立てても、概ね2割は想定外のことが起こると思って、余裕を持たせましょうということです。

頑張ってください。
私はいつもあなたの成功を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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