おすすめ本「経済で読み解く大東亜戦争」上念司著

前を向いて歩こう、今回のテーマは本の紹介です。

中々興味深い本なのでご紹介しましょう『経済で読み解く大東亜戦争』これは上念司さんという最近本や辛口のトークというか、非常にはっきりと今の世の中の矛盾点などを独自の見解で話されています。

私は倉山満さんという方の本も非常に刺激的で面白いので読んでいるのですが、この方とよく共著で本を出されたり、通じるものがあります。
これはKKベストセラーズというところから出ていまして、人によっては多分中々共感し難い所があるかもしれませんが、色々な考え方を受け入れておいた方が良いと思いますし、経済の観点で戦争を見るというのは非常に面白いです。

ケインズ経済学というものもよく戦争を引き合いに出して語られることがあります。
経済にも通じられている方なので、経済についてもお話されていて非常に面白いです。
上念司さん、元々は中央大学の法学部なので法律を学ばれている方なのですが、経済的なことも非常に研究をされていて、中身を見るとケインズ経済の話などが出ていて面白いのです。

要するに経済政策の失敗というものが積み重なって、デフレに関しては非常に興味深い話をされていますので。
経済が停滞すると人の心というのは荒んでくるよね、と。
普段なら見向きもしないような極端な思想とか、平和なときはえっと思うような非常識な行動や思想に共感してしまうのです。

そういった心の荒廃を招くのが、経済の後退であるということで「経済政策の失敗というのは罪が重たいんだ」ということが根底に流れている気がするのですが、非常に面白いです。
こういった考え方も色々な引き出しの中に入れておくと、新聞を読む時とか、今年戦後70周年と言われています。

2015年ですから、1945年の敗戦から70年丁度経つ。

今年も多分8月になると色々な戦争の話が出るし、討論とかも出ると思うのですが、その時にこの経済の観点で、経済政策とか社会経済の観点で戦争を詳しく述べている方は中々いらっしゃらないです。

道徳の問題が入ってしまうのだけれど、道徳の問題を横に置くと、実は戦争も人によってはビジネスになってしまうのです。
恐ろしい話なのだけれど。
命のやりとりなのだけれど、立場が違えばこれはお金のやり取りになってしまうのです。

なんていうことも踏まえながら、ちょっと違った見方で経済政策を本だと思っていますので、戦争というテーマを使っていますが、戦争という極端な状況にいく一歩手前で何とかして防げるのではないかという思いも入っていると思うのです。

この本は非常に面白いです。
今年戦後70周年ということで丁度こういったテーマが多くなりますが、経済の観点で出る本は中々無いと思うので、もし良かったら読んでみて下さい。

今回の本を読みながら色々思ったのが、今回のことわざというか、思いついたテーマはこれです「貧すれば鈍する」これ有名なことわざです、「貧すれば鈍する」。
簡単に言うと、経済あるいは身の回りのお金の問題、経済的に極端に困った状態、経済政策の失敗などによって経済が極端に後退する、つまり飢えてしまうのです。
「明日の生活が心配だ」「今日食べるものが心配だ」という状態になるのです。
あるいはインフレで、生活の必要な物が買えなくなってしまうのです。

そういった、生活に極度な不信感や心配を持つと、人は極端な思想行動に走りやすいのです。
経済の極端な後退は、人の頭の中を極端な思想行動に向かわせやすいのです。
これを考えるとドイツのナチスとかちょっと思う所があります。

では日本も戦前どうだったかという話なのですが、やはり世界を戦争に向かわせた一つの大きな原因は世界的な経済の後退です。
貧すれば鈍するということが世界的に蔓延していたのです。
日本は日本で、ドイツはドイツであったのです。

そしてドイツの場合は第一次世界大戦後に罰ゲームも程々にしろという位ありえないようなとんでもない賠償金を請求されて、結局中々払えず色々ありました。
ということで第一次世界大戦後のドイツが徹底的に大変なことになっていた。
そこからナチスが出てきました。

ということなので、これは中国の古典にもあるのだけれど、相手を負かした時に、完膚なきまでにやってしまうと、その後も恨みが骨髄になってしまう訳です。
なので「ある程度ちょっと逃げ道を用意してあげましょう」なんていう知恵もある訳です。
徹底的に困らせてしまって、その後次の段階があるとするならばやはり其れが復活した時に当然恨みが骨髄になりますし。
人間はやはりそういうところは綺麗事ではありませんから、極端に困ってしまうと、人間というのは極端な行動思想に向かわせやすいのです。

では、極端な後退にならなければ良いのです。

やはり「平和ってありがたいな」と。

私は今の時代の日本は平和だと思っているので、戦争の経験もありませんし、すごくありがたいです。

なので、極端な思想、極端な行動に走らずに済んでいるのかもしれません。
貧すれば鈍するというのは、今しっかりと覚えておきたいです。
これから日本が貧すれば鈍するということにならないとは限らないので。
なので、やはり今の自民党政権はもちろん政治家の方、貧すれば鈍するにならないように経済をしっかり立て直して下さい。

ただ消費税率をアップするだけでは駄目です、アップするならアップするなりの次の手も打たなくてはならないということです。
そして補足です、貧しても鈍しない人はいます、確かに。
しかし、貧しても鈍しない人ほど聖人君子と言いますが、聖人君子なんて下手すると全体の0.5%すらいません。

なので、人は基本小人である。
従って、貧すれば鈍するというのは一般大衆としてはきつい訳です。
By易経です。
私が易経で学んだ一つは、人間は聖人君子には簡単になれない、基本は小人である、と。
それぞれ器が小さくても良いのです、それを大きくしようと思って皆さん足掻いている。
しかし中々大きくならないのです。

そういった多くの方が聖人君子ではないのだから、やはり貧すれば鈍するのです。
ですから経済政策の失敗というのは政治家にとっては罪が重いのです。
なので、私達国民は政治家の経済政策の失敗がないかをちゃんと監視して、そして選挙に行きましょう。

経済政策の失敗は人を極端な思想行動に向かわせます、怖いですよ。
「あの人がこんなことするなんて」と思うかもしれませんが、状況が変わればあの人だってこんなことするかもしれないのです。

なので、経済的に困らないように皆しっかりと普段色々政治には目を光らせながら、我々も力を蓄えて頑張りましょう。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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