いっそのこと稲盛さんにお願いしたら?~危機のシャープ~

前を向いて歩こう今回はちょっと違った観点で話をしてみたいと思います。

最近の時事ニュース、SHARPが厳しい状態で経営再建ということで、5月19日の日経の2面を見てちょっとお話したいと思います。

この記事で受けた印象。
テーマは「いっそのこと稲盛さんにやってもらったら?~危機のシャープ~」です。
なぜ稲森さんの話が出るかと言うと、以前国策で「ボーイングは国家なり」なんて言われてJALが経営危機になって稲森さんが立て直した事にストーリーが立っています。

私が一つ残念なのは、稲森さんってかなりご高齢の方ですよね。
他に50代で体力があって活きのいい経営者で稲森さんの役割を果たせる人はいないのでしょうか。
明治維新の時は30代とか40代の人がゴロゴロ大事業をやってのけているわけです。
今日本に人材はいないんでしょうかね、JALの立て直しみたいな大きな事業を出来る50代の若手の経営者は。
稲森さんを引っぱり出さなければ無理なの?他の次の人材はいないの?というのが、私が今少し残念なのは、この5年10年です。

自分も足先だけ中小企業の経営者なので、すみません力足らずで。
今本当に40代50代の若手と言われているレベルの経営者、70歳くらいになって国家事業のプロジェクトも本来定年退職するべきでしょう?

そういう段階でも出てこなければならないというのは、私は日本の人材が足りていないと。
だとすればいっそのこと半分皮肉もあるのだけど、もう一回稲盛さんに来てもらえば良いのです。
JALだって立て直したのだからSHARPも立て直せるでしょう?という半分冗談というかなんというか。

でも本当ですよね、稲森さんが来たらできてしまうのではないですか、なんて思ってしまう。
それくらいトップって大事なのです。
でもそれもまたトホホです。
他に人材いないのか、という話になってしまって。
ということで今苦境に立たされています。

あとは高橋社長も多分同情の余地はあると思うのです。
状況的にSHARPがずっと色々抱えてきたこれまでの課題がクリア出来ずに、来るところまで来た状態でバトンタッチされた高橋社長も色々言い分があると思うのですが、社長ですから。
社長というのは最終責任を負う人間なのです。
少なくとも中小企業ではそうです。
でもやはりトップが会社の行方を握っています。

ということでいきますと、この5月19日の記事のところ、3つツッコミどころがあって。
この3つのツッコミどころからSHARPはなかなか経営再建今後も厳しいのかなと。
まだマイルドに言っています。

本当の実態の一情報しかないから、この記事の範囲ではこれだとどうだろうな、ちょっと転換する必要があるなと。

なので稲森さんを呼ばれたらどうですか、というのだったんですが、何かというと3つあるのです。

まず背景を申し上げます。
つい最近SHARPの決算発表があって最終赤字になるのです、大事なんです。
事業がなかなか立ち行かないという状況で、銀行の支援も入ったりするわけです、色々ツッコミどころあるのです本当に。

大学で経営学のゼミの研究として一年間使っても良いくらい本当に良い題材です「あなたがSHARPの社長ならどうしますか?」この新聞記事だけでも3つツッコミどころがあります。
この意識が変わるだけで僕はSHARP経営再建する可能性だと思うけれど、この現状のままだと来年また赤字になる可能性があるなんて思ったりもします。

現状を言いますと、14日午後3時過ぎ大阪にあるSHARP本社ビルの大会議室に300人を超える社員がいたそうです。
理由は何かというと、この時社長の高橋さんが東京都内で開く記者会見をテレビ中継します。
それを生中継で大阪の社員に見てもらいます。
生中継これも一つツッコミどころの4番目に入れたいところだけれど、社長の意図がなかなかその通りにならないのです。

この時の社長の意図は「再建計画を直接説明してそれをテレビの生中継で見れば、社員が励みになるのではないか」。
社員にモチベーションアップをして欲しいと思ってやってみました。
でも結果は何か、大会議室で増えていた熱気が次第に冷めていきました。
「銀行の言いなりでリストラばかり」なんてね。

だから社長の説明の中相次いで席を立つ社員ばかり、これは社長の意図と違うでしょう?
ということは、上と下が一致していないのです。
これが大きな組織が崩れる兆候ですね。相反する目的なのです。
相反する行動原理、方向性が相反すると組織は上手くいきません、特にこれくらい大きいと。

これが一つ、これは序章です。
もう一つが大事なのです、これがツッコミの一つ目。
私はアンダーライン引いていますけど、読みます「ある幹部はこの発表を見て、社員の心が離れていく」次です次、「こんな計画に意味があるのか」と言っています。
現場を知り尽くしている、現場を一番良く知っている幹部が社長の計画を見て「こんな計画意味あるの?」と、やりたくないわけです。

本来ならば「この計画、全力でやり通すぞ」という風に同じ方向を向けばその組織は上手くいくけれど、これが最初のトホホなのです。
社員が「こんな計画に意味があるのか」と言って自嘲する、しょうがないから苦笑いしています。
じゃあその計画とは何かというと二つ柱があって、「3500人の希望退職」なんだよ、また人件費カットってね。
「じゃあ役員は大丈夫なの?あんたどうするの」って話です。
従業員はそう思っていますから。
「俺たちばっかりじゃん、君たちどうするの?」って話です。

「3500人の希望退職募集」と二つ目、「社内カンパニー制の導入」これも結構博打な気がします。
博打とは言わないけど結構賭けです。
あまり経営再建というのをやることというのは、でもまあ賭けも必要なのかもしれませんけど。

社内カンパニー制の是非については分かりません、SHARPの中身をよく知らないから。
「やりますよ」と言ったら構わない、それに従業員が「すごい計画だ、俺も本当にやろう」と思ってやるなら良いけれども、言っていません。
「意味あるのか」と言っています。
社内カンパニー制と3500人の希望退職。

そこで面白いのが、その計画について質疑応答で社長が「私が作った計画をやることが経営再建」もう頭がやることに行っちゃっています。
計画の是非は疑っていません、これが一つ目。
つまりその計画は自分は良いと思っている、やることだ、ともう決めてしまっているのです。

でもその計画は、従業員は意味が無いと言っているのです。
意味が無いと思っている従業員と、意味があるからやり通すと思っている経営者、どうですかこれ。
日本海くらいの溝がありませんか。
これだから上手くいっていないのです、ここです。
トップと現場の溝。

そんな事は無いと言うけれど、ほぼ8割の社長さんは勘違いしていますよ。
もしこれを見ている方が社長さんだと勘違いしています。
現場は分かっていません、あなたの考え。
ほぼ間違いありません。
私社員の立場の研修も散々やっていますけど、まず経営者の考え方というのは上手く伝わっていないです。
伝える努力をしていないのです。

原因は、社長が悪いです。
会社の赤字は全て社長が悪いのです。
電信柱が立っているのも社長が悪いのです。
すなわち、責任は全て社長。
だから報酬が高いのです。

従業員の何倍もの金を貰っているのだから、責任を取るのが社長の仕事です。
ということで、社長が「やりきる」と言っている計画を社員が「意味が無い」しかもSHARPを現場を知っている幹部社員が言っているのですよ、。
新人じゃないです、幹部社員が「意味が無い」と言った計画をやり切ることが経営再建。
このギャップどうです?
これだけでももう厳しいです。
これが一番重要なギャップです、これが一つ目。
最大のギャップはここです。

そして二番目は何か、これも社長さん勘違い時々あるのですが。
就任した時期が悪かったから仕方ないのですけど、就任一年目2013年度1085億円の営業黒字を出したということで言っていますが、よく中身を見ると数百億円規模の賃金カットだと。

これは私も顧問先を見ていてよくあるのが、今デフレなので売上がちょっと低迷しています。
だけど利益は維持しています。
社長は胸を張るわけです。
ちょっと待ってください、他の経費上がっていますよね?よく見たらなんですか?賃金給料カットしているじゃないですか、と。
「従業員に安い賃金でこき使ってと言ったほうが良いのじゃないですか?」と言ったら駄目なのです。

でもそういう実態だから。
つまり、そういうのをブラックと言います。
「ブラック企業化しているのですよ」と社長に言ったことあります。
賃金だけ下がって他の経費上がっているじゃないですか。
それで売上が下がっている、でも黒字になっている。
どうするのですか?従業員に犠牲を強いている経営者って合格なのですか?という話です。

そしていつ賃金カットが元に戻るのですか?戻る見込み無いじゃないですか。
それが利益性の良い売上アップなのですけれど。
結局売上アップしなくては駄目なのです、こういう時は。

ということで、それを分かっているかどうか。
賃金カットに安易にいくのは銀行指導リスト、そこに載ってしまっているから。
だからそれを見て銀行の言いなりと言っているわけです。
リストラで利益を出すのは従業員うんざりします。
こういうのは優秀な従業員がいなくなると、技術を持って行かれますよ。
これが二番目のポイント。

でも一番目が一番罪が重いんです、もし失敗したら。
経営者が絶対と思っている計画を従業員は意味が無いと。
ということは説明責任を果たしていないのです。
ということで色んな意味で一番目が一番の問題です。

三番目に行きましょう。
5月初めに本社に身体性のカンパニー長、社内だから小さい会社があると思って下さい、事業部です要するに。
トップに据えるわけですよ、皆に経営者と言うわけです。
そして何を言ったか、です。
訓示が「カンパニーのトップは経営者、赤字なら辞めてもらう」ということは赤字ならトップは辞めるのです。

今年SHARPは赤字ですよね、誰が辞めるのですか?辞めませんよ、という話です。
つまり言っている事とやる事にギャップが生じたら従業員はついてきません。
「俺カンパニー預かってカンパニー長になるのですか?赤字は辞めるの?あなた全社員預かっていますよね、赤字ですよね?どうするのですか?」とツッコミどころがある。
従業員にやめてもらうって言い方は安易にしてしまったらマズイんですね。

逆です「カンパニーを立ち上げたら君は創業者だ」と。
もしこれを本当に言っているのならモチベーターとしてはちょっと苦手なのではないですか、モチベーションを上げるのが。
色々な意味で今の社長さんモチベーション上げるのが苦手なのかもしれません。

でも社長の一つの資質にモチベーターという側面もあるので、まず第一番目からモチベーション上がっていませんからね、これ。
なので、この記事は本当に面白い。
これを読んで、ある意味この記事は反面教師です。
この通りにやったら中小企業は潰れます、間違いなく。
この通りにやったら潰れます。
SHARPだから維持できているという気がします。

なので、この記事を信じたらですよ?記事に書かれていない真実もあると思うので、絶対とは言いません。
このストーリーならば、という前提でこれは行って下さい。
私はSHARPは好きなんです、個人的に。
SHARPの製品好きです。
私が教材で使っている電子黒板はSHARPですよ。
もう随分使っていますし、また追加で発注したいくらい技術は素晴らしいです。
技術はシャープ、じゃあ経営は?
経営もシャープであって欲しいと心から思っています。

ともあれ、私は一番の問題は経営者が「これを絶対やり切ることが責任だ」と言って、その計画自体を幹部社員が疑問に思っている、この部分は改善してくれたら良いな。
これはちょっと、ユーチームコンサルティング。
本来ならこういったアドバイスをする時は会社の売上の1%とかを本当は貰います。

例えば1億の会社ならば100万とか貰って、SHARPだったら何100億ですか、というコンサルティングを今、私情でやってしまいました。
これはもう記事だけで分かってしまいます。
この状況ならやはり原則で行くと経営は厳しいです。
でもこれで黒字になったら社長さん天才ですよ。

僕は凡人なので、凡人の経験則でいきますけど、まずは社員が「この計画死にもの狂いで達成するぞ」と思えるようなモチベーションアップをぜひ頑張ってください。
色々大変だと思いますが、私はSHARPを応援しています。
どんな話か分からなくなってしまいましたが、私ならばこういうコンサルティングしますよ、といった。

危機のSHARP、ぜひ頑張って欲しいです。
私リース契約まだ残っていますから、あと2年か3年。
頑張って下さい。
2台目注文したいくらいなのです、ぜひ経営を安定化させて下さい。
私はSHARPの電卓も好きです。

折角だから見てください、電卓SHARP使っていますよ。
私SHARPの得意先ですからね、社長さん頑張って下さい。
ということで最後エールを送って、私でモチベーションアップしてもらって。
社員の方も頑張って下さい。
SHARPを私20年使っていますよ、20年の顧客ですよ。
ということでぜひ頑張って下さい。

私はいつもあなたの成功を心から、また、SHARPさんの成功も応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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