簿記3級・第3問試算表の下書きと集計をやってみる!

がんばろう日商簿記検定3級合格、今回は136回の簿記3級を間近に控えて第三問対策をレベルアップしておきたいという観点から、第三問の下書きの方法と集計に関して私が実演をしてみますので、そのやり方を体感してみてください。

題して「第三問 8割以上のゲット作戦」です。

第三問の配点は30点または32点だと思いますが、できれば9割は取りたいので、30点の場合27点は取りたいです。

1個か2個間違えても25点以上を取ってほしいです。
どんなに低くても8割は下りたくないです。

第一問の仕訳、第三問の試算表、第五問の精算表の3つで8割は取れます。
そして、この第三問はできれば満点を狙ってください。
下書きと集計のコツをつかんでほしいのです。

今回は柴山式で使っている一部の問題を引用しました。
ほんの少し易しくしていますが、本試験に出てもおかしくないレベルの問題です。

目標時間は本来40分ですが、今回は少し問題文の量を減らしているので、下書きは10分か15分です。
本番はもう少し量が多いので20分だと思ってください。

今回は模擬講義なので少し軽めの内容にしていますが、これができれば本試験にも対応できます。
同じような形式が次に出てもおかしくないので、ぜひ頑張ってください。

問題文「次に示す3月の繰越高と1か月間の取引高を参考に、3月31日現在の合計残高試算表を作成しなさい。なお2つの帳簿に重複して記録される取引もあるので、集計の際には注意をすることと」

例としては、現金預金の当座預金預入高と当座預金出納帳の現金預入高みたいに、資料の2か所で同じ取引が被っていることもあります。

今回のケースだと、仕入取引の資料と現金取引の資料が被っています。
そのため、2回目に出た取引は仕訳を書いても構いませんが横線を引いて二重に集計しないように注意しましょう。

柴山式は演習問題から引用していますので、「重複して記録される取引もある」と親切に書いてありますが、実際の試験はこのように書いていないことも多いので、みなさんで判断してください。

柴山式のサイトにも今回の資料はアップロードしていますので、そちらをダウンロードして参考にしながらこちらの動画を視聴してください。

早速問題を見ていきましょう。

3月1日現在の合計試算表があります。
1か月間の取引を仕訳あるいはT字記入をして、3月31日時点の解答用紙に合計残高試算表の記入をするという問題です。

試算表には全てを表す「合計残高試算表」と、合計額だけを出している「合計試算表」と、残高だけを表している「残高試算表」の3つがあります。

すべてを兼ねている合計残高試算表ができれば、合計試算表や残高試算表を対応できますので、まずは合計残高試算表を書けるようになりましょう。

現金出納帳が6つ、当座預金出納帳が7つ、仕入帳が3つ、売上帳が3つ、その他の取引が2つで合計21個ありますが、この21個の取引を12・3分でやってみたいと思います。

まず、下書き用紙に縦に線を引いて「借方」と「貸方」に分けます。
実際の下書き用紙はA4版なので1回2つに折って、さらに2つに折って、4つの縦線を作ります。

そして、左側の縦線のところを「借方」「貸方」ということでやってみます。
現金出納帳を見ると、1番目に現金売上高30,000がありますので、これを下書きします。

書くときには略語を使って、現金は「ゲ」と書いて「借方 ゲ30,000」「貸方 売上30,000」となります。

2番目は現金仕入があるので「借方 仕入20,000」「貸方 ゲ20,000」となります。
3番目は当座預金も引き出しているので、「借方 ゲ27,500」「貸方 ト27,500」当座預金は「ト」としています。

4番目は当座預金の預入高が12,500あるので「借方 ト12,500」「貸方 ゲ12,500」
5番目に給料の支払いが20,000あるので、給料の「給」と書いて「借方 給20,000」「貸方 ゲ20,000」となります。

6番目は雑費の支払い10,000がありますので「借方 雑10,000」「貸方 ゲ10,000」となります。
ここまでが現金出納帳で、次に当座預金出納帳にいきます。

1番目は現金預入高ですが、これは現金出納帳と被っていますので、いったん仕訳をした上で横線で消します。

2番目は現金引き出しですが、これも現金出納帳と被っていますので、これも仕訳をした上で横線で消します。

3番目は手形代金の回収135,000なので「借方 ト135,000」「貸方 う手13,500」になります。
「う手」というのは受取手形の略です。

4番目は手形代金の支払いなので、当座預金が減ります。
「借方 支手35,000」「貸方 ト35,000」となります。
「支手」は支払手形の略です。

5番目は買掛金の支払いで、これは小切手の振出で当座預金が減ります。
「借方 か×60,000」「貸方 ト60,000」となります。
「か×」は買掛金を略したものです。

6番目は借入金の支払で「借方 借入25,000」「貸方 ト25,000」です。
7番目は利息の支払で「借方 支利500」「貸方 ト500」です。

この時点で13個の仕訳が終わりましたが、ここまででだいたい6分かかったので1個30秒です。

次は仕入帳です。
1番目は現金仕入ですが、これは現金出納帳の2番と被っていますので、仕訳を書きますが横線で消します。

2番目は掛仕入65,000なので「借方 仕入65,000」「貸方 か×65,000」となります。
3番目は手形仕入25,000なので「借方 仕入25,000」「貸方 支手25,000」となります。
次は売上帳です。

1番目は現金売上ですが、これは現金出納帳の1番と被っていますので、仕訳をした上で横線で消します。

2番目は掛売上75,000なので「借方 う×75,000」「貸方 売上75,000」となります。
慣れてくると簡単です、1個あたりの仕訳を30秒から40秒で、反射的に書けるようになりましょう。

3番目は手形売上20,000なので「借方 う手20,000」「貸方 売上20,000」となります。
最後はその他の取引です。

1番目は売掛金の得意先振出の為替手形による回収ですので「借方 う手95,000」「貸方 う×95,000」となります。

2番目は所有手形の裏書譲渡ですが、裏書譲渡は受取手形のマイナスになりますので「借方 か×7,500」「貸方 う手7,500」となります。

裏書は試験によく出るので注意してください。

これで21個の仕訳ができましたが、説明をしながらでも10分で終わりました。

1個の仕訳を30秒から40秒で、瞬間的に行ってください。
以上が下書きのお話でした。

引き続き集計を行いますが、集計は20分で行います。
今回の量ならば15分でできると思いますが、例えば合計試算表ですが、まずは現金が借方25,000ですが、合計試算表の答えを見ると82,500になっています。

25,000からどうやれば82,500になるのか、電卓を入れてみます。
まずは25,000ですが、現金出納帳の1番の30,000と3番の27,500があるので、それらを足すと合計で82,500になります。

次は貸方ですが、3月1日現在は現金貸方15,000がスタートですが、現金出納帳2番の20,000、4番の12,500、5番の20,000、6番の10,000を足して77,500となりました。

82,500-77,500=5,000の残高になりました。
今回はここが配点ポイントになっています。

では、次に当座預金の集計です。
スタートは110,000で、現金出納帳の4番12,500、当座預金出納帳の3番の135,000を足すと257,500が借方の答えになります。

貸方は、3月1日の時点で60,000で、現金出納帳の3番27,500と当座預金出納帳4番の35,000、5番の60,000、6番の25,000、7番の500を足すと208,000となります。
借方257,500と貸方208,000との差額を出すと49,500となります。

次は受取手形です。
借方は85,000からスタートして、売上帳3番の20,000とその他取引1番の95,000を足すと200,000になります。

貸方は3月1日時点で50,000で、当座預金出納帳3番の135,000、その他取引2番の7,500を足して192,500になります。
借方200,000と貸方192,500の差し引きは7,500が残高となります。

次は売掛金です。
借方の3月1日時点の残高は130,000です。

売掛金の借方は売上しかありえないので、売上帳2番の75,000を足して205,000となりました。

貸方は色々なところに出てきます。
3月1日時点は80,000ですが、その他の取引1番の95,000を足すと175,000が借方残高になります。

借方205,000と貸方175,000の差し引きは30,000となります。
柴山式の演習講座ではここが配点対象になっています。

次に繰越商品7,500ですが、これは決算整理前の残高試算表ですから、放っておきます。
繰越商品は基本的に期中には増減せず、決算整理で動きます。

次に支払手形ですが、借方残高はありません。
貸方は25,000からスタートして、仕入帳3番の25,000を足して50,000となります。

次は買掛金ですが、借方はスタートが40,000で、当座預金出納帳5番目の60,000、その他の取引2番の7,500を足して合計107,500になります。

貸方は、スタートが60,000で、仕入帳2番の65,000を足して125,000となります。
借方107,500と貸方125,000の差し引きで貸方残高17,500となります。

次に借入金です。
貸方スタートは30,000ですが、今回は貸方には出てこないので貸方は30,000のままですが、借方は当座預金出納帳6番目の25,000あるので、30,000から25,000を引いて5,000の残高になります。

資本金は今回は全く動かないので50,000のままでいいです。
売上は貸方スタートが130,000ですが、現金出納帳1番の30,000と、売上帳2番の75,000、3番の20,000を足して255,000です。

今回は値引や返品はないので、売上の借方はありません。
仕入は、3月1日は75,000でしたが、現金出納帳2番の20,000と、仕入帳2番の65,000、3番の25,000を足して185,000が残高となります。

仕入についても、戻し・返品はないので、借方だけとなります。
あとはだんだん簡単にかってきます。

給料はスタートが20,000ですが、現金出納帳5番の20,000を足して借方合計40,000となります。

雑費はスタートが7,500で、現金出納帳6番で10,000を払っているので、残高は17,500となります。

支払利息は当座預金出納帳7番で500を払っているので、500となります。
このようにどんどん埋めていけばいいということです。

この問題であれば、書く時間も入れると15分程度でできると思います。
したがって、10分で仕訳をして15分で集計をするので、最大30分ぐらいでこの演習問題を解いていただいたらいいかと思います。

今回紹介した演習問題はPDFでダウンロードできるようにリンクを貼ってありますので、本試験までに一度試してみてください。

できなかったら、なぜ間違えたのかを練習して、30分以内にできるようになってください。
実際の試験では20分が下書きで20分が集計ですので頑張ってください。

私はいつもあなたの簿記検定の合格を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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