今、会計に関する仕事が「10年後になくなる仕事のリスト」に挙がっているということでネットなどを中心に話題になっています。

 

2013年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーンさんという、AI(人工知能)などの研究先生が出された論文が話題になっています。

人間が行う仕事の半分ぐらいは将来機械に取って代わられて、人工知能にいろいろな仕事が奪われてしまうのではないかと予測されています。

 

リストの一部を読んでみると、「銀行の融資担当者、スポーツの審判、不動産ブローカー、レストランの案内係、保険の審査担当者、動物のブリーダー、電話オペレーター、レジ係、給与・福利厚生担当者、ネイリスト、カジノのディーラー、弁護士とパラリーガル」などがあります。

 

そして、会計事務所で会計監査や税務申告の代行などの仕事も減るとされています。

私は公認会計士なので、会計関係の仕事が10年後に激減するというこの予測のもと、どういうふうに考えれば良いのかということをお話したいと思います。

 

これは私が専門学校時代に、公認会計士・税理士や簿記1級学習者方向けに、よく板書で示していた会計の仕事に関する仕事に関する大きな流れです。

 

大まかに言うと、取引先の日々の取引を記録して財務諸表を作成し、仕入先、銀行、投資家、税務当局ステークホルダー(利害関係者)に開示するのが大まかな会計の仕事です。

 

このプロセスにはいくつかの過程がありますが、そのなかの1つに「会計処理」といわれるものがあります。

 

証憑書類(領収書や契約書)を元に帳簿を作成するのですが、このときに会計処理が入ってきます。

 

会計処理というのは「判断」と「記録」が主な要素です。

会計処理を経て仕訳帳と総勘定元帳に記入をし、一定期間まとめて財務諸表に表示をします。

 

たとえば「記録」については現在コンピュータ化が進んでいますし、人間が判断も場面も少なくて済むようになってきています。

 

支払代金や給与などの毎月引き落とされるような支払いは、定型処理によってかなり仕事が楽になってきて、仕事の手間が軽減されています。

 

定型処理がコンピュータ化されているので、経理担当の方の仕事量は減っているということがいえます。

 

一方、その時々で臨機応変な対応が必要な非定型処理については、まだまだ人がやる必要があります。

 

ですので、会計処理のうちの記録はかなりコンピュータ化されますし、判断のなかでも毎月のように発生する処理はコンピュータでもできると思います。

しかし、臨時の処理については人が判断することになります。

 

したがって、判断業務をいかに拡大するか、あるいは様々なところへ展開していくかということがこれから会計事務所が生き残る道として考えられると思います。

 

証憑書類の取り扱いについても、コンピュータでできる部分もありますが、証憑の種類によっては人の手によって分類する必要があるのではないかと思います。

 

現実的には、すべての会社がビッグデータのようなものを使って業務ができるほどお金も持っていませんし、言ってしまえば理想の社会でもあります。

 

理想的な社会を作るというのは「画に描いた餅」という面もあるので、それほど上手くいくものではないと思っています。

 

やはり、マネジメント、指導、判断、コンサルティングという要素はまだまだ多くなります。

 

今は環境の変化は早いので、臨機応変な対応がさらに求められます。

そういう意味では、定型処理では追いつかない部分がたくさんあるのです。

 

この先10年でさらにデジタル化が進んでスピードが加速するということならば、さらに判断の早い人が求められます。

 

そうなると、これからは判断力の優れた人材が会計業界や税務業界に求められます。

事務処理能力はコンピュータには勝てませんから、判断能力を磨きましょう。

 

逆説的ではありますが、そのためにも人文化学系の素養が重要になってくるのではないかと思っています。

 

コンピュータでは分からないような人間の感情面や機微が特にこれから必要になってくるのではないでしょうか。

 

こういうことからも、これからは文系の時代がくるのではないかと思ったりもします。

人間でなければできないような、人の機微を取り扱うような相談業務やマネジメント業務にシフトしていくのかなということが考えられます。

 

すべてがコンピュータに取って代わられるというのであれば、最終的にはすべてが機械で成り立つ世の中になってしまい、人間が要らなくなるという極端な話になりかねません。

 

それは本末転倒ですので、人間が持つ温かみや臨機応変な態度や行動も必要ですし、判断力、人間関係の調整なども絶対に必要になってきます。

 

財務諸表を開示している相手も人ですし、取引先も人ですので、人との関わりや判断業務ではまだまだ人間の手が必要です。

 

たしかに会計士や税理士の仕事の質は少し変わるかもしれませんが、視点を変えるチャンスだと捉えれば、何も恐れる必要はないと思っています。

 

こういった時代の変化にも対応できる人材になっていきたいですね。

逆にこれを新しいビジネスチャンスを見つけるチャンスだと思えば、前向きになれます。

頑張りましょう。

 

私はいつもあなたの成功とスキルアップを心から応援しております。

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。