電子記録債権の譲渡(日商簿記2級 H28年度改定論点)

今回のがんばろう日商簿記2級合格は、商工会議所のホームページで解説されている改正論点のうちの1つである、電子記録債権の譲渡についてお話します。

 

柴山式を学習されている方から、電子記録債権の譲渡についてご質問をいただいたので、これを機会にみなさんと共有したいと思います。

商工会議所のサイトを見てみると、改定のポイントがいくつか記載されていて、全部で11個のポイントがサイトに出ていますが、そのなかに今回お話をする電子記録債権があります。

 

電子記録債権というのは新しいタイプの債権で、インターネットを用いたタイプの債権で、譲渡など管理がしやすくなっています。

 

この部分についてはもちろん柴山式2級講座でもすべて対応しています。

商工会議所のサイトにはこのような例があったので抜粋してご紹介します。

 

(4)新潟商店は、長岡商店に対する買掛金150,000の支払いを電子債権記録機関で行うため、取引銀行を通して電子記録債権の譲渡記録を行った。

 

「電子記録債権」の部分がアンダーラインを引く場所です。

債権の譲渡なので、手持ちの債権を誰かに譲ることによって買掛金の支払いにあてたということです。

 

ということは、既に売上をあげていて、売掛金のような権利を持っていて、その権利を支払いにあてたということです。

 

これは手形の裏書譲渡に近いです。

手形の裏書譲渡の場合は、(借方)買掛金(あるいは仕入)/(貸方)受取手形 となります。

 

簿記3級で学習した手形の裏書譲渡を思い出していただきたいのです。

「受取手形」が「電子記録債権」に変わったと思ってください。

 

以前、売上をあげて借方に権利があるという前提で、この権利を支払いに使ったということです。

 

柴山式を学習されている方は、テキストに電子記録債権の仕組みを簡単にご説明していますので、そちらもご覧ください。

 

既に持っている権利を譲渡して買掛金の支払いにあてることができるという、経済的な状況をみてほしいのです。

 

あらかじめ売上をあげて、売掛金や受取手形のような債権を持っていると考えてください。

柴山式総勘定元帳は、十字を切って、さらに十字の右上に横線を引いて、全部で5つのエリアに区分します。

 

左上が資産のエリア、右上が負債のエリア、右真ん中が純資産のエリア、右下が収益のエリア、左下が費用のエリアになります。

 

それぞれのエリアに該当する勘定科目を配置するだけです。

資産には「カネ」「モノ」「ケンリ」があります。

 

現金、預金、繰越商品、建物などがありますが、そのなかに売掛金や受取手形と同じ性質を持つ、権利としての「電子記録債権」というものがあります。

 

先ほどの事例のように、買掛金の支払いを電子記録債権で行った場合の仕訳は、(借方)買掛金150,000 (貸方)電子記録債権150,000 となります

 

電子記録債権という資産の減少です。

ここは試験に出る可能性が高いですので、この仕訳の形を頭に入れておいてください。

 

手形の裏書譲渡の応用系だと思っていただければ良いです。

こういった形で権利義務の処理の形を覚えるのも、簿記検定の勉強の醍醐味です。

 

ぜひこの機会に資産・負債の増加・減少の過程をT字勘定や仕訳でマスターしてください。

あなたの学習のご参考になれば幸いです。

 

私はいつもあなたの簿記2級の合格とスキルアップを心から応援しております。

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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