柴山式総勘定元帳で、決算書の収益・費用と利益剰余金の関係を考えてみよう!

今回の「頑張ろう日商簿記2級合格」は簿記3級、あるいは簿記1級や税理士簿記論・会計士の勉強の前提にもなりますし、社会人の方にとっても参考になる話です。
 
柴山式総勘定元帳を使って、損益計算書の収益・費用・利益と貸借対照表の利益剰余金の関係を考えてみます。

これが分かると決算書がすっきりと理解できるようになりますので、今回は簡単な事例で解説したいと思います。
 
まず、柴山式総勘定元帳というのは、十字を書いて、十字の右上にさらに横線を1本引きます。
 
全てで5つのエリアに区切って、左上のⅠが資産のエリア、右上のⅡが負債のエリア、右真ん中のⅢが純資産のエリア、右下のⅣが収益のエリア、左下のⅤが費用のエリアになります。
 
資産については現金1,160しかないとします。
1,160の現金に対して、ⅡとⅢが調達です。
 
Ⅱの借入などの調達とⅢの資本金の利益の調達を合計して、Ⅰの現金になるはずです。
そういった意味で見ていくと、まず右上のⅡは借入金500で、右真ん中のⅢは資本金500です。
 
現金1,160から借入金と資本金の合計1,000を引くと160になりますが、これが利益になるはずです。
 
よく見ると利益剰余金は100あるので、60下がります。
この100は何かというと、今年の期首まで(去年までに)稼いだ利益の蓄積です。
そして、今年1年間で新たに稼いだ利益が差額の60です。
 
1,160から借入金の500と資本金の500を引いて、利益剰余金の100を引くと60になりますが、その60は何かというと、今年の利益の変動部分である右下のⅣの収益と左下のⅤの費用の差し引きが利益剰余金のプラス60に相当します。
 
売上660-仕入400-その他費用200=60になります。
この売上から仕入や費用などを引いたものが利益剰余金の100の下に組み込まれるというイメージを持っていただくと、左側の1,160にぴったり合います。
 
では、次に決算書を見ていきましょう。
日商簿記2級では収益から費用を引いていき、一番下に当期純利益を書く報告式で表示しています。
 
上から収益であるⅣ売上660で、そこからⅤ仕入400を引いて、さらにⅤその他費用200を引いて、当期純利益60となります。
 
右側の方が60多いですが、これはすぐ上の柴山式総勘定元帳の利益剰余金の100の下に乗せて、利益剰余金が160になります。
元々100だったものが160になります。
 
売上660-仕入400-その他費用200という計算過程で今年の利益剰余金60の上積みが算定されると思ってください。
 
損益計算書というのはエリアⅣからエリアⅤを引いたものです。
この計算で出た当期純利益60が貸借対照表の利益剰余金100の下に加算されて160になります。
 
そうすると、貸借対照表の左側のⅠ現金1,160に対して右側のⅡ借入金500とⅢ資本金500と利益剰余金160の合計が1,160になり、左右の金額が一致します。
 
利益剰余金の60というのは、Ⅳの売上からⅤの仕入とその他費用を引いたものです。
柴山式総勘定元帳のエリアⅢの利益剰余金は100しかないので、60は下のエリアⅣとⅤの差し引きで埋め合わせるというイメージを持って頂ければ良いかなと思います。
 
柴山式総勘定元帳を使って、エリアⅣの収益からエリアⅤの費用を差し引きしたものが当期純利益として、収益のすぐ上にある利益剰余金のところに加算されて、上のエリアⅠの資産イコールエリアⅡの負債プラスエリアⅢの純資産の合計が一致します。
 
資産=負債+純資産の関係を保つためには、最後に収益と費用の差し引きを利益剰余金に足します。
この仕組みをイメージしてください。
 
私はいつもあなたの簿記検定の合格を心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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