座学だけでは、人格は成熟しない

座学というのは1人で座って本を読んだり、講義を受けるというタイプの学習方法です。
この学習方法をとっている方もいらっしゃるかもしれませんが、座って学習しているだけでは人格は成熟しません。
 
人格の成熟というのは生きる目的の大きな1つです。
人格が高まってきて生きることに対して充実感を持つというのはとても大事で、お金には換えられないような価値観があります。

そういった人格の成熟というのが色々な意味で大事で、会社においてもある程度人格の成熟度が高い人同士が組織として結びついて力を合わせると、企業の成果は上がります。
 
不信感を丸出しにして、みんな斜に構えているような人たちが集まって何かをやろうとしたら、それは強盗のグループぐらいです。
 
変な話ですが、その状態で銀行強盗をしたらどうなるでしょうか?
「集めたお金を寝ている間にあいつが持っていくのではないのか」とか、お互いに不信感がプンプンします。
 
そのように人格が成熟していない者同士の集まりで良いものができるわけがありません。
やはり人格が成熟している状態で集まった方が企業にしろ事業にしろ発展します。
 
家族も同じで、家族の中の人々がみな最低レベルの人格だったら、その家庭は辛いです。
ですから、人格の成長は絶対に必要なのです。
 
人格を成長させるためには、ただ座って講義を聞くだけではだめですし、座って本を読むだけでもだめです。
 
それらも大事なのですが、それ以外にもっと大事なことがあります。
もっと言うと、多くの人は座学は程々でも良いと思っています。
 
座学だけではなくて、学んだことを人に会って使ってみる方が良いと思っています。
本を何千何万冊と読んで知識が深まっても、それを使わなければどんどん人の気持ちが分からなくなって、自分さえ良ければいいという状況になりがちです。
 
そうすると孤立してしまいます。
孤立すると、頭でっかちになっている分、世の中を馬鹿にしたり、敵視するような状態になってしまいます。
 
そうなると、「世の中なんてどうせ俺の高尚な学問について来ることができないだろう」というような上から目線の考えになってしまいます。
 
周りを見下したり、危ない思想になる可能性もあります。
人と接していないために相手の気持ちが分からないので、知識のない人のことを小馬鹿にするような傾向も出る可能性があります。
 
だから「頭でっかち」というのは怖いのです。
人に会わずに頭でっかちになるぐらいならば、知識を少し身に付けたらどんどん人に会ってその知識を確かめることが大切です。
 
そして、それが生きた知恵となります。
インプットだけしかしない人に比べたら知識量は少ないかもしれません。
 
しかし、少ない知識を自由自在に使いこなして色々な問題解決をして、充実感を味わって次への意欲を高めることができます。
 
絶対とは言いませんが、この方が人生としては楽しいかもしれません。
覚えることも大事ですが、知識をどんどん使って人に会いましょう。
 
人に会う時には当然やり方があって、いきなり苦手な人に会えとは言いません。
スタートラインは主観的に気の合う人と会うことです。
 
自分では気が合うと思ったけれど、3年後に喧嘩をしたり裏切られたりして親友ではなくなることもあります。
 
つまり、合うか合わないかというのは主観なのです。
もしかしたら本当は良い人かもしれないけれど、たまたま最初に会った時にムスッとしているから「この人はなんか嫌だな」と思って苦手だと思い込んでいるかもしれません。
 
従って、気が合うかどうかというのは今現在の主観なのです。
3年後5年後のことは分かりません。
 
ですから、スタートは今の段階で気が合うと思っている人と会えば良いです。
その次に、どちらでもない人と会います。
このあたりから少しステップを広げていきます。
 
よく「自分は気の合う人とだけ会っていれば良い」と思うかもしれませんが、気が合っていると思って付き合っていても、1年後に気が合ったままだとは限りません。
そうすると、気の合う人ばかりを探して放浪するのかという話です。
 
価値観が違う人を認めないということは、結局、知識は深まるけれども人と会わないこととあまり変わりません。
 
あくまでスタートラインは気が合う人と会うだけで良いですが、その次に、ちょっと気が合うかどうか分からない微妙な人とも会うという意識を持つかどうかによって人間関係が広がります。
 
一瞬「この人とは合わないかも」と思っても、会ってください。
ここができるかどうかで人格の成熟度が変わってきます。
 
なぜなら、「イエスマン」としか会わなくなってしまうと、自分と価値観が似た人しか受け入れないと人格の成長がしづらいです。
 
新しい考え方を受け入れてこそ幅が広がります。
同じ考え方の人だけで固まってしまうと成熟はしにくいです。
 
スタートは気の合う人と会っても構いませんが、徐々に合うかどうか分からない人にも会ってみます。
 
最後に第3のステップですが、気の合わない人とも会います。
自分と価値観が合わない人は避けてしまいがちですが、それが人格の成長を妨げる要因になるかもしれません。
 
あるいは、自分がたまたま見ている一面でしかその人を判断していない可能性があります。
違う側面を見たら「この人案外良い人だ」と思えるかもしれません。
 
このような状況になるのが実はリーダーシップの第一歩です。
この動画をご覧になっている方で、将来管理職を目指す人は3番を意識してください。
 
気の合わない人とも会ってその人を喜ばせることができるか、そして自分も楽しめるかどうか。
 
3番ができるかどうかで、日常生活のプライベートでこれを避けている人がいざという時にできるわけがないです。
 
仕事の時だけ気の合わない人と合わせようと思っても、それは上っ面になってしまいます。
であれば、プライベートでやってみれば良いのです。
 
クラスメート、隣の人、気が合わなさそうな人がいると思いますが、そこで逃げないことです。
 
これができるようになると、最終ゴールとして色々な人と会えるようになります。
自分の価値観の殻に閉じこもらないで、色々な人と触れあうことは生きた知恵になります。
 
これができる人は、知識が少々少なくとも本当に充実した人生が送れると思います。
逆に、自分の知識を深めることだけにいきすぎてしまうと、世の中を軽く見たり敵視してしまうというリスクもあるので、注意しましょう。
 
バランスが大事です。
知識はそこそこでも良いから、沢山知識を使って、色々な人に会って、楽しく人格を成熟させる方が個人的には好きです。
 
知識を深めながらも人に会うというのが理想です。
インプットだけでは人格は広がらないということを考えて、この3つのステップができればあなたはかなり人格がレベルアップすると思います。
 
ぜひご参考になさってください。
これは簿記の勉強に限らず色々な場面で参考になると思います。
 
私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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