第147回日商簿記検定1級の解答と講評をサイトアップしました!

今回の「頑張ろう日商簿記1級合格」は、11月19日に実施された第147回日商簿記検定1級の解答速報と講評を簡単にアップをしておりますが、今日はそれを踏まえて簡単に全体的な感想や総評をお話したいと思います。

何はともあれ受験された方はお疲れさまでした。
そして次回の日商簿記検定1級を目指す方はぜひ頑張ってください。

サイトのほうにも講評はアップロードしていますが、私のほうで各科目ごとにワンポイントだけお話したいと思います。

まず、全体としては通常の試験と傾向はそれほど変わりません。
商簿・会計は部分点を積み上げていって35点を狙います。

標準からやや難しい問題もありました。
工業簿記・原価計算はいつも通りスタンダードな問題です。

もちろん、一部難しい論点もあるかもしませんが、頑張れば50点満点中40点を狙える問題でした。

ですから、商簿・会計で最低30点(できれば35点)で、工簿・原計で40点ぐらいを取って7割を超えるという得点戦略になると思います。

まず商業簿記から見ていきます。
今回は本支店会計で在外支店があります。

海外支店があるパターンは少し前にも出題されましたが、そのときと同じで海外の支店は外せません。

昔の伝統的な本支店会計というのは国内の支店が1つあって、未達取引などのベタな処理が多かったのですが、最近はもう少し洗練されてきて海外のやり取りも出てきます。
しかし、よく見てみると本店だけで完結する取引もあります。

今回、関西支店はあまり得点は大きく期待できないのですが、ロサンゼルス支店の独自のやり取りや外貨換算の論点が本質なのです。

本質はガチガチの本支店会計ではなく、総合損益1つだけです。
内部利益の控除も直接控除です。

普通の決算で拠点が3つあるだけで、本支店会計の未達取引のようなややこしいことは言っていません。

支店間取引も特に注目するような論点はありませんでした。
各拠点の特有の処理をコツコツやっていけば15点ぐらいは取れました。

ですから、部分点を狙って、特に問1の仕訳2つのうち1つ(特に最初の仕訳)を取ります。

最初の仕訳は外部売上という引っかけさえ気にしなければ解けます。
2つ目の仕訳は総合損益が面倒なので、飛ばしたほうが良いです。

問2で4つ空欄がありましたが、この4つのうち頑張れば3つは取れるので、上手くいくと6つのうち4つ取れます。

1個あたり2点だと思うので8点は取れます。
最低でも6点取りたいです。
問3は決算整理後の残高試算表ですが、現金預金は今回難しいので外します。

例えばセールアンドリースバックの長期前受収益は完全にテキストレベルの例題なので、難しい問題を避けて上手くコツコツ点を重ねれば15点~17点を取ることができると思っています。

会計学ですが、論点は結構派手ですが、問2は満点を狙えます。
10分の8と書きましたが10分の10を狙えます。

理論については文章が長いので面食らったかもしれませんが、よく見るとテキストの知識で2つか3つは解けます。

ですので、目標は3点です。
ここは時間をかけすぎずに勘で処理します。

ですから、普段のテキスト(キーワード)の読み込みが大事になります。
会社分割については配点が傾斜制になっていると思います。

特に第3問の問3はできないと思うので、問1と問2である程度点を拾っていけば7割取れるという気がいたします。

問3は完全に捨て問だと私は思っています。
問2でどれだけ完璧にできたかどうかが重要です。
最近は事業再編がかなり出るので、しっかり勉強しておきたいです。

今回は株式移転などの発想も少しあって難しいのですが、1個1個丁寧に問題文の通りにやっていくと、過去問を検討していれば、ある程度慣れてくるとできないことはないので7割取れるように頑張りたいところです。

会計学はできれば理論が3点、税効果は8点、会社分割が7点ぐらいで、18点を目標にします。

最低でも15点です。
そうすると商簿・会計で30点~35点が狙えると思っています。

だから、イージーミスで失点をしないということです。
基本論点の積み上げで30点は取れると思います。

次に工業簿記です。
個別原価計算が出題されましたが、集計を地道にやれば、簿記2級の知識もしっかり使いながら、材料の仕入あたりから始まってコツコツと点数を重ねていけます。

1つ1つの集計をきちんとやっていけば、実は問1は全てできます。
しかし、1個や2個は落とすかもしれないので、それを考えて少なくとも12点とします。
できれば14点ぐらいは取りたいです。

問2は言葉の選択もあるので配点に差があると思いますが、私の想像では②が2点来ると思っています。

それ以外は例えば「設計」と「適合性」と「安全」という言葉の選択がありますが、3つか4つのうちの1つを選ぶので1点で、問2は5点だと思っています。

そして問3がおそらく1個1点だと思っています。
このあたりは目をつぶってやっても2点は取れるので、とにかく書くことが大事です。

それを踏まえると、問1が最低12点、問2が最低3点、問3が2点として合計17点ですが、できれば19点以上は取りたいので、どこかで失点を防ぎたいです。
最大で23点ぐらいまでは取れると思いますし、場合によっては満点が出るかもしれません。

原価計算は連産品でしたが、問1・問2・問3は言葉を書かせる問題で、シンプルにコツコツやっていけば取れる問題です。
1つ2点だと予想しています。

問4は数字ですが、これはおそらく1つ1点で④まであります。
ここは可能であれば全て取りたいですが、1つか2つイージーミスをすると考えると最低でも6点中4点で、問4が4つのうち3つぐらいかと思っています。

問5は複雑な問題なので場合によっては時間がかかります。
①と②の数字2つに多くの配点が来ると思っていますが、問題文をしっかり丁寧に読み計算できたかどうかを聞かれると思うので、ここは2点かと思っています。

③以降の後半は1点ぐらいだと思っています。
そうすると、①と②が2点で、それ以外は1点です。

全部で7つあり、2つが2点ですので、2×2+5で9点かと思っています。
第2問は全部で6つありますが、1つ1点だと思っています。

このように考えると、原価計算は第1問の問1~問3で4点、問4で3点、問5で5点で合計12点ですが、どこかの部分であと2点を上乗せして最低18点を目指します。

私の想像では問1~問3が全部できるのが基本だと思っています。
そうすると全部できて6点なので、6+3+5+4で18点でどうかという気がします。

問1~問3が全部できるかどうかは結構大事です。
それができなくても次で挽回すればいいのですが、原価計算は最低18点取りたいです。

上手くすると20点ぐらいは取れると思います。
工業簿記と原価計算を合わせて平均して38点ぐらいは取れると思いますので、商業簿記で32~33点を取って合計70点以上というのが1つの得点戦略だと思っています。

今回も工業簿記・原価計算が取り組みやすいという気がします。
もちろん各科目10点未満にならないという前提で、商簿・会計が32~33点で、工簿・原計で37~38点というのが現実的なバランスかと思います。

もちろん商簿・会計が30点でも工簿・原計で40点取れれば合格できます。
合格率はおそらく今回も9パーセント~10パーセントだと想像しています。

受験生の勉強の程度によりますが、8パーセント以下になるということはないと思っています。

難問はないですが、易しいわけでもない、いつもの回と変わらない標準的な難易度だと思っています。
ぜひ今回の問題も参考にして、今後のみなさんの勉強に役立ててください。

私はいつもあなたの日商簿記検定1級合格を心から応援しています。
ここまでご覧頂きましてありがとうございました。

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