自己株式のバランスシート表示


かつては、株価操作の恐れがあるとか、商法の立法趣旨である株主平等の原則
に反するとか、資本充実を害するとかの理由で、自己株式(自社株)の取得は
禁じられていました。

しかし、近年の経済界からの強い要請もあって、日本の企業が自社株を購入で
きるようになってから、数年が経ちましたね。

実際、自社株を購入することにより、株主への還元ができますので、配当によ
る手段と並んで、株主への利益還元の方法が拡大するわけですから、やはり、
会社の資本政策の柔軟性が増すわけで、メリットは大きい、といえるでしょう。

なお、この自社株を購入した場合、バランスシートには、どのように表示され
るか、について一度確認しておきたいですね。

(取引例1)A社は、5000万円の出資を受けて、会社を設立した。

               貸借対照表
        ―――――――――――――――――――
        現金預金 5000|
                 |
                 |資 本 金 5000
                 |

      なお、この状態においては、自己資本比率は100%ですね。

(取引例2)一年後、現金が1000万円増えた。それはすべて、
      事業から得た利益であった。

               貸借対照表
        ―――――――――――――――――――
        現金預金 6000|
                 |
                 |資 本 金 5000
                 |未処分利益1000
                 |
             ――――|     ――――
             6000      6000
             ====      ====

      一年後、会社の総資産は6000万円に増えました。
      そのさい、自己資本も6000万円と増加しています。

(取引例3)さらにその後、自社株を500万円支出して購入した。

               貸借対照表
        ―――――――――――――――――――
        現金預金 5500|
                 |
                 |資 本 金 5000
                 |未処分利益1000
                 |自己株式 ▲500
             ――――|     ――――
             5500      5500
             ====      ====

      このように、現金を支出して自己株を取得した場合は、
      自己資本の末尾に、▲つきで控除項目として継起されるのです。
      自己資本も、取引例2の6000万円に比べて、自己株式の
      額、すなわち500万円分だけ減少しましたね。
      つまり、自己株式の取得は、資本の減少を意味するのです。

このように、自己株式(自社株)の取得は、会社の資本を減少させることに
なるんだ、ということを知っていただきたいと思います。

なお、この自社株を売却したらどうなるか、という重要な派生論点もあるの
ですが、それは、次の会員制CDセミナーにて詳しく解説していきますので、
会員の方は、どうぞお楽しみに。
→ http://bokikaikei.net/info-cd.html

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