企業の新株発行による資金調達が倍増(2006.7.7*13)

日経朝刊7月7日の13面です。
日経新聞の調べによりますと、
今年1月~6月の新株発行を伴う増資などの資金調達は、
2兆5200億円と、前年同期比で1兆3千億円の増加と
なりました。
つまり、一年前の約2倍も、増資などによる返済不要の
資金を調達している(エクイティファイナンスをしている)、
という計算になります。

ここでご参考までに、新株発行を伴う資金調達は、
エクイティファイナンスといいます。

ちなみに、これほど多額の資金を調達して、何に使うかと
いいますと、設備投資やM&Aに活用する企業が多い、
とのことですね。

問題は、多額の増資や新株予約権の発行により返済不要
の資金を集めたのは良いが、その使い道として、
資金の出し手が納得いくような高収益の新事業に投下できる
のか、という点にあります。

「集めたお金を、どこに投下するか?」
これは、経営者の能力が問われる場面です。

結局、自己資本が増えて安全性が高まるという点では
望ましいのですが、その資金を、何に使うかによって、
全社ベースの将来の収益力にまで影響を及ぼします。

なお、今回の場合、一方で将来の金利上昇を見込んで、借入れが
金利負担面で不利に転じる前に、資本金を増やして現金を
調達する、という思惑もあるわけですね。

しかしながら、エクイティファイナンスによる
資金の調達をおこなうと、資本を増やす一方で、ROEといった
自己資本利益率を低下させる、というマイナス面も
見逃せません。

もちろん、発行済み株式総数も増えますから、1株当たりの
利益なども、悪化します。

こう考えると、増資で得た資金を、リターンの見込める事業
に投下することが出来るかどうか、その見込みついて、
経営者は説明する義務がある、と考えることができます。

エクイティファイナンスは、財務安全性という観点から
すると、自己資本が充実するので望ましいのですが、
収益性という観点からすると、かならずしもプラスに働くかと
言えば、そうとはいえないわけなのですね。

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