外貨売上の計上~一取引基準と二取引基準~

1.外貨換算会計の基礎知識

外貨換算…外貨建取引や財務諸表項目の外貨表示額を自国通貨(円)表示に変更すること

(1)為替相場の種類

直物為替相場・・・・・・・・・・・・・・SR (Spot Exchange Rate)
取引時(または発生時)の為替相場・・・HR (Historical Rate)
決算時の為替相場・・・・・・・・・・・CR (Closing Rate)
期中平均為替相場・・・・・・・・・・・AR (Average Rate)
先物為替相場・・・・・・・・・・・・・・FR (Forward Rate)

(2)外貨表示の原価と時価の呼び方

①外国通貨による原価 ・・・・・・・・・・HC
②外国通貨による時価(または実質価額)・・CC

2.外貨建取引の会計処理

(1)取引発生時の会計処理

外貨建取引は、原則として、その取引が発生した時の為替相場(HR) による円換算額をもって記録する。

(2)代金決済時の会計処理

外貨建金銭債権債務の決済(外貨建の円転換を含む)にともなう「現金の収入・支払い」の円建て金額は、原則として、決済時点における為替相場(HR) で記録する。
その場合に生じた損益(為替決済差損益)は、「為替差損益」として処理する。
為替差益(収益)と為替差損(費用)は原則として両建てせず、相殺した後の純額を損益計算書の営業外収益または営業外費用の区分に表示する。

3.一取引基準と二取引基準

一取引基準 …商品売買等の外貨建取引と、その後の代金決済取引を連続した一つの取引とみて会計処理を行う考え方である。
二取引基準 …商品売買等の外貨建取引と、その後の代金決済取引を別個の取引とみて会計処理を行う考え方である。

(例題)一取引基準・二取引基準

問1 次の取引を二取引基準によって仕訳しなさい。
×1年3月20日 商品1,000ドルを掛けで輸出した(@110円)。
×1年3月31日 決算日を迎えた(@111円)。
×1年4月15日 売掛金1,000ドルを現金で決済した(@108円)。

問2 上記の取引を一取引基準によって仕訳しなさい。

【模範解答】

問1 二取引基準 ※現行の制度では、こちらを原則としている。

×1/3/20(借)売掛金110,000(貸)売上110,000
×1/3/31(借)売掛金1,000(貸)為替差益1,000
×1/4/15(借)現金
為替差損
108,000
3,000
(貸)売掛金111,000

問2 一取引基準
×1/3/20(借)売掛金110,000(貸)売上110,000
×1/3/31(借)売掛金1,000(貸)売上1,000
×1/4/15(借)現金
売上
108,000
3,000
(貸)売掛金111,000

※為替相場の変動による差額を「売上」勘定の修正とするか(一取引基準)、
「為替差損益」勘定の発生とするか(二取引基準)で、二つの方法は異なる。