第5週① ケーキの材料を買うよ!

2014年07月27日

【キッズ簿記(BOKI)Step2】

大好きなケーキ屋さんを開店することにした主人公のケイイチくんと一緒に、お客さんがたくさん来てくれる人気店をつくりましょう。

進行:そして、今回からいよいよ「本日開店、いらっしゃいませ」という、新たなStepに入るわけですが、柴山先生、やっとケイイチくんの念願のキッズベーカリーがオープンするということですね。

柴山:ここまで長かったですね。

進行:Step2では、どんなことを勉強していくのでしょうか?

柴山:Step1では、お店を開店させるまでのさまざまな準備をケイイチくんと一緒にやってきました。
それを受けて、このStep2では、開店した後の毎日の商売のなかで起こるいろいろな出来事を体験しながら、商売の知識、お金のやり取り、簿記のルールをより深く理解するための勉強をしていきます。
第5週は「仕入と売上」です。
お客さんに物を売らないと商売は成り立ちません。
お客さんに物を売るための準備や、売り方にはどんなものがあるのかということを勉強します。
そして、今回はケーキの材料を買います。
ケーキを作るためには材料を仕入れなければいけないので、その材料をどこから買えばいいのか……今回は、そういったことを一緒に勉強していきましょう。

進行:では、今日も一緒に勉強してくれる、もかさんとりょうたくん、よろしくお願いします。
そして、この番組を見て勉強してくださっているあなたも、もしわからないところがあったら、繰り返し見るなどして、一緒に勉強していきましょう。
さて、キッズベーカリーの開店を目の前に控えて準備に忙しいケイイチくんの前に、新たな仲間である食品卸「○○屋」の2代目が登場します。
先生、この人はどんな人なのでしょうか?

柴山:これはオリジナルのキャラクターで、ケイイチくんの幼なじみです。
ケイイチくんは童顔なんですけど、年齢は近いのです。
○○屋は「卸売り」といって、いろいろな所へ色々な食品を売っています。
ケイイチくんは、将来お店を継ぐために、日々修行をしているのです。

進行:では、新たなキャラクターが出てきたところで、復習問題です。

「商売を始めるのに必要なものは?」
これはレッスン1で学んだことですが、覚えているでしょうか?
りょうたくん、どうぞ。
りょうたくん(以下、りょうたくん):建物、備品、車両、機械装置……

柴山:ぜんぶ言いそうですね。

進行:それをまとめて何と言いますか?

りょうたくん:事業計画ではないですか……?

柴山:もかさんはどうですか?

もかさん(以下、もかさん):ヒト・モノ・カネです。

柴山:はい、正解です。

りょうたくん:言われてしまった。

進行:諒太くんは難しく考えすぎてしまいましたね(笑)

柴山:では、改めて確認をしていきましょう。
今、もかさんが答えてくれた「ヒト・モノ・カネ」のうち、「ヒト」とは、経営者や従業員のことで、「モノ」はりょうたくんが答えてくれたような、建物、材料、商品など。「カネ」は、給料の支払いや必要な物を買うための資金ということです。

そして、今回は、そのうちの「モノ」のお話をします。
この番組の初めにもお話しましたが、お客さんに物を売らないと商売は成り立ちません。
そのためには、物を仕入れる必要があります。
ケイイチくんの場合は、ケーキを作ってお客さんに売ることで代金をもらいますが、ケーキを作るためには材料が必要です。
その材料の仕入先が○○屋ということになります。

○○屋さんのように、いろいろな所から買ってきた物を、いろいろなお店に売る仕事を「卸売り」と言います。
なぜ、卸売りがあるのかというと、たとえば、ケーキを作るために必要な小麦粉やイチゴやクリームなどは、それぞれ作っている場所が違います。
ケイイチくんがそれぞれの工場を回って材料を買って来るのは大変なことです。
工場の立場からみても、ケイイチくんのようなケーキ屋さんは何千・何万という数があるので、そんなにたくさんのお店と1つ1つやり取りをしていたら大変なことになってしまいます。
そのような、複雑で面倒なやり取りを無くすために、工場とお店の間に入って、物の流れの交通整理をしてくれるのが卸売りなのです。
卸売りは「問屋さん」とも言いますが、その卸売りをしているのが○○屋なのですね。

進行:さて、ケイイチくんは、毎日、○○屋からケーキを作る材料を仕入れることになりましたが、ここで問題です。

「仕入にも2種類あるよ 何かわかるかな?」
ということで、仕入にも2種類ありますが、何と何を仕入れるか、手元のフリップボードに書いてください。

柴山:ケイイチくんのケーキ屋さんの立場と、喫茶ABCがケイイチくんから仕入る立場の、それぞれの気持ちを考えればわかるかもしれません。

進行:では答えをどうぞ。

柴山:まずはりょうたくんですが、「材料(元になるもの)」「マスター 完成品」……かなり具体的で専門的な言葉ですが、ケーキの材料と完成品ということですね。
もかさんは、「1.材料を仕入れて製品を作る」「2.製品を仕入れて、そのまま売る」……2番はマスターの立場ですね。

進行:2人とも、マスターの立場とケイイチくんの立場で書いてくれましたけど、どうでしょうか。

柴山:もちろん2人とも正解です。
りょうたくんはすぐ思いつきましたか?

りょうたくん:はい。すぐ思いつきました。

柴山:悩んでいるように見えたけど、その姿に騙されましたね(笑)
もかさんはすぐにわかりましたか?

もかさん:少し難しかったですが、ヒントをいただいたのでわかりました。

柴山:それでは、簡単に説明をしましょう。
りょうたくんももかさんも1番で答えてくれたとおり、ケイイチくんの立場では、製品を作るための材料を仕入れます。
仕入れたケーキの材料は「原料」とも言います。
この原料に手を加えて物を作るのですが、これを「加工」といいます。
もかさんが2番で書いてくれているように、原料を加工して製品を作るのです。
材料に手を加えて物を作ることを「製造」とか「生産」などと言いますが、このようなことを「工業」と言います。
学校の社会の授業などでも聞いたことがあるかもしれません。

進行:「製造業」と「工業」というのは同じことなのですか?

柴山:同じですね。
2人は「工業」と聞いてどういうイメージがありますか?

りょうたくん:工作です。

もかさん:機械をイメージします。

柴山:たしかに、機械を使って作業をしているイメージがありますよね。
しかし、簿記の世界では、材料を使って物を作れば「工業」となります。
ケーキ屋さんが工業だというイメージはなかなかできないかもしれないですが、ケイイチくんも工業的なことをやっているのです。
一方、喫茶ABCのおじさんが出来上がった物を仕入れた場合、このマスターは作るという作業をしますか?

りょうたくん・もかさん:しないです。

柴山:仕入れた物をそのまま売るだけですよね。
このように、仕入れた物を加工せずにそのまま売ることを「商い」と言って、そこで売る物を「商品」と言います。
材料に手を加えて形を変えることを「工業」と言って、それによってできた物を「製品」と言うのです。
イメージは湧きましたか?

進行:ケイイチくんが材料を仕入れて作ったものは「製品」で、その製品を買ったマスターが売る場合は「商品」ということですか?

柴山:そうです。
りょうたくんともかさんはこの違いがわかりますか?

もかさん:同じものだけど、売る場所によって呼び方が変わるということですか?

柴山:そういうことです。
何も加工しないで売った場合は「商品」になります。
面白いですよね。
材料の仕入と商品の仕入は違うということです。
みなさんは「工場」と聞くと、機械がたくさんあるような場所をイメージするかもしれませんが、必ずしもそういう場所だけではないのです。

進行:そうすると、商業の場合は買ってきた物をそのまま売るので、同じ物を売っているお店がたくさん増えるということですよね。

柴山:同じ商品を売っているお店なら、どのお店で買っても同じということになりますよね。
では、このような場合、2人はどういう基準でお店を選びますか?

りょうたくん・もかさん:値段です。

進行:私も値段ですね。

柴山:あとは、お店の近さもありますね。
同じ商品を売っていて、歩いて5分の店と10分の店があれば、歩いて5分のお店に行きますよね。
他にも、人がたくさんいるところにお店を出したり、値段を変えたり、接客方法を変えたりして、他のお店と内容を変えていきますが、これは「差別化」と言って、色々な条件でお店の内容を変えていくのです。

商業というのは、お客さんを集めることが第一の目的です。
工業は、特徴を出しやすいと思います。
扱っている物が同じだと差をつけるのが大変ですが、工業の場合は作る物の工夫をしやすいので、独自性のある製品を作りやすいのです。
たとえば、プライベートブランドといって、コンビニエンスストアで作った牛乳を見たことがあると思いますが、そのように、他のコンビニと差をつけるために独自製品を作ることもあるのです。
お客さんに物を売るのは商業でも工業でも同じですが、材料を仕入れて物を作って売るのか、あるいは、商品を仕入れて売るのかによって成り立ち方が違うということをわかっていただければいいと思います。
2人とも、わかっていただけましたか?

りょうたくん・もかさん:はい。

進行:柴山先生、レッスン21のまとめをお願いします。

柴山:1つ目は、キッズベーカリーの商売における物の流れは、「材料を仕入れて」、「ケーキを作って」、「お客さんに売る」ということでした。
2つ目は、材料の仕入と商品の仕入の違いについてですが、材料は加工するもの、商品は加工せずにそのまま売れるものです。
3つ目は、工業と商業の違いについてですが、ケイイチくんのキッズベーカリーのように、材料を仕入れて加工するのが「工業」で、喫茶ABCのように、完成した商品をそのまま売るのが「商業」です。

進行:仕入の種類が違うと、名前も違ってくるというのはどう思いましたか?

もかさん:同じものなのに、売る場所で名前が変わるのは面白いと思いました。

りょうたくん:同じものなのに、違うから、面倒臭いなと思いました(笑)

進行:たしかにそうですね(笑)

柴山:りょうたくんは商業と工業のどちらをやってみたいですか?

りょうたくん:工業です。

柴山:ものを作るほうですね、素晴らしいです。

進行:さて、柴山先生、明日のテーマは何でしょうか。

柴山:明日は「材料を仕入れたら、どう書くの?」というテーマです。
いくらケイイチくんの幼なじみといっても、○○屋さんがタダで材料を届けてくれるわけはありません。
当然、ケイイチくんはお金を払っているはずなので、それを帳簿に書き残さないといけません。
では、それはどう書いたらよいのか?ということを、明日、一緒に勉強しましょう。

進行:キッズBOKI、それではまた明日。