8月22日(月)の日経新聞1面は、非常に興味深い話題を載せてくれました。
     「病院初の社債 7億円発行 みずほと組む」

このようなタイトルでした。
病院は、近年、高度な医療機器の導入を初めとした設備投資の必要性が非常に高まっていました。
ご存知の方も多いと思いますが、医療設備は、1台1千万円クラスもザラで、医療技術の進歩にともない、高額なハード環境の整備が急務ともなっています。
また、従来、病院には、株式会社のような社債による資金調達手段がありませんでした。
いえ、正確に言うと、法的には、現在でも病院が直に普通社債を発行することはできません(医療機関債という制度が最近出てきましたが、これは厳密なな意味での普通社債とは性格が違い、実質的に相対の借入れです。)
そこで、東京・杉並の河北総合病院は、次のようなユニークな仕組みで、7億円もの長期資金調達に成功しました。

資産担保証券とも呼ばれています。
     病 院
      ↓
(1)借入れ↓
      ↓
     銀 行 →→→ 特定目的会社(SPC) →→→ 投資家
          
       (2)債権譲渡(担保になる)  (3)社債の販売

簡単に言えば、病院は直接社債を発行できないので、資産担保証券の発行を目的とする特定目的会社(Special Purpose Company;SPC)を利用します。
(実務的には、資金調達の為に、SPCを全額出資ないし共同出資して設立することも、多いです。)

つまり、まず病院が銀行から借入れを行い(1)、さらに銀行はその貸付債権をSPCに債権譲渡します(2)。

SPCは、譲り受けた病院への貸付債券を担保(原資)として社債を発行し、投資家からの払い込みを受ける、という仕組みです。
(病院に対する債権者は、SPCということになりますね。)

このとき、社債発行の担保となる貸付債権が優良の場合(=貸した相手が財務的に優れている場合)には、投資家は、その社債も金融商品として質が高いと認めてくれるので、喜んで購入しますね。
ここで、貸付債権の相手、つまり債務者である河北総合病院の信用が高ければ、7億円の社債は完売、ということになるわけです。

ちなみに、この社債の条件は、期間5年、年利2%とのことです。

調達した資金は、10月完成予定の救急病棟の機器購入に充てる、と新聞記事では報じています。

これは、非常に興味深い案件で、今後、規模の大きい総合病院などで、類似の資金調達スキームが出てくる可能性が高まってきました。
資金需要の高い事業体が資金調達に関する多くの選択肢を持つことは、とても良いことだと思います。

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