簿記試験、「受かりにくい人の法則」から抜け出そう!

がんばろう日商簿記1級合格。

日々、頑張っていると思いますし、わからないことも多くて不安な日々を過ごしている方もいらっしゃると思います。

私も受験生時代は不安でしたし、専門学校の教室では、毎日、不安を抱えている人からの相談を受けていたので、その気持ちはわかります。
ただし、どんなに人に頼っていても、最後は1人で試験会場に行くので、自立心を育てて、頑張ってください。

小学生も中学生も高校生も頑張っています。
高校生で簿記1級に合格した方も、1人で不安を抱えながらも、最後には克服しました。
あなたにも必ずできます。
不安な気持ちになったら、この動画を見て、私のエネルギーを吸収して頑張ってください。
今回は「受からない人の法則」というお話をします。
これは人間の性なので、仕方がない部分もあるのですが、客観的に見て「この傾向があるな」と思ったら、元に戻してください。

私は1991年に簿記2級の講師をはじめてから、20年以上簿記・会計に関する教育に携わってきたなかで数千人を超える受験生を見てきて、だいたい5分話せば、その人が受かりやすいか、受かりにくいのかがわかります。
ある程度の経験を積んだ講師ならばわかると思います。

「受からない人」の代表的な3つの例を挙げてみます。

まず、会話やメールの文章で、質問がやたら細かい人です。
2巡目をやればわかるようなことを聞いてくる人がいます。
その根底には、わからない状態で先に行くことが気持ち悪く、それに耐えられないという忍耐力の問題があります。
実際に、本試験でも知らないことは必ず出てきますし、そのような問題を敢えて出してきます。
忍耐力が無い人は、そういう場面になるとパニックになってしまって、本来ならば出来る問題まで落としてしまって不合格になってしまいます。
実力はあるのに落ち続けている人は、精神面にも問題があるのです。
わからないまま平常心を持って先に進むことができないと、難関資格には受かりません。
経験上、受かる人の質問の頻度は、ゼロの人もいますが、せいぜい週に1回くらいです。
毎日質問する人で合格した人をほとんど見たことがありません。
1日3回質問をする人がいたので「質問が多いですよ」と言ったら、逆に「質問をしてはいけないのですか?」と聞かれてしまいました。

もちろん、質問するのは構わないのですが、質問をし過ぎる人は受からないのです。
質問をし過ぎる人は、質問をすることだけに力を入れてしまって、手が動いていないのです。
私の経験上、合格したいのならば、質問ペースは週に1回ぐらいが丁度良いです。
1週間勉強した中で、わからない部分を絞ってピンポイントで聞いてください。
しかし、そこでも「不安です」「イライラします」などの感情を合格する人は書きません。
わからないことは気になってしまうとは思いますが、敢えてそれを気にしないということに、「忍耐力を養いましょう」という、裏の深い意味があるのです。
「わかったつもりで先に行く」というのは、ある意味「修行」なのです。

2番目に、受からない人は「納得できない」「わからないとイライラする、気持ち悪い」という理由で、点には関係がない質問をします。
合格体験記を書いている方で、イライラをぶつけるような質問をする人はあまりいません。
そういう方というのは、おそらく、ストレスから解放されたいのだと思います。
なので、そういう方はストレス耐性が無いのか、違うところでストレスを受けているのかもしれません。
簿記1級は簿記2級よりもわからない所が多いので、少しでも「限界だ」と思ったらその瞬間にアウトです。
ストレスは大きいですが、それを受け流してください。

簿記1級のストレスは簿記2級の比ではありません。
簿記1級の内容はまったくわかりませんが、やっていくうちにわかるようになります。
あなたにとっては初めての経験かもしれませんが、私は同じ人を何千人と見ているので、わかります。

あなたの脳はそれほどヤワではありません。

最初は一から十までチンプンカンプンでも、2・3回繰り返せばわかるようになります。
私は小学6年生に簿記1級を教えていたことがありますが、不動産流動化とか税効果などを強引に教えていましたが、わからなくても付いてきました。

情報化社会の影響で、何でもわからないと先に進めないという人が増えていますが、それは違います。
昔は限られた情報で何とかしていました。
これが応用力なのです。
今は情報量が多すぎるのです。

簿記1級も同じで、全部理解しようとしたり、噛み砕いた情報だけを求めているようでは、本試験には受かりません。
なぜなら、本試験は落とすための試験だからです。
なので、納得できても、できなくても、先に進んでください。
わからない状態に耐えられない人は、簿記1級にはなかなか合格できません。
わからない状態に耐えるという「修行」を楽しみましょう。

それができるようになると、仕事など、他の局面でも忍耐力がつきます。
3つ目ですが、受からない人は、文章のなかに感情的な記述が入ります。
「私はパニックになっています」「私は不安です」というようなことを書いたりします。
意識をしているのか、無意識なのかはわかりませんが、イライラ感が文章に出ている場合は、相手にそれを伝えたいと思って書いている確信犯です。

しかし、イライラしているメールをもらったら、それを見た人もイライラしてしまいます。
イライラしたり、不安を感じたら、できればいったんキーボードから手を離して、コーヒーを飲むとか、好きな音楽を聴いたり、リラックスした状態で質問をした方が絶対に得です。
平穏な気持ちで送ったメールは相手にも平穏な気持ちで見てもらえます。
不安な気持ちでメールを送ると、その不安を相手が察してくれて、包み込んでくれるとか助けてくれると思っている人がいますが、それは逆効果です。
最初の1回ぐらいは良いかもしれないですが、それに味を占めて繰り返しメールや電話をする方がいます。

でも、それは本人のためになりません。
幼稚園児ですら、最初は甘えていても、2回目以降は自分で考えるように先生に言われます。
同じように、私の子どもも「先生が厳しい」と言っていますが、それでいいのです。
自立心がポイントなので、自立型の人間になりましょう。
最初の1回ぐらいは良いのですが、また助けてくれると思って、2回3回4回…と感情的なメールや電話をするのは止めてください。

それは勉強する以前のメンタルの問題ですから、しっかりと自分を持ちましょう。
簿記1級に合格するためには、メンタルも大事なのです。
イライラ感が文章からにじみ出ているような相談は、それに回答する側も困ってしまいます。
感情的になっているのを沈めることに意識を集中させてしまうので、本質から外れた返信しかできなくなります。

大事なのは、技術を身に付けて簿記1級に合格することなので、この3つには気をつけてください。
それだけでも、あなたの勉強の取り組み方が随分変わってきます。
質問がやたら細かい場合は、気にせず1回転してみるという、忍耐力を養ってください。
納得できないという理由で点には関係無い質問をする場合は、気にしないでください。
学校教育や研究であれば独自性を出してもいいですが、試験勉強というのは短期決戦です。
実学の場合は、納得する・しないに関係無く、淡々と技術をマスターしてください。
わからなかったら暗記して先に進んでも結構です。

2・3回暗記してもすぐに忘れてしまいますが、気にしないことです。
とにかく大らかにいきましょう。
そして、質問するときにも、文章のなかに不安やイライラした感情を出さずに、落ち着いた状態で質問をしてください。
そうすると、あなたの質問力も上がります。
これは普段の仕事にも使える話です。
「受かりにくい人の法則」の反対の行動を実践しましょう。

私はいつもあなたの簿記1級合格を心から応援しています。
頑張ってください。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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