がんばろう日商簿記1級合格、今回は「柴山式総勘定元帳で会計理論を説明できる」というテーマでお話をしたいと思います。

簿記1級

最近行われた第135回の日商簿記検定を見ても分かるように、会計学や工業簿記、原価計算などで、会計用語の穴埋めであるとか、○×の正誤問題、あるいは選択問題のような、計算以外の理論的なことを問われる問題が少し出てくるようになりました。

でも、対策としては、依然として計算に8割から9割の比重をおいていいと思います。
計算問題の解説をしっかり読んだり、授業の復習を丁寧にキーワードを中心に行うことで理論対策はかなりできます。

そうはいっても、全くしないのも不安だという方もいらっしゃると思うので、理論に関して少し参考になるお話ができればと思っています。

あくまでメインはほぼ計算の練習をしっかりやることで理論対策にもなっていることを踏まえながらも、理論をまったく無視することはできないという、バランスを取りながらお話をしてみたいと思います。

柴山式総勘定元帳は、これまで、仕訳とか数字を扱った計算例を説明しましたが、会計理論も説明できます。

今回は事例として、「発生主義の原則」と「時価主義」による資産評価の考え方を、柴山式総勘定元帳を使って解説したいと思います。

以前、私が大手専門学校にいたときに、公認会計士講座の財務諸表論という会計理論で柴山式総勘定元帳を使って解説をして、複数の受験生の方に会計士合格を勝ち取ってもらったことがあります。

柴山式総勘定元帳というのは、理論の説明にも非常に効果を発揮することを知っていただきたいと思っています。

まず、「時価主義」とは何かというと、資産の期末の評価を時価でやるということです。
「原価」というのは、柴山式総勘定元帳でいくと「現金の支払」です。

1,000円の支出をして有価証券を買った場合、有価証券の取得時の金額の決定を支出額をもって行うことを「原価主義」といいます。

「貸方現金、借方有価証券」あるいは「貸方未払金、借方有価証券」となるケースを原価主義といいます。

なぜこのようなことをするかというと、支出額というのは、領収書や請求書などのように第三者が発行する客観的な証拠資料があります。

こういうものを会計の世界では「証憑書類」といいますが、こういった客観的な証拠資料によって立証できるので、原価主義というものが使われています。

客観的ということは計算が確実だということです。
原価主義の本来の根拠は何かというと、計算の確実性・客観性、そして立証性といわれています。

立証性とは検証可能性ともいって、第三者が発行する書類なので、客観的に証明できるということです。

たとえば、税務署に「この財産の価値はいくらですか?」と問われ「原価が1,000万円」と答えたときに、「1,000万の根拠は何ですか?」と言われたら、領収書や契約書を見せれば税務署の方も納得しますし、会計監査人も納得します。

第三者(調査する人)に納得してもらうのが立証性です。
現金を支払った場合は、その立証性を担保するための領収書がありますので、現金の支払額で資産を測定することを「原価主義」といいます。

原価主義というのは、期末時点で資産の測定(期末評価)をします。
期末の資産の金額を決めることを評価といいますが、原価のまま計上する方法もありますし、有価証券などのように時価の変動があって換金性が重要な場合は「時価主義」というやり方になります。

金融商品に関しては、いくらのお金に換えられるかという換金性が重要なので、時価で評価されるケースが多いと考えてください。

よくあるのは売買目的有価証券のケースですが、たとえば有価証券の取得原価が1,000円で期末の時価が1,100円になった場合、原価と時価の差100円だけ資産が増えたことになります。

資産の経済価値が増えたという事実の発生をもって収益を認める考え方を「発生主義」といいます。

したがって、資産価値が増えた、経済価値の増加という事実の発生をもって収益を認識することを発生主義といいまして、発生主義は柴山式総勘定元帳でいいますと、エリアⅣの“収益”、エリアⅤの“費用”という、収益・費用の認識をするときに用いる考え方です。

発生主義の考え方は、基本的に収益・費用の認識です。
それと裏腹で、資産の評価で発生主義の裏側になった場合、時価が増加したという事実が発生した場合の時価評価が「時価主義」です。

期末に資産を時価で評価すると差額が発生しますが、その差額について「発生主義」の考え方に基づいて収益を認めるのです。

この場合は、発生の事実に基づいて収益を認識するケースがあるということです。
「実現」という段階がまたべつの機会にあるのですが、これは日商簿記検定1級を勉強するときに出てきます。

「含み益」といって、有価証券の経済価値が上がったという事実の発生をもって今回は収益を認識します。
これを発生主義といいます。

結論をいいますと、収益と費用の認識については「発生主義」という言い方をして、「時価主義」というのは、資産の評価について言うということを知っておいてください。

同じ「借方有価証券100、貸方有価証券評価益100」という仕訳の借方・貸方の関係でいくと、「借方有価証券100」は時価主義で、「貸方有価証券評価益100」は発生主義ということで、発生主義と時価主義は、この有価証券の期末評価という取引においては裏腹の関係というふうに考えることができます。

有価証券の期末時価評価で資産の経済価値が上がった状態、時価主義によって資産の価値の増加が認められたら、その事実をもって「発生主義」という名前で収益が計上されます。

時価主義と発生主義というのは、時として対になることがあるということをご理解ください。

このようにして、柴山式総勘定元帳の位置関係で見ていきます。
左上の時価評価(収益のエリア)に移る場合は時価主義と言って、右下は、収益を発生の時点で認識した場合は発生主義と言います。

この他には「実現主義」というのもありますが、また別の機会にお話しますし、柴山式の簿記1級講座でも実現主義のお話はします。
このあたりは日商簿記検定1級の会計学で出題されてもおかしくない内容です。

「発生主義の原則」と「時価主義」という考え方は会計学の第1問の理論で出る可能性があります。

こういったところを丁寧に、柴山式総勘定元帳も参考にしながら、「時価主義は“エリアⅠ”なんだな」「原価主義も“エリアⅠ”なんだ」「“エリアⅣ 、Ⅴ”の損益計算のところが発生主義の考え方に基づいているのだな」というように、大雑把な位置関係でイメージするだけでも全然違います。

ぜひ、柴山式総勘定元帳を活用して会計理論も好きになってしまいましょう。
あるいは、少しずつ会計理論についても自信を持てるようになりましょう。

私はいつもあなたの簿記1級合格を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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