貸借対照表の棚卸資産評価額の意味について、考えてみよう!

今回の「頑張ろう日商簿記2級合格」ですが、貸借対照表の表示における棚卸資産に書かれている金額にどんな意味があるかについて、1つ面白い考え方をご紹介してみたいと思います。

これは私の個人的な意見なのですが、決算書を見るときのコツとして、あるいは簿記の勉強のちょっとしたスパイスとして見て頂きたいと思います。

貸借対照表の左側に流動資産という項目がありますが、そこに現金預金や売掛金や棚卸資産などがあります。

例えば、このうちの「棚卸資産300」とあった場合の300というのは何なのか。
通常、簿記の勉強をするときにはこれを取得原価などと言ったりします。

商品や製品が棚卸資産ですが、この棚卸資産を買ったときの金額(取得原価)で期末評価をするのが原則と言われています。

期末の商品売却価額から諸費用を引いて回収価額が減った場合、つまり処分価値が減った場合にその減った回収可能価額で評価しようということです。

つまり、売って処分できる金額が取得原価よりも下がったときは下げるわけです。
ということは、もし300あるならば300以上で商品を売るぞという経営者の決意の表れなのです。

最低の売却額の目安が期末の棚卸資産の評価額です。
つまり、期末の時価ベースの評価が下がれば、下げた所まで商品評価損という費用を計上して評価を切り下げるのです。

それが基本ですので、期末の棚卸資産の時価ベースの評価が下がれば下げます。
したがって、この金額よりも安い金額では棚卸資産は売りませんという経営者の意思表明であったりすることもあるわけです。

ですから、この金額以上の金額で棚卸資産は処分するだろうと判断していただければ良いのです。

このように貸借対照表に表示されている資産の金額というのは、これ以上の金額で現金化することを予定しているのだとイメージするのも良いと思います。

こういった少し変わった視点で決算書を見ると新鮮な気持ちで簿記の勉強に向き合えるのではないかと思います。
ぜひ参考になさってください。

私はいつもあなたの日商簿記検定2級の合格を心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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