今回の「前を向いて歩こう」は会計とビジネスの接点について、柴山的な視点からお話ししてみたいと思います。

簿記には仕訳というものがあります。
例えば会社が商品を売って現金1万円をもらった場合、通常であれば仕訳は(借方)現金10,000 (貸方)売上10,000となります。

しかし、値引きなどをする場合もあるので、貸方側は測定ができないのです。
数字が分かるのは現金だけです。

売るほうも現金を見て売上の金額を決めるのです。
つまり、売上そのものは金額を決められません。
貨幣経済なので、仕訳というのは現金のやり取りをもってその金額を援用しているのです。

一方、商品を買った側からすると、商品やサービスを消費すると「○○費」として計上します。

個人であれば生活や娯楽や自己啓発などに使いますが、それらによってどれだけ満足したかというのはプライスレスで分かりません。

しかし、金額が分からないままではまずいので、測定するときに領収書や請求書を見て決めるわけです。

領収書や請求書に記載されている金額をもって消費額の評価とします。
消費やサービスの提供そのものは金額が分からないのです。

満足度やサービスの提供のような抽象的な行為というのは現金のやり取りをもって売る側は売上、買う側は払ったお金をもって援用しているのです。

ギブアンドテイクでいくと、借方は得る(take)で、貸方が与える(give)です。
売る側は得た現金をもって売上を測定します。

買った側は、得たものの消費額が抽象的なので、現金のやり取り額をもってお互いのサービスのやり取りを創造したのです。
これが記録の基本です。

柴山式では現金の受け払いがいくらかということを見ます。
現金をもらった理由は売上があったからです。
現金を払った理由は消費額として払ったのです。

このように結果と原因のうちの原因に相当する部分は、それ自体はお金で直接測れないのです。

領収書などで分かるので、現金のやり取りをもって費用や収益を測定しているに過ぎないのです。
これを収支主義あるいは取引価額主義といいます。

では、ここで考えてみましょう。
たまたま「1万円」と言われたからお客さんはそのサービスに対して1万円を払いましたが、本当にそのサービスは1万円の価値があるものなのでしょうか?

たまたま取引で決めた金額が1万円で1万円を払いましたが、本当に1万円かどうかはお互い分からないのです。

例えば歌手がコンサートをやるとして、サービスの提供側である歌手は歌が上手いと勘違いして「1万で提供しているけれど、本当は2万の価値がある歌だ」と思っているかもしれませんが、その歌を聴いた人は「1万もらっても聴きたくない」と思うかもしれません。

このように、サービスの提供側が考えるサービスという抽象的なものの主観的な評価と、サービスを消費する側が払った1万円に対するこのサービスの“お得感”は違うのです。
これがビジネス発展の法則に繋がります。

仕訳で考えると、お金のやり取りという客観的な部分と、その裏側にある原因という2つの側面がありますが、原因の部分は抽象的で人間くさいやり取りなのです。

原因の部分は売り手と買い手で評価が変わってくるのです。
売り手は過大評価するし、買い手は過小評価しがちです。
この仕組みを知っている人がビジネスで成功するのです。

現金のやり取りは客観的ですが、問題はその原因である「売上」や「○○費」のほうが主観的なので、ケースバイケースで変動します。

まず、ビジネスが失敗するパターンを見てみます。
企業(売り手)は1万をもらいました。
1万円のサービスを提供しているはずだと主観で思っています。

しかし、市場のリサーチが上手くできていなくて、それほど評価していないマーケットに投下するとどうなるでしょうか。

例えば、ロックのコンサートを観に行きたかったのに、実際に買ったのはクラシックのコンサートだったというように、自分が欲しかったものとは違うものが来ると損をしたと思います。

不満に思ったお客さんは、次からはその会社から商品を買うことはないです。
このように、お客さんの不満に気づかずに改善をしない会社は絶対に発展しません。
これはよくあるパターンなのです。

自分では「いいものを作っている」と勘違いしているのです。
実際に良いものなのかもしれませんが、たまたまお金を支払ったお客さんにとっては良いものではなかったのです。

マーケットを見極めて、商品をきちんと磨いて、正しいルートで適切に提供しているかの検証をしないと会社は失敗します。

売り手側の主観と買い手側の主観が不均衡だと不等価交換になってしまいます。
あえてそれをやって“売り逃げ”をしている会社もあります。

本当は5,000円の価値なのに1万で売っているような会社です。
そのような会社は長続きしません。
実際にやりとりした現金の額以上の満足度を与えることができるかがポイントです。

お客さんの主観と自分(売り手)の主観をすり合わせる作業がマーケットリサーチであり、お客さんとの対話なのです。

そして、企業の全ての部署がお客さんが支払った価値よりも高い満足が得られるように目指すと、会社は発展していきます。

お客さん側の主観(借方)を大きくして、得した気にさせることが重要です。
現金の額は実際にやり取りした額以上でも以下でもありませんが、お客さんの内面にどれだけ払った額以上の価値があったか、その非会計のプラスアルファの部分が勝負なのです。

ここを生み出すように意識して日々活動することが会社が発展する秘訣です。
私はプラス30パーセント以上の価値を提供する意識でセミナーを行っています。
非会計評価であるお得感の部分が「のれん」であったりするのです。

リピーターが生まれるような仕組みというのは、提供するサービスに対してお客様が感じる満足が支払った金額よりも上がる、つまりお客様の「借方」が肥大すればするほど儲かるのです。

お客様の借方のほうを不均衡にするようにしましょう。
企業が得る現金は、その企業が存続するに足る金額であることが大事です。

100という金額で存続できるのならば、その状況でお客様が100以上の価値を得られれば、ビジネスはWin-Winで成功します。
この意識を従業員に持ってもらうことが経営者の役割でもあるのです。

仕訳で考えると、売り手である企業は「貸方」の先にあるお客様の「借方」の主観が支払った額よりも高くなるような仕訳の関係を維持するような会社の動き方を考えると、ビジネスは拡大します。

あとは、お客様が何に対して得した気分になるかを考え続けます。
今回は仕訳からみるビジネス発展の法則についてお話をしました。
よかったら参考にしてください。

私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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