第138回で連結会計が出るとしたら?

がんばろう日商簿記1級合格、今回は「第138回で連結が出るとしたら」というテーマでお話をします。

前回の137回は本支店会計で、その前が一般簿記でしたので、連結が2回出ていないのと、最近の連結重視の傾向から考えて、そろそろ連結が出題されてもおかしくないです。

どの方も連結に関してはこれから本格的に対策を練っていくのかなと思われます。

9月の中旬に差し掛かってきましたが、多くの方は連結を一通りインプットしてはいるけれど、苦手意識を持っている方や到達感がないと思います。

本試験で連結の問題が出た場合の注意すべき論点をアウトラインとしてお話したいと思います。

試験2か月前になろうとしていますが、連結の勉強をしているときに、このテーマを自分は潰せているかということを意識して勉強すると良いでしょう。

10個ぐらい挙げてみましたが、これらを1つずつ意識して、お手元にある例題や過去問などに取り組むことをおすすめします。

漠然とやるよりは、このような1つずつの目標を作っておき、できたものを1つずつチェックします。
これをやるうえで意識していただきたいのは、たとえば資本と投資の相殺消去など、基本中の基本の論点はこの中には入っていません。

基本的なことはできているという前提です。

近年の傾向としては、素直には出題されないので、論点としては応用的なものがでてきます。

たとえば、最近よくあるのは、子会社が2つ以上あることです。
2番目は、在庫会社の円換算ですが、そろそろ出てもおかしくありません。
少し前に出たときは在外支店なので、今回は在外子会社かもしれないです。

為替換算調整勘定は連結ではその他包括利益、あるいはその他包括利益累計額と言います。
連結特有のその他包括利益の項目です。
その他包括利益は、個別では評価・換算差額等に相当することが多いです。

その代表例がその他有価証券評価差額金です。
為替換算調整勘定は連結特有の項目です。

これは過去問にもありますし、会計学でも出ているので、見ておくとよいでしょう。
在外子会社の換算は次回注意しておいたほうがいいと思います。

3番目は段階取得で、支配獲得前に複数にわたって取得して連結になるケースで、応用パターンです。
追加取得は連結後の持分の増加です。
時価発行増資というのもありますが、まずは追加取得をしっかりできるようになりましょう。

それから、持分売却ですが、出づらいかもしれませんが応用の基本論点として、誰もができておいてほしい処理です。

4番目は、子会社の資産・負債の時価評価です。
日商検定1級の過去の問題を見てみると、だいたい土地か建物や備品という気がしますが、減価償却資産の未実現利益の消去まで出ます。

費用性資産が出てくると面倒ですが、資産の時価評価差額は多分土地だと思います。
とりあえずは土地をやっておきましょう。

柴山式の基本問題も土地しかやっていませんが、簿記講義という中央経済の本を前に見たときは、棚卸資産か何かを時価評価差額で、翌年の処理をやっていますが、今はそこまでは考えなくてもいいと思います。

まずは時価評価差額は土地でいきましょう。
あとは、負債を時価評価することもあり得るので注意してください。

負債の時価評価は、資産の含み益と逆で、負債が増えれば評価差額はマイナスです。
負債の時価評価差額ぐらいは出るかもしれないので、一応注意してください。

5番目は未実現利益です。
これは棚卸資産がでます。
それから土地の売却益です。

建物や備品のような償却性資産の場合は、減価償却の調整です。
未実現利益に関連することとしては、貸倒引当金の修正も注意してください。
最近、税効果に関連づけた連結があまり出題されていないように思いますが、そろそろ出てもおかしくないので、税効果も注意してください。

6番目は未達取引で、これもしばらく出ていません。
かつてはよく出ていましたが、一応注意してください。

7番目は手形の割引ですが、これは手形借入金、あるいは短期借入金と振り替えることが多いです。

8番目は税効果です。
最近出ていないため、過去問でも税効果の連結をやっていないケースが多いので、例題などで学習してください。

9番目は包括利益です。
退職給付に関する処理は個別と連結で変わります。

10番目は企業結合と事業分離で、これは最近の傾向です。
ここは出るかもしれませんが、できなくても合否には影響ありません。
本来は会計士レベルの内容です。

たとえば第三問や最後の問題などで部分点として少し出るかもしれませんが、ここを外しても合否に影響ありませんが、できればやってください。

それと、プラスアルファで11番目に持分法があります。
持分法は苦手な方が多いと思いますが、パターンが決まっていますので、柴山式ならば例題などでしっかり練習してください。

全てで11項目ですが、これらの典型的な問題を、柴山式なら例題、あるいは過去問の関連する問題などを拾い集めながら、できるだけ今お話した論点を意識して勉強してみてください。

この順番は出る可能性が高い順にお話したつもりです。

今回は、「もし138回で連結が出るとしたら」ということで、論点を簡単に整理してみました。

これらのテーマにしたがって、代表的な例題や過去問の資料などをしっかりとマスターして、連結が出たら自信を持って解けるように準備をしましょう。

私はいつもあなたの1級合格を心より応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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