減価償却(定率法)(スッキリ学ぼう日商簿記2級の超入門 第4回)

減価償却の記帳方法

減価償却の記帳方法ですが、3級で勉強をする一般的な方法を学びましょう。

借方減価償却費100、貸方減価償却累計額と言って、特定の資産のマイナスを意味する資産の評価勘定を書きます。

資産の評価勘定は、3級などで学んでいくもので、二つ代表的なものを覚えてほしいのですが、一つは減価償却累計額。

これは建物や備品や車両運搬具、機械装置などの有形固定資産に対する評価勘定です。もう一つは受取手形、売掛金、電子記録債権とかクレジット売掛金もそうですが、いわゆる債権です。

金銭債権、売掛金などに対する評価勘定である貸倒引当金、この二つが評価勘定と言われています。代表的な評価勘定は二つ、一つは貸倒引当金、もう一つは、減価償却累計額、大事な言葉で実務的にも使いますから、頭に入れておいてください。

それに対して直接法は減価償却累計額を使わずに建物という資産を減らします。
借方減価償却費100、貸方建物。このデメリットは何かと言うと、1個丸々は、見た目は減っていないのにあたかも減ったようになってしまいますので、売った場合とかと比較しにくいという点です。

間接法と直接法の比較

基本的には間接法が一般的な記帳法です。売ったり除却したり現物がなくなったら減らしていい。現物が無くなったように減っていますから。

見た目がちょっと古くなっただけで。例えば5階建ての建物の5分の1が減ったときに、5階の1階部分が減った訳ではないでしょう。物が減っていません。

物理的に物体が消えたわけではないのに、直接減らしますので、実態に若干合ってないかなって気もします。数字上はいいですが。

試験に出ることもないことはないので、一応知っておきましょう。実務でもないわけではありません。例えば無形固定資産と言って、ソフトウェアとかそういったものについては、減価償却みたいにしたときに、直接法を使います。直接法の償却も知っておいたほうがいいです。

減価償却の方法

問題文です。

まず間接法です。備品の減価償却を行った。取得原価250万、残存価額0、耐用年数5年ということは1年当たり50万です。

期首に買いました。間接法、定額法です。借方減価償却50、貸方減価償却累計額50、これはいいですね。この場合の帳簿価額、簿価あるいは未償却残高は250の取得原価引く減価償却累計50で、差し引き200万円が帳簿価額または簿価、または未償却残高といういずれの言い方も知っておいてほしいです。200万円です。1年後の価値。

直接法です。備品の減価償却がございました。償却方法同じで、直接法です。
50万。借方減価償却費50、貸方建物50、評価勘定を使わずに直接減らして、差し引き200という一発で出すというやり方もあります。直接法を頭の片隅に入れておいてください。

では二つ目に行きましょう。

定額法

定額法による減価償却です。すごく大事で試験にも本当よく出ますので、実務でもよく見ます。
そのうち何回も繰り返して、5回10回20回と練習をしてそのうち何となく入ってくればいい。

繰り返し5回以上やってほしいと思うのです。練習問題。減価償却費の計算方法その1、定額法で毎期一定額です。

例えば4年の耐用年数が過ぎたときに40万で処分できるとしました。
そうすると、40万は回収できますので差し引き400万の10%の40万を引いて360万円まで価値が下がると考えます。

360万について毎年4年で下げていくと、360÷4年で90。90というふうに下げていきます。
1年後310、2年後に220、3年後130、4年後40みたいな形で90ずつ同じ数字が減っていく。わかりやすいです、計算がね。

この場合は360÷4年、あるいは400万×0.9÷4年です。90%というやり方も昔結構あった。今は0の方が多いので。
でも10%も試験に出るかもしれないので10%もできるようになっておきましょう。
400万×0.9で360万。4年で1年当たり90万。最後の年は40万で処分しましょう。
一応、予定としてということです。ストレートラインメソッドです。直線的な減価償却。

定率法

今回やるのは定率法。毎期、期首の未償却残高に一定率をかけます。
例えば400万円の残存価額10%40万。360万を4年間で減らす場合、数学の計算をすると出るのです。

毎年一定率、今回は0.432です。大体決まっているのです。0.432で4年やっていくと、差し引き0.568なのです。

ずっとこの率で減らしていくと最後4年後にちゃんと10%の40になるように計算します。
この率は大体与えてくれますので、問題文で。あとは会計ソフトも入れますので、率は大丈夫です。ネットで調べれば、耐用年数4年の定率法の定率、例えば0.432が出ます。適用する率は0.432とすると、まず400万×0.432で173万、173万を引くと、残存価額が227。227×0.432は98です。227引く98は129。129×0.432とやります。そうすると55.7なので56としましょう。129から56を引くと73。73×0.432とすると、31.5で端数があるので最後差し引きます。

最後の年度は、端数で1円とか2円のずれが出ますので、最後差し引きします。
73-40で33。本当は31か32だけど、それやっちゃうと余っちゃうので、40にならないので、最後差し引きします。直前の帳簿価額に一定率を掛けるというやり方をぜひ覚えてください。

それを踏まえて練習しましょう。備品の減価償却がございました。取得原価が1,000万円で買いました。それに対して初年度、定率法です。減価償却累計額は最初0なので、1,000-0×0.369で369万。借方減価償却費369万、貸方減価償却累計額369万。間接法です。帳簿価額は1,000万-369で631万円と出しましょう。

では2年後いきましょう。
今度は2年目ですが、1年は369はストックで繰り越します。費用はリセットします。費用は0です。

去年ですでに369終わっていますので、期首の段階で369が減っています。
つまり1,000-369掛ける0.369です。耐用年数5年の場合は、0.369でずっと減価償却をすると、5年後に10%になります。

今回は1,000-369、期首の段階、差引×0.369をすると233が出ますのでやってみましょう。631×0.369で232.8は233。借方減価償却費233、貸方減価償却累計額233となります。合計233と369で、減価償却累計額は2年かけて602まで膨らみました。それを1,000から引きます。
そうすると、2年後の帳簿価額は398万円、帳簿価額、簿価、未償却残高398。とても大事なところなので、ぜひよかったらもう1回復習してみてください。あなたの減価償却に関する知識はグーンと深まります。よかったら練習してみてください。

3年後もどんどん減らして、602なので602を引いて、0.369を掛けて147万。借方減価償却費147、貸方減価償却累計額が147となります。

4年後、749に3年後なりますので、これが期首なります。そうすると今度は1,000-749で引き算をして、減価償却して減っていくわけです。

1,000-749で251掛ける0.369で、92.619、93です。借方減価償却費93、貸方減価償却累計額93、それを足すと847になります。これは4年後、どんどん減っていくでしょう。面白いのは減価償却はだんだん小さくなります。

初年度は369、2年目は233、3年目は147、4年目は93下がりました。最後は差し引きです。最後は期首の842と1,000を差し引き、1,000-842で158。158-100で58としました。
借方減価償却費58万、貸方累計額58。トータル900で1,000から900を引いて最終年度、ちゃんと10%の100になりました。これが定率法の計算の一つの代表的なパターンです。
1回復習してみると、定率法はよくわかります。
まとめ
ということで最後、こんな感じで考えますと、日商簿記検定2級で、補足ですけども、2級で学ぶ減価償却の計算方法です。定額法、取得原価-残存価額÷年数または取得原価-残存価額×償却率。毎年、一定額を減価償却費とします。これは3級でやります。
残存価額0のケースが多いけど、10%のケースもあるので一応注意しておきましょう。問題文として。

定率法、期首の未償却残高×償却率。取得直後に減価償却費が多くなりますが、先に行くに従ってだんだん減価償却費が低くなります。今回の学習対象は2級です。

2級でもう1個あるのは、200%定率法と言って、1番の定額法の償却率を2倍するみたいなのがあります。今回時間の兼ね合いで対象にしませんが、いずれまた機会を見てどこかでやりたいと思います。

皆さんお手元のテキスト、柴山式の簿記講座もありますがそういったところで補足してくれればいいでしょう。

今回一番大事な定率法の基本をやっています。あともう1個は生産高比例法とありまして、これもテキストとか柴山式簿記講座ならば、私の書いたテキスト等を参考にしてください。生産高比例法は、毎期の利用割合に応じて計算するというやり方です。ご参考になさってください。

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