第5週③ ケーキを喫茶ABCに配達するよ!

【キッズ簿記(BOKI)Step2】

大好きなケーキ屋さんを開店することにした主人公のケイイチくんと一緒に、お客さんがたくさん来てくれる人気店をつくりましょう。

今回は、「ケーキを喫茶ABCに配達するよ」というテーマです。

キッズベーカリー開店の朝を迎えたケイイチくんですが、開店前に喫茶ABCにケーキ50個を車で配達します。
お店に来てくれるお客さんへケーキを売る以外にも売上を伸ばすチャンスがあるという、良い点を学んでいきましょう。

進行:きょうも、もかさんとりょうたくんと一緒に勉強していきますが、この番組を見て勉強してくださっているあなたも、わかりづらい所があったら、繰り返し見て一緒に勉強していきましょう。

それでは、いよいよキッズベーカリー開店の当日です。
朝早く○○屋さんの2代目が届けてくれた材料でケイイチくんがケーキを作りました。
これでいよいよお店を開店……とはいかないようで、実は、開店する前にもケイイチくんには大事な仕事があります。
こちらはキッズベーカリーの1日ですが、開店前に喫茶ABCにケーキを配達することになっています。
さて、商品を売る相手には2種類ありますが、もかさんとりょうたくんはわかりますか?

もかさん(以下、もかさん):お店に来るお客さんと……

りょうたくん(以下、りょうたくん):喫茶ABCです。

柴山:正解です。
まずは、お店からお店、あるいは会社から会社への売上、これが1つ目です。
2つ目は、もかさんが答えてくれたように、お店に来てくれた人に売ること、つまり、会社から個人への売上です。
個人のことは、よく「消費者」と言いますね。

ところで、ビジネス用語で“BtoB”という言葉ありますが、これは“Business to Business”の略で、ビジネスとは会社のことです。
つまり、“BtoB”とは、会社どうしで物やサービスの取引をすることで、卸売りなどもBtoBですね。
もう1つは“BtoC”というものあります。
これは“Business to Consumer”あるいは“Business to Customer”の略で、会社と個人が物やサービスの取引をすることです。
もかさんやりょうたくんがお店で物を買うことは、BtoCになります。
ここで質問ですが、次の取引はBtoBか、BtoCのどちらになるのか、答えてください。
まず1つ目、街のコンビニエンスストアはどうでしょうか?りょうたくん、答えてください。

りょうたくん:BtoCですか?

柴山:正解です。
普通は個人の人が買いにいきますよね。
それでは、そのコンビニにお弁当を納めている業者さんはどうですか?

もかさん:BtoBです。

柴山:そのとおりです。
コンビニはBで、業者さんもBですから、BtoBになります。
さらにもう1つ、そのコンビニに工場から商品を運んでいる運送会社はどうでしょうか?
もかさん:BtoBですか?
柴山:正解ですが、理由はわかりますか?

もかさん:商品を向こうが消費するわけではないからですか?

柴山:運送会社が代金を請求するのは工場かコンビニかのどちらかで、どちらも会社なのでBtoBということになるのです。
少し難しかったかもしれませんが、イメージは湧いてきましたよね。
ケイイチくんの話に戻すと、開店した後にお客さん相手に売るのはBtoCです。
では、りょうたくん、喫茶ABCに売るのはどちらでしょうか?

りょうたくん:BtoBです。

柴山:そのとおりです。
わかってきましたね。
このようにBtoBもあるということを理解していただけたら嬉しいです。

進行:ここで質問ですが、商売人同士で取引をするBtoBの特徴は何でしょうか?
喫茶ABCとの取引を思い出しながら考えてみてください。

柴山:お店で個人が買いに来るときと比べて、金額とか、取引の回数とか、いろいろなことがあると思います。

進行:では、答えを見せてください。
2人ともたくさん書いてくれましたが、まずはもかさんから答えを読んでください。

もかさん:取引の量が多いことと、取引する時間が決まっていることと、取引の内容もだいたい決まっていることと、消費者に売るときに比べてセールとかおまけがあまりないかなと思ったのと、取引の対象は喫茶ABCなので、子供が取引相手になることはないということです。

柴山:最後は斬新な答えですね(笑)

進行:では、りょうたくん、答えをお願いします。

りょうたくん:自分で作っていないので、会社が買っても利益が出ないから、その分高くなることと、信頼関係が必要だということと、会社と会社の取引なので、どちらかの会社が潰れたら取引ができなくなることです。

進行:リスク管理までして、すごいですね。
先生、それでは答えをお願いします。

柴山:もかさんが答えてくれていますが、1回あたりの売上数がとても多いことです。
取引の量が多く、まとめて買ってくれますが、逆にいえば、多く買わないとBtoBの意味がなくなってしまいます。
取引量が多いので、取引が安定しているとか決まっているということは、もかさんも答えてくれていますし、りょうたくんもそれに近い答えを言ってくれていましたね。
1回こういったお客さんがつくと、取引が安定します。
会社のお客さんをとってくるのが社長の大事な役割ですね。
そして、商品をたくさん買ってあげるということは、値段はどうしてほしいですか?

もかさん:安くしてほしいです。

柴山:そういうことですね。
だから、りょうたくんが値段のことを答えてくれていたので、なかなかいいところをついているなと思いました。
たくさん買っているのに安くしてくれないと、そのまま売ったのでは利益が出にくくなります。
たとえば、喫茶ABCが単価300シバでケーキを仕入れたら、1個400か500シバで売らなければいけないので、売れなくなってしまいます。
ケイイチくんのお店と同じ300シバぐらいで売りたいので、喫茶ABCは、300シバよりも安く仕入させてくれるようにお願いしますよね。
ケイイチくんから見ても、安く売れば1個あたりの利益は下がるけれど、たくさん売ることで結果的には多くの利益を得ることができます。
今回は1個300シバで売っているケーキを210シバにしてくれるということです。
300シバを210シバで売るということは、何割引になりますか?

もかさん:3割引です。

柴山:よくわかりましたね。
計算速いですね。

300×0.3で90、300から90を引くと210になります。
これを「7掛け」と言うことがあります。
「柴山さん、たくさん買うから今回は300を7掛けにしてくれない?」などと言ったりします。
喫茶ABCは50個買うと単価210シバになるので、10,500シバでケーキを仕入れることになります。
単価300シバで買うと15,000シバになるので、4,500シバも安く買えることになります。
それで、普通に売って儲かるということになるのです。

進行:先生、それではレッスン23のまとめをお願いします。

柴山:まず、商品を売る相手によって、どんな販売の仕方があったかというと、1つはBtoBといって、喫茶ABCのようにお店や会社に対して売ることです。
2つ目はBtoCといって、お店が個人に売ることでした。
次に、喫茶ABCへの売上はそのどちらにあてはまるかということですが、今お話したとおり、BtoBになります。
そして、BtoBの売上の特徴は何かというと、売上の数量が多いことと、そのぶん、単価が安くなることです。

進行:BtoBとBtoCの違いもわかりましたよね。
今回のレッスンはどうでしたか?

もかさん:今までは日本語の用語しか出てきませんでしたが、英語の用語になったので驚きました。

進行:りょうたくんはどうでしたか?

りょうたくん:キッズBOKIも、BtoBも、どちらも“B”がつくので難しいなと感じました。

柴山:斬新な感想ですね(笑)

進行:では、柴山先生、明日の予定を教えてください。

柴山:明日は「喫茶ABCへの売上は、どのように書くの?」というテーマです。
毎日50個のケーキを買ってくれる、ありがたい「お得意さん」の喫茶ABCは、キッズベーカリーの安定経営を支えてくれていますが、この売上を毎日帳簿に書かなければなりません。
では、どう書けばよいのかという、竹とんぼの話などを学んでいきます。

進行:キッズBOKI、それではまた明日。

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