簿記の過去問の音読をはじめましょう! 

がんばろう日商簿記1級合格。

今回は、過去問について、音読をしてみましょうというという話を改めてしてみたいと思います。

134回の簿記1級の合格体験記を書いていただいたSさんという方のお話にもあったのですが、柴山会計の簿記学習サイトには、合格者の合格体験記がいくつか載っています。

どんなところに気をつけて勉強したのかとか、どんな問題を克服したのかということが書いてあるのですが、最近アップしたSさんが書かれていたのは、柴山が提唱する勉強法の特徴の1つ「過去問を音読する」というものに非常に興味を持たれたということです。
「こういうやり方もあるんだな」と、刺激を受けたと言われています。

私はコーチングもやっていますが、簿記1級の受講生でコーチングを希望されている方もいらっしゃいますし、受講生ではないけれども私のコーチングを受けたいという方もいらっしゃいます。
そのなかで私は「過去問は勉強が不十分でも始めたほうがいい」とよく言うのですが、それはなぜかというと、解けるようになるのは最後のほうだけれど、過去問に慣れるのは時間がかかるからです。

過去問の言い回しは、普段の個別練習問題とは全然違います。
過去問というのは個々の例題の組み合わせなので、高度ではないけれども、複雑なのです。
ただ、専門学校の問題というのは、論点自体が高度なので、過去問とは少し違うのです。
過去問をよく見ると、言い方に“煙幕”を張りまくっていて難しく感じるだけであって、やっている論点は大して難しくはないのです。
そのギャップは過去問に触れないとわかりません。
随分前にも過去問の音読ということを動画でお話したら、「こういうやり方もあるのですね」という反響がありましたが、本当に実践しているかどうかは実は怪しいところもあります。

私の経験上、「これは良い方法だよ」と教えても、それを実践するのはだいたい100人中5人なのです。
しかし、世の中はそんなものです。
だから、実践しない95人は上手くいかないというだけなのです。
私は言い続けますし、今回も申し上げますが、過去問はわからなくてもいいから取り組むのです。
そもそも、わかっているのならばやる必要がありません。
できないからやるのです。
できないときにどうするのか?という対処法をほとんどの方は知らないのです。
できなくて当たり前なのです。

できないことでストレスを感じること自体がおこがましいのです。

過去問を解いて全然解けないのは、正常です。
過去問を解いてできたら、そのほうがおかしいです。
それができたら、わざわざ日商簿記検定1級に十数万も払う必要はないはずです。
できないから高いお金を払ってやっているのです。
十万円以上のお金をかけて勉強をするということは、それだけ難しいのです。
難しいものには早く取りかかりなさいということです。

過去問の言い回しが本試験で出るのだから、やるのなら過去問なのです。
その「言い回しに慣れる」というステップを飛ばして解けるようにしようとするから間違えるのです。
まずは問題文に慣れるのです。
学校の勉強を思い出してください。
昔の人は、今みたいに英会話のカセットテープなどありませんでしたが、英語はペラペラです。

それは音読をしていたからです。

「ただひたすら座禅をする」という意味の「只管打坐」という言葉ありますが、それと同じで、ただひたすら音読するのです。
意味はわからなくてもいいです。
でも、日本語だから読めるはずです。
アラビア語を読めと言っているわけではありません。
書いてあるのは日本語なので、読めるはずです。
声に出して読むことで、だんだん深層意識に入ってきます。
その感覚を身に付けて欲しいのです。

問題文の意味はわからなくても、日本語だから入ってくるのです。
それが入ってくる状態で、別途、例題や普段のテキストを見ていると、過去問の問題文の言い回しがスーッと結びついて、「ああ、こうだったんだ!」となるのです。
これを私は求めているのです。

まず、訳がわからないけれど、言葉の羅列を頭に入れてしまうのです。
言葉の羅列が意味を成してくるのは、先に過去問の言葉を入れて、その後に例題とテキストを見ると意味づけができるのです。
こうやって、本試験と例題を結びつけてください。
柴山式の例題というのは、過去に出題された問題の言い回しをかなり使っています。
だから、必ずどこかでシンクロします。
ただ、いつシンクロするかは個人差がありますから、すぐに結びつかなくても気にしないでください。

意味がわからなくても読むというのはとても大事なことなのです。

先ほどのSさんも少し触れていますが、過去問の音読はやらなくても受かるけれど、やったほうが早く受かります。
この試験は満点を狙う試験ではなく、70点以上取れれば合格証書が来る試験です。
自分で狙って70点以上は取れます。
90点は簡単に取れませんが、80点ぐらいまでなら狙えます。
なので、訳が分からなくてもいいので、過去問を音読してみてください。
音読することで必ず道は開けます。

過去問の音読は世の中で過小評価されすぎです。
過去問にかぎらず、日本語を音読することは大事です。
日本語というのは言葉の響きが美しいですから、噛みしめるように、日本語を味わってください。
過去問だって同じ日本語ですので、日本語を味わうというつもりで音読してみてください。
意味なんかわからなくてもいいのです。
最初から意味がわかっていれば、高いお金を払って専門学校のカリキュラムを受ける必要などないはずです。
なぜ金額が高いかというと、それだけ大変だからです。

だから、わからなくてもいいから、問題文を味わうつもりで過去問を音読するということをこの時期にぜひやってみてください。
過去問は早めに取りかからないと11月の試験は手遅れになります。
わからなくてもいいので、まずは読んで、日本語を味わってください。
「問題文を音読して、味わおう」…これが今回のテーマです。
ぜひ参考にしてください。

私はいつもあなたの簿記1級合格を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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