簿記3級、2級の知識も、役に立つことが多い!

がんばろう日商簿記1級合格、今回は「簿記3級、簿記2級レベルの知識も役に立つことが多いです」というお話です。

12月の中旬から下旬に差し掛かってきて、2013年11月17日に実施された第135回日商簿記検定3級・2級の合格報告をメールでいただいています。

柴山式簿記講座や柴山式の考えを使って、学校の教室や通信講座で合格された方からの合格報告が次々と寄せられています。

簿記3級・簿記2級に合格された方は、興味があれば簿記1級をめざしてほしいと思います。

今、簿記1級を学習されている方にも考えてほしいことがあるのですが、過去問を解いてみると分かるのが、実は簿記3級・簿記2級でやっていたことの応用で解ける問題が意外とあることです。

もちろん、簿記1級特有の論点が多くを占めていますが、簿記1級の土台として、たとえば簿記3級の損益振替や、期中取引の集計の技術、簿記2級で学んだ特殊商品売買や工業簿記の知識も使うのです。

関連する簿記3級・簿記2級の知識をおろそかにしているから簿記1級の実力が伸びないというケースを私は何度か見ています。

今、簿記1級の勉強で閉塞感や伸び悩みを感じている方は、関連するテーマでいいので、簿記3級・簿記2級の知識をもう一度見直してみてください。

案外、そこがあやふやになっているから簿記1級の応用レベルの知識がなかなか理解できなくて困っているのかもしれません。

私は、日商簿記検定1級の準備講座というところで、簿記3級レベルの期首の貸借対照表から期中取引を集計して期末の決算整理前の試算表を作るという問題を出したことがあります。

個別取引は簿記2級ですし、形式は簿記3級の第三問でやっている試算表の集計なので、解説は要らないだろうと思っていたら、全然できないのです。

これにはビックリしました。簿記3級で学んだ試算表集計の技術が落ちているのだと思います。

簿記1級の商業簿記では、期首の貸借対照表からスタートして期中取引を集計して試算表を作るという問題が過去に出ています。

解説をつけずに出したら、その部分の質問が多かったので、その後、ある時期に、詳しい解説を追加して補足説明をするようにしたら質問は来なくなったのですが、案外、簿記3級・簿記2級の知識は忘れているのです。

それから、質問が多かったのが「保証債務」です。
保証債務の取崩益や、債務保証に関する時価評価というのは簿記2級の知識なのですが、この部分を苦手にしている人が多かったです。

それは簿記1級でも出ているのですが、みなさん解けないのです。
今だからこそ簿記3級・簿記2級の知識をしっかり見直してもいいかもしれません。

年末年始には時間があると思いますので、あえてこの時期は難しいことをせずに簿記3級・簿記2級の知識をもう一度見直してみてはどうでしょうか。

特に簿記1級で苦手になっている箇所、たとえば多くの方は割賦販売、本支店会計、連結などを見直してみるのです。

連結は簿記2級の本支店会計の知識を応用していますし、簿記2級の特殊商品売買の基本的な仕訳をしっかりやっておけば、簿記1級受験生の多くの方が苦手にしている割賦販売や委託販売などの商品売買に関する知識も、簿記2級の応用で解けるものが多いのです。

年末年始はテーマを決めて、みなさんの苦手な部分だけでもいいので簿記3級・簿記2級の知識をもう一度復習してみるのもいいと思います。

工業簿記・原価計算であっても、商業簿記・会計学であっても、簿記3級・簿記2級で学んだ知識が活かされているので、この時期、あえて足元を見てみてください。

簿記3級・簿記2級の知識も簿記1級の学習に非常に役に立つことが多いということを、この機会に見直しましょう。

最近のトレンドを追うことも大事ですが、その前に、根っことなる基礎知識がきちんとしていなければいくらトレンドを追ったり傾向の対策をしても意味がありません。

逆に、足元をしっかりしておけば、トレンドが多少大雑把でもしっかりとした力がつきます。

まずはコンスタントに50点から60点を取れる力をつけてから、トレンドをやってください。
このようなことを踏まえて、明日から頑張りましょう。

私はいつもあなたの簿記1級合格を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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