まずは簿記の過去問80点以上を目指してみよう

がんばろう日商簿記1級合格、今回は「まずは過去問80点以上を目指そう」というテーマでお話をしたいと思います。

つい最近、6月9日に実施された第134回の日商簿記検定1級に4か月で1発合格された、大分の中国人留学生の方の合格体験記を柴山式簿記1級講座のサイトにアップしました。

ご本人様の承諾を得たうえで、お名前と写真を一般公開させていただいた状態で、合格体験記を非常に詳しく書いていただいたので、どのように効率良く4か月で勉強して1発で受かったのか、しかも日本語が母国語ではない方がどうやって受かったのか、非常に役に立つ内容です。

日本語を母国語とする我々、あるいは社会人の方ならばある程度のビジネス知識がありますが、そういったアドバンテージがある状態でも苦労します。

この方は大学院に通っている学生の方なのですが、ファイナンスを専攻しているので簿記よりもむしろ経済学に近く、教養としての簿記はやりますが、商学部ほど難しいところまではやりません。

会計の専門ではないことと、お金がかかるためにアルバイトを何時間もしながら、そして大学院の研究や翻訳という仕事をしながら簿記1級の勉強時間を毎日捻出して、2月から始めてわずか4か月で1発合格をしたという留学生の合格体験記は、実は私にとっても得るものが多く、驚きでもあったのです。

日本人が読んでもよく分からないという問題文を理解して解いたのです。
日本人にとっては、日商簿記検定1級のあの文章を英語で書かれた状態で解いているようなものですから、すごいことです。

しかも4か月で合格したのです。

それを考えたら、社会人であり日本語が母国語である我々も4か月から半年で合格するのです。

もちろん、仕事で忙しいというのもありますが、彼も大学院の勉強をして、アルバイトも1日3・4時間ぐらいやっていて、それらを並行させながらその合間を縫って毎日頑張って勉強されていました。

同じ人間ですので、あなたにもできないことはないと思います。
勉強法として具体的に書かれていたのは、1つは、例題をほぼ完璧にすることが前提で、それができた上で過去問に移行するのですが、彼は過去13回分ぐらいの過去問に絞って、それを徹底的に復習しました。

そして、だいたいどの問題も80点以上取れるようにしました。
これを目標にして勉強をして、本番で合格をされました。

本当ならばもう少し点数が取れると思いますが、先日の試験は商業簿記が少し難しい問題で、部分的には会計士の受験生でないと解けないような形式がありました。

事業分離と連結を絡めるような問題が出題されていましたが、通常は公認会計士試験のレベルなのです。

日商簿記検定1級の受験生は連結のみで勉強をしているので、企業結合・事業分離と絡ませることはほとんどなく、かなり面食らったという意味では合格者にも動揺があったらしいです。

合格率も9パーセント台と少し低くなりました。
しかし、その状態でも1発で合格していますので、その前に実施された平成24年11月の試験であればおそらく80点ぐらいで合格したのではないかと思えるぐらい、力のある方です。

標準的な問題であれば80点は取れるけれども、今回は70点台で合格しています。
ポイントは過去問だというふうにご本人もおっしゃっていますし、私も同感です。

私の場合、「過去問は過去10回分ぐらいを9割」と言っていますが、現実問題としていきなり9割を目指すのはきついので、まずは8割を目指してください。

彼の場合は13回分ぐらいなので、どの問題が出ても8割以上取れるようにして、過去問に出てくる連結はほぼ完璧にしたようです。

このように、最後は過去問で仕上げるというやり方で合格していますので、この方法は前回の試験でも有効ということです。

そのときに過去問で本当に8割以上取れるようになっているか、そして例題をきちんとできているかどうか、これに尽きるわけです。

みなさんはお盆のあたりから過去問を始めると思いますが、まずは過去10回分くらいの過去問をやって、最初はできなくてもいいので何度も繰り返して、どの問題が出ても8割取れるのを目標にしてください。

そうすれば、今回合格体験記を書いてくださった方のように、合格してもおかしくないレベルに到達します。

早めに8割に到達すれば、残りの時間で85点、90点…というように過去問のレベルを上げていって、場合によっては直前の予想問題などをやっても構いません。

ご自身の持ち時間に合わせて選んだ直近の10問前後以上の過去問を3回転ぐらいして、8割を目指しましょう。

柴山式の場合は、最近6回分ぐらいまでは音声でサブノートを使って説明しています。
これを使っている方もいらっしゃいます。

柴山式は「例題主義」「過去問主義」ということで、非常に多いカリキュラムを採用している一般的な専門学校の半分ぐらいの勉強量で合格レベルに到達しましょうということで、70点台後半ぐらいから80点ぐらいまでを目指して、基本論点をしっかりと固めて確実に受かりましょうというやり方です。

まずは10回分程度の過去問をどれが出ても8割取れるということを目標に、今日からやってみてください。

そして、8割を取れるようになってから、さらに85点や90点を目指せば、あなたの合格する確率は上がっていきます。

頑張ってみてください。
ご参考になれば幸いです。

柴山会計のスタッフはいつもあなたの簿記1級合格を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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