貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)

2014年04月11日

知識ゼロからの会計学入門

知識ゼロからの会計学入門、第2回「財務会計でわかること① 貸借対照表」今回もみなさんと一緒に楽しく会計学の入門の勉強ができるようにナビゲートしてきたいと思うので、よろしくお願いいたします。

まずは前回の復習として、財務会計についてもう一度全体像を見ておきたいと思います。
財務会計というのは、企業の外部にいる利害関係者に対して、会社の財産の状況の帳簿に記入し、3枚の表に集約して年に1回などの定期的な報告をする行為です。

外部の人間というのは企業の中の人とは違う「他人」なので、他人と共通の理解をしようと思ったら、会社独自のルールで会計報告をされても意味が分からないため、1つのルールを持って会計の報告をいなければいけません。

3枚の表には「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」がありますが、今日勉強する「貸借対照表」というのは、財産の一覧表です。

そして「損益計算書」は利益を計算する表です。
「キャッシュ・フロー計算書」というのはお金の流れを表すものです。

様々な表を読むときに、表の作り方のルールが法律で決まっていないと利害関係者はどのように理解していいのか分かりません。
前回でもお話をしましたが、3つの法律が大事になります。

1つは税金を納めるときのルールである「所得税・法人税」
2つめは「会社法」で、多くの中小企業はこの法律に縛られるのですが、会社がおよそ行うビジネス行為に関する基本的なルールを定めています。

その中に、計算書類に関する規則ということで会計報告に関するルールが決まっています。

これは日本のすべての事業主が関わる法律です。

そして、日本全国260万社ぐらいあると言われている法人の1パーセントに満たないような、一部の大手企業の株を買うときの判断となるように、「金融商品取引法」という最も厳しいルールで会計の報告が規制されます。

インサイダー取引という言葉も聞いたことがありますが、あれも上場企業ならではの厳しい規制なのです。
このように様々な法律で会計のルールが決められています。

今回は会社の中で日々行われる経済活動(入金・出金、売上 仕入、設備の購入、株の売買など)に関して、仕訳帳や総勘定元帳という帳簿にいったん書いて、それを3枚の表に要約して報告しますが、今回は3枚の表のうちの「貸借対照表」について、そのあらましをお話してみたいと思います。

貸借対照表というのは、Tの字を書いて、左半分と右半分があるのだと思ってください。
そして、左半分は会社の中にある財産のイメージです。

会計では財産のことを「資産」と呼びますが、ここでは財産と言っておきます。
会社の中にある財産というと、まずは現金が1,000万円あります。
そして、会社の倉庫の中にはたな卸資産(商品の在庫)が2,000万円あります。

商品は将来売ってお金に替えられるだろうということで、財産とみなされます。
そして土地が3,000万円あります。
すべて合わせて6,000万円あります。

これを「運用状況」といいます。
この会社は現金1,000万円、たな卸資産が2,000万円、土地3,000万円という形で運用しているということです。

これを見ると、一番多いのは、土地に対して3,000万円の資産を運用していると思ってください。

これらが有効活用されて、将来さらに利益を出すようになります。
そして、T字の右側は、左の資産をどうやって集めたかを表しています。

前回少しお話しましたが、経済取引というのは、お金の収支の他に「財産の調達」と言いました。

現金という形で1,000万円を運用して、たな卸資産という形で2,000万円運用して、土地という形で3,000万円運用していますが、これらの資産をどうやって集めたかというのが右半分に表されています。

これはお金を貸す側との関係です。
お金を貸す人というのは誰かというと、銀行ですし、会社を提供してくれるスポンサーに相当するのは「株主」です。

銀行や株主などのお金を提供する人(貸す側)なので「貸方」といいます。
英語では「credit side」といいます。
一方、借方は「debit side」といいます。

今回は「借入金(として)」というふうに、「として」を付記しましたが、本来は付けません。
銀行から借入金という名目で4,500万円を調達しました。

資本金というのは元本で、元入れとも言いますが、出資(お金を預けること)です。
出資すればもっと大きいリターンが欲しいです。

株主から出資としてお金を1,000万円預かっています。
「お金を預けたから儲けてよ」という意味です。

この表を見ると、資本金1,000万に対して借入金は4,500万あるので、銀行からの借金が多いということに気づいていただければいいです。

借入金は将来返済しなければいけないので、完全に自分のものではないということです。
そして、株主がこの会社の持ち主(オーナー)なので、株主の所有分というのは1,000万なのです。

そして、事業を始めて1年経って出た利益500万円は株主のものです。
株主から利益として500万円を預かっていると思ってください。

このように、T字の右半分はどういう形でお金を集めたか(調達方法、調達源泉)、左半分は何に運用の仕方を表しています。

銀行の借りの側が借方で、お金を貸す側が貸方ですが、「借」は音読みで「しゃく」と言って、「貸」は「たい」と言いますので、「貸」と「借」の左右対照表ということで「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」と読むのです。

借方というのは会社のお金のことですが、それが転じて、どんな場合でも簿記の世界では左側を借方といって、右側を貸方というようになりました。

貸借対照表の左側は財産の運用状態で、右側は財産をどう集めたかを表しています。
貸方のうち返済義務があるのは借入金ですが、株主から見て銀行は他人なので、他人から預かったお金ということで、これを「他人資本」といいます。

したがって、株主から見て、返済義務がない4,500万だと思ってください。
資本金1,000万と利益500万は株主のものです。
以上で今回の講義を終わりにしたいと思います。

次回は「財務会計で分かること② 損益計算書」ということで、利益の計算について、損益計算書という表の概略を簡単にお話したいと思います。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。