では後半です。

先ほど簿記1級のレベルの価値について申し上げたとおり、受験生全体からみても簿記1級は4パーセントの受験生しかいません。

それを考えるとかなりの希少価値があります。

受かったらすごいのですが、上司にとっては脅威にもなり得ますので「能ある鷹は爪を隠す」というやり方もあります。

 

あとは、仕事に失敗したときに「簿記1級の勉強なんかしているから仕事に集中できないのではいか?」と言われるのは嫌ですよね。

 

だから、ケースバイケースです。

ともあれ、今後の人生に影響しますので、半年から1年は頑張ってもらうといいと思っています。

 

次に「学習曲線とメンタルの維持」についてお話します。

ここからはテクニックの話になります。

 

だいぶ前にYouTube動画でもお話しているので、このグラフを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

 

縦軸がレベルで横軸が学習量です。

80点以下のエリアと80点以上のエリアに分けます。

 

70点取れば合格できますが、柴山式は80点ぐらいを目指して、1割ミスしても70点台で受かるというパターンですが、たまに80点台で合格する人もいます。

 

簿記1級の場合は80点から100点を取るのはかなり難しくなります。

80点以下のエリアを突破すればいいわけですが、スタートの段階で一般的に1級は800時間から1,000時間の勉強が必要です。

 

以前、日経新聞の調査では800時間と言っていましたが、800時間から1,000時間です。

通常は800時間を超えたあたりで得点が上がってきます。

 

90点ぐらいを目指す勉強法を「網羅型」と私は呼んでいます。

この勉強だと、商簿・会計と工簿・原計でそれぞれ1,000ページのテキストと90時間の講義があります。

 

つまり、1科目につき3時間の講義を30回以上行います。

これが一般的な大手専門学校のやり方で、私もこのやり方で勉強していました。

 

もちろん、この講義だけでは理解できないので、同じ時間復習をします。

そのため、インプットは倍の時間かかります。

 

インプットだけで180時間かかるのが一般的です。

テキストについては、帰りに本屋さんに寄って見ていただければ分かりますが、300ページぐらいの本が3・4冊ぐらいあります。

 

だいたい商簿・会計と工簿・原計それぞれで1,000ページから1,200ページぐらいあります。

 

これをまず1回転するのですが、このボリュームでは頭に入るわけがありません。

400時間かけてやっとインプットが終わるというのが一般的な方法です。

 

そこからやっとアウトプットに入るのです。

試験はアウトプットの量で決まりますので、インプットをどうやるかはあまり関係ないのです。

 

インプットの量は圧縮できても、アウトプットの量は絶対に下げることができません。

アウトプットの量についてですが、簿記1級の場合、どんなに少なくみても300時間、できれば500時間は欲しいです。

 

200時間以下のインプットで受かった方もいますが、これはレアケースです。

アウトプットの300時間は絶対に外せません。

 

よほどの天才でもない限り、この量をやらないと受からないのです。

合格のポイントはここで、みなさんはこれが足りないのです。

 

なぜ足りなくなるのかというと、インプットで力が尽きてしまうからです。

インプットが多すぎて嫌になってしまうのです。

 

あとは冒頭で申し上げたとおり、簿記1級の価値についての認識が甘いのです。

簿記2級と同じ感覚でやってしまっている人が途中で「こんなに難しいとは思わなかった」と思って、嫌になってやめてしまうのです。

 

「初志貫徹」と言いますが、最初に「絶対に受かるぞ」という気持ちが強い人が受かるのです。

 

「思い」というのは本当に侮れません。

散歩のついでに富士山に登る人はいません。

それなりの装備をするはずです。

 

コンビニに行く感覚で簿記1級は受からないのです。

だから、それなりの準備をしましょうということです。

 

富士山に登るつもりで簿記1級を受けてください。

なぜなら、それだけ今後のキャリアにメリットがあるからです。

これは大事なので忘れないでください。

 

なぜかというと、必ず挫折するからです。

最低3回は必ず挫折します。

 

ここで「本当にやめようか」と思うときがきます。

それが簿記1級です。

 

おそらくこれまでの人生だって挫折したことがある方も多いと思います。

簿記1級の場合、最初の1巡目のどこか、個別問題を解いているとき、過去問を解き始めたときの最低3回は挫折します。

 

特に過去問を解き始めたときには「ここまで勉強したのに、なぜできないのだ……」と絶望的になります。

 

これを乗り越えるためには、それなりの強いメンタルが必要です。

最初は過去問の問題文を読むのにも苦労するのです。

 

散々脅すようなことを言っていますが、安心してください。

高校生でも受かっています。

 

ポイントなのは「気にせずに先に進めるか」です。

ほとんどの人にとって、分からない状態で先に行くということは気持ち悪いはずです。

 

そこでやめるから簿記1級に受からないのです。

分からなくても先に進めてしまいます。

 

日本語で書いてあるのだから、意味は分からないかもしれないけど、我慢してやっていればそのうち分かるときが来ます。

 

仕事と同じで、最初は訳が分からないけれども、手順を踏んで何度かやっていくうちに分かってきます。

 

それと同じ感覚が簿記1級でもあります。

挫折の度に「やめようかな」と思うのですが、そのときに思い出してほしいのが「希少価値」なのです。

 

「絶対に受かる!」などと書くことがありますが、あれは、この3回のいざというときのためにやっているのです。

 

これはある意味でリスクマネジメントです。

会社も同じで、2回か3回は倒産しかかることがあるのです。

 

柴山会計だって何度か危機はありました。

そのときに「ああ、だめだ」と思ったらそこで終わってしまうのです。

 

今、私は筋トレをやっているのですが、重いものを持ち上げようとしたときに「これは上がらない」と思ってしまうと上がらないのです。

 

「もうだめだ」というふうに、自分で自分の限界を決めてしまうのです。

そこで「いや、まだできる」と思えるかどうかです。

 

そのような場面が必ず簿記1級で出てきます。

そこで「簿記1級の希少価値」と「自分は簿記1級に受かって何をやりたいか」というのを思い出してください。

 

簿記1級の価値をきちんと認識していれば乗り越えられます。

逆に言うと、「価値があるからこそ、これぐらいの挫折があるのだ」と思ってください。

「産みの苦しみ」というやつです。

 

3回、挫折をマネジメントしてください。

これがセルフコントロールです。

 

もう一度言いますが、まずインプット1巡目のどこかで挫折するタイミングが来る可能性がありますが、これは大したことないです。

 

2巡目に例題をやっているときにもどこかで挫折するタイミングが来ます。

そして、過去問をやるときに最大の挫折が来ます。

 

特に過去問を初めて見たときには絶望感に苛まれます。

中途半端に賢い人はここでやめてしまうのです。

 

しかし、良い意味で「馬鹿」になって、「どうせできるよ」と脳天気になってほしいのです。

過去に偏差値30で簿記1級に合格をした大野さんという方がいましたが、その方は簿記3級は30点、2級は10点ぐらいで落ちていますが、簿記1級は合格しました。

 

どうやって受かったのかというと、過去問を25回転したそうです。

私も7・8回転はしますが、さすがに25回転はできません。

 

そして彼は20代で税理士になっています。

インタビュー動画をYouTubeで配信しているので、ぜひよければご覧ください。

 

みなさんは簿記2級の基礎があるので過去問を25回転もやる必要はないので、10回分を5回転してください。

 

私の経験上、何回やればできるかというのは分かっています。

10回分を5回転して、苦手なものは7回転か8回転ぐらいやってください。

 

目標は、すべての過去問を時間内でほぼ100点取れるようになることです。

これしかありません。

 

これを妥協して「8割」などと言っているから受からないのです。

すべての過去問で満点を狙います。

 

原則として同じ問題が出たら満点、イージーミスをしても90点です。

みなさんはこの状態まで持っていかないのです。

 

しかし、必ずできます。

だいたい5回ぐらいやれば9割近くはいきます。

 

5回やってできない部分は苦手な部分なので、あとは苦手な部分だけを繰り返していけば満点を取ることができます。

 

過去問を最低5回は歯を食いしばってやりましょう。

しかし、最初の2回は本当に砂を噛む思いをします。

 

問題が読めません。

最初は過去問を解かなくてもいいので、音読してください。

 

しばらく続けているとできるようになります。

そのときに「自分を信じる」ということがどういうことか分かるようになります。

 

よく、歌などで「自分を信じろ」「諦めるな」などという歌詞を見て「そんな簡単に言うなよ」と思ったりするのですが、本当に絶望なときに自分を信じるためには、ひたすら努力をするだけです。

 

しかし、ここで「忙しいから」などと言い訳をしてやめてしまうのです。

よくある言い訳としては「親の介護」「出張」などです。

いろいろな言い訳を始めますが、そういう人は仕方ないです。

 

学習量とレベルの関係を言うと、一般的な勉強法では最低でも2回は急に伸びる時期があります。

 

1つは勉強時間が400時間を超えたときと、2つめが800時間を超えたときで、800時間を超えたあたりで合格レベルに到達します。

 

一方、柴山式の場合は200時間で1つ目の伸びがあって、500時間で合格レベルに到達します。

 

一般的な勉強法と柴山式の勉強法では、200時間勉強をしたときの到達レベルが違います。

一般的な勉強法の場合は200時間勉強した時点でやっと授業が終わった状態で、そこからプラス200時間復習をするので、400時間を超えてようやくインプットが終わるのです。

 

そこから300時間以上のアウトプットをやるので、少なくみても700時間以上はかかるのです。

 

しかも一般的な学習法だとアウトプットの問題量が多くて時間がかかるのです。

やらなくていい問題までやっていますのです。

 

なぜ問題が多いのかというと、80点以上を取らせるために特殊な問題までたくさんやっているからです。

 

このように、一般的な勉強法だと400時間まではインプットがひたすら続いて、そこからさらに400時間アウトプットをやらなければいけないのです。

 

これが1年半から2年ぐらいかかるケースです。

柴山式の場合は、40時間から50時間で授業が終わってしまいます。

 

テキストは商簿・会計が300ページで、工簿・原計が250ページなので、全部合わせても550ページしかないので、大手専門学校の2,000ページ程度もあるテキストと比べて4分の1ぐらいに圧縮しています。

 

あまりにもテキストが薄いので、テキストを初めて手にした人からは「本当にこれで受かるのか」「詐欺じゃないのか」と思う方もいるぐらいです。

 

過去にインタビューをしたマエムラさんも最初は「詐欺じゃないのか」と疑ったそうですが、実際にやってみたら1年で合格する予定が4か月で合格してしまいました。

 

なぜそんなに早く合格できるのかといったら、テキストが薄いからです。

50時間ぐらいで授業を終えてから復習を150時間して、そのあとに300時間のアウトプットをすると決めているので、ゴールを500時間に置いているのです。

 

あとはプラスアルファで積み上げをやればいいのです。

500時間で受かってもおかしくないようなカリキュラムにしているのがポイントです。

 

その秘訣は、一般的な学習法に比べてインプットを少なくしているのです。

余計な要素を入れず、最低限必要なポイントだけを詰め込んでいます。

 

インプットは早く終わらせて、そのあとにじっくり過去問をやっていただく形になっています。

どんな勉強法でもアウトプットは300時間必要です。

 

インプットを効率化することによって早くアウトプットに進んで、実践力を磨いてほしいのです。

ではここで一度休憩を入れて、10分延長します。

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