今回のテーマは日商簿記1級の学習マネジメントということで、効率的に受かるための「心・技・体」についてお話をします。

 

具体的な内容としては「1.最初は簿記1級のレベルと価値について」「2.学習曲線とメンタルの維持」「3.学習を効率化するパターン」の3つに意識してお話をします。

簿記1級のレベルと価値についてお話する理由は、目指すものに応じて努力をする必要があるからです。

 

簿記1級は簿記3級や簿記2級とは別のステージですが、別のステージなりの大きな果実が手に入ります。

 

簿記3級や簿記2級は日常生活の延長で受かりますが、簿記1級は専門家の資格です。

みなさんはこれから専門家になろうとしているというふうに頭を切り替えてください。

 

専門家になるためにはある程度自分を律して勉強する必要があります。

だからこそ簿記1級は価値が高いのです。

 

要するに、「楽して儲かる」というような話ではないのです。

みなさんの脳のプログラムをある程度書き換えます。

 

簿記1級はまるでパソコンのOSを丸ごと替えるぐらいの頭の改革が必要になります。

これをやると、この後のみなさんのキャリアが変わります。

 

なぜなら、簿記1級と同じように他のこともできるからです。

自分の頭の中を作り替えるということは、人生が変わります。

 

簿記1級に受かって上場企業に就職が決まったり、あなたの人生を変える可能性があります。

 

簿記1級に合格すれば、使い方によっては人生が変わる可能性があるということを意識してほしいです。

 

目指しているものがそれぐらいの高いレベルなので、それに応じた努力が必要になります。

簿記1級の合格の神様がいると思ってください。

 

簿記3級の神様というのはまだ気楽で、下手すると2週間でも受かりますし、完全独学でも受かります。

 

簿記2級はもう少しレベルが高くなりますが、日常生活を維持したまま少し頑張れば受かります。

 

しかし、簿記1級はそうはいきません。

本気でやらなければいけません。

 

そのかわり、それに見合った専門家としての称号を与えるということなので、簿記1級というのは会計の専門家になる試験だと思ってください。

 

そこで「じゃあがんばろう」という気持ちになっていただければ問題ありません。

大事なことは、最初の思い入れです。

 

簿記2級はやり方さえ間違えなければ誰でも合格できます。

しかし簿記1級はそうはいきません。

 

やり方が正しいからといっても合格できるとは限りません。

簿記3級や簿記2級と違って、簿記1級は基本的に落とす試験だからです。

 

なぜかというと、専門家になるための試験だからです。

専門家の試験でないのなら、義務教育と同じで引き上げようとします。

 

簿記3級簿記2級は引き上げてくれますが、簿記1級は落としにかかってきます。

簿記1級というのは、判断力やセンスが求められます。

 

先に申し上げますが、「この問題は捨てる問題なのかどうか」というような判断を問われます。

 

簿記2級は目の前の問題を片っ端から一生懸命やればなんとかなりますが、簿記1級はそうはいきません。

 

簿記1級の場合は「この問題をやってしまうとはまってしまう」という問題が仕掛けられていますので、そこを飛ばすという能力が必要になります。

 

それには少し違った勉強がありますが、これを楽しめるかどうかです。

「嫌だな」と思うか「楽しいな」と思うかの違いです。

 

「楽しいな」と思う前提には、そもそもの動機があります。

ですから、モチベーション理論や心理学が簿記1級ではより必要になるのです。

 

この世界が分かると、簿記1級の勉強が終わったあとに、これを仕事に活かせます。

なぜかというと、簿記1級の試験そのものが管理職になるための1つのノウハウだからです。

 

簿記3級2級は事務職向けの資格ですので、上司の指示を受けて言われたとおりやればいいのです。

 

ですので、簿記2級を持っていたとしても、それにプラスアルファよほどの協調性などがなければ、厳しい戦いがまっています。

 

簿記2級は事務職としてはレベルが高いのですが、本当に会社の中での評価を考えた場合は、さらにプラスアルファが必要です。

 

そこまで考えなければ簿記2級だけでも構いません。

あとは何を求めるかです。

 

簿記1級を目指す人はもう少し自発的にビジネスをやっていきたいとか、自発的に日経新聞を読みたいとか、自発的に働きかけたい人が受ける試験です。

 

つまり、自分で判断するためのツールを求められますし、簿記1級の勉強自体が判断の連続です。

 

世間ではあまり言われないことですが、簿記1級の勉強というのは途中で本当に迷いますが、迷ったときにブレないためには「なぜ受けるのか」という最初の目的意識が強烈に問われるのが簿記1級なのです。

 

簿記2級というのはそこまで強烈な目的意識は必要ありません。

簿記1級の価値は「エキスパート」だと思ってください。

 

みなさんは会計の専門家を目指すわけです。

独立はできませんが、簿記1級を持っているというだけで見方が変わります。

 

そもそも簿記3級2級を目指すときの意識と、簿記1級を目指すときの意識が違うほうが受かりやすいです。

 

仕事でも同じですが、最初の1年2年というのは分からないことを見よう見まねでやって失敗を繰り返しますが、2年3年経って経験値を積んでできるようになります。

 

それを簿記1級でやってもらいます。

それでは詳しい内容のお話に入りますが、まずは「簿記1級のレベルと価値」というところです。

 

簿記2級3級ではあくまで仕事などがメインで、空いた時間を使って勉強して受かりますが、しかし、簿記1級の場合は勉強が生活のメインになります。

 

簿記1級の勉強時間を確保することを優先していただきます。

もちろん一生というわけではなくて、平均的には半年くらいです。

 

これから簿記1級の勉強をする場合は、まず簿記1級の勉強時間をどうやって確保するかを考えてからスケジューリングします。

 

簿記3級2級の場合は、仕事や遊びなどのいろいろなことを決めた後の空いた時間を使って勉強できますが、簿記1級の場合は、簿記1級の勉強のための時間を確保してからそれ以外のスケジュールを決めます。

 

そのようなマインドのほうが受かりやすいです。

「まず簿記1級ための時間ありき」というように、生活における優先順位を変えてください。

 

私は25年いろいろな受験生を見てきましたが、簿記1級に受かる人というのは日常生活でも簿記1級のことがまず先にくるのです。

 

ボーッとしているときのような、ニュートラルの状態のときには原則として簿記1級のことを意識するのです。

 

「そういえばあの問題はどうなったかな」とか、そのような人が受かります。

簿記1級のことが外様になってしまうと、よほど才能がないとどんなに優秀な人でも受かりません。

 

仕事でもそうですが、最初はボーッとしていたり電車で待っている時間などに仕事のことを考えると思いますが、簿記1級でも同じマインドを持ってほしいのです。

 

先に申し上げますが、今日いらっしゃっている3名は全員受かります。

一定のプロセスを経れば必ず受かります。

そのプロセスの途中で止めてしまわないことです。

 

普段の生活のなかで簿記1級の優先順位が下のほうにあるとどうしても簿記1級は後回しになってしまいますが、後回しになって受かるほど簿記1級は甘くないので、簿記1級の優先順位は1位にしてください。

 

2位でも3位でもだめで、受かりたいのならば必ず1位にしてください。

簿記1級の合格率は10パーセントぐらいです。

 

簿記2級の合格率は20パーセントから30パーセントで、簿記3級は30パーセントから40パーセントです。

 

受験生の数は、簿記1級がだいたい2万人で、簿記2級が20万人で、簿記3級は30万人です。

 

一時期減っていたのですが、最近は簿記2級と簿記3級の人数が増え始めています。

全部合わせると52万人ぐらいになりますが、受験生の割合としては簿記1級が全体の4パーセントで、簿記2級は38パーセントで、簿記3級は58パーセントです。

 

4パーセントということは、受験生25人に1人しか簿記1級を受けていないということです。

 

半分以上は簿記3級で、半分弱が簿記2級ということは、逆に考えると、30万人が簿記3級を受けるとしたら、そのうち70パーセント近くは簿記2級にいくということです。

 

そしてここが問題なのですが、簿記2級から簿記1級へいく人は1割です。

これが何を意味するかということ、簿記1級には希少価値あるということです。

 

中小企業の会計実務は簿記2級で賄えますが、あくまで経理職なので事務担当の域を超えません。

 

べつにこれでも悪くはありませんが、ここでみなさんの頭の中にある価値観と未来の人生目標を照らし合わせてください。

 

もちろん、仕事の裁量、自由度、地位、収入、いろいろあると思います。

事務職というのは事務職という立場に応じた裁量や地位や収入になります。

 

これで構わないのならば簿記2級で全く問題ありません。

しかし、残念ながらこれだけだと差別化はできません。

もちろん、事務職としてつつがなく定年まで過ごすというのも結構です。

 

ただ、私は会計士の立場でいろいろな経営相談を受けますが、会社というのは良いときもあれば悪いときもあって、悪いときというのは人員整理をします。

そのときにどうしても出てくるのが、成果なのです。

 

簿記2級を持っている人が他にもいる場合、営業成績や人当たりや周りからの評判など、プラスアルファの部分で判断されてしまいます。

 

つまり、不確定要素があります。

それが簿記2級という資格の「20万人」の意味です。

 

毎年20万人の受験生がいるということは、10年で200万人受験しているので、かなりの有資格者がいるということです。

 

もちろん、簿記2級だってないよりは良いですが、他にも簿記2級を持っている人がたくさんいる場合にはプラスアルファが必要になります。

 

一方、簿記1級は4パーセントしかいないので、中小企業で簿記1級を持っている人はほぼいないのです。

 

あるいは、そこには居ても、他にはいないのです。

なので、転職が非常に楽なのです。

簿記1級には希少価値があるので、それだけで差別化になります。

 

今朝配信した動画でも「強みや非凡さを持ってください」というお話をしましたが、私の定義で「非凡」というのは「5パーセント以下」です。

 

20人いるとしたら、その中の1番の人にお金を払って仕事を頼むはずです。

4番5番の、そこそこの人に頼むぐらいだったら、1番の人に頼むはずです。

 

それが世の中というものですので、20人中の1番になってしまえばいいのです。

1番になるために努力すればいいのです。

 

たとえば吹奏楽の経験があるのならば、素人20人の中に並べば1番になります。

そうしたら吹奏楽でお金が取れるのです。

 

このように自分の得意な分野でお金を取ることはできるのです。

問題は、どの集団で1番になるのかです。

 

仕事ではどこかの分野で上位5パーセント以内に入ることがポイントなのです。

しかし、同じ経理の中で簿記2級はほとんど横並びになります。

 

どう考えても5パーセントの中には入ることができません。

そのときに、圧倒的な存在感があるのは簿記1級なのです。

 

よほど問題のある人でもない限りは、簿記1級を持っている時点でリストラ対象から外れます。

 

簿記1級を持っているのならば、あとは普通でも構いません。

なぜなら希少価値のある4パーセントの資格だからです。

 

この「4パーセントの強み」を知ってほしいのです。

一生ものの資格なので、1回取ってしまえばあとは楽なのです。

 

私の感覚では、年商100億か200億規模の企業であれば、簿記1級所持者はそれほどいません。

 

簿記1級というのは簿記の資格の金メダルなので、持っているだけで「非凡」なのです。

その後どうするかは自分の問題です。

 

能力が同じだったら明らかに簿記1級所持者のほうが選ばれます。

能力が同じだったときに自分がどう選別されるかがカギなのです。

 

簿記1級を持っていれば一生勝ち続けることができるわけです。

これが今日お伝えしたかったことです。

 

この資格を手に入れたいという前提を持っていただければ、半年ぐらいは簿記1級中心の生活を送るのは当たり前だということが分かると思います。

 

これさえ分かってしまえば、あとのノウハウは要らないのです。

簿記1級中心の生活を抜きにして、楽をして受かろうとするから失敗するのです。

 

そもそも楽をして受かるような資格ではありません。

なぜなら、一生非凡だと言われるからです。

 

このような美味しい資格を簡単に手に入れられるわけがありません。

楽して儲かる試験というのはありません。

 

たった半年です。

1回、半年だけ集中してやれば、あとは多少流していてもいつか受かります。

 

最初の半年だけは我慢して簿記1級の勉強に捧げてほしいのです。

長い人生の中のたった半年です。

 

40歳で合格したとしても、定年までは20年以上あると思います。

その間、ずっと非凡だと言われるのです。

 

みなさんは社内でナンバーワンになれるチャンスなのです。

営業成績でナンバーワンになるのは相当大変です。

どこで1番を取るかなのです。

 

簿記1級の試験についてはノウハウが確立されています。

その手順を踏めば簿記1級に合格できます。

 

先に言ってしまうと、簿記1級に受かるためのコツというのは、「受かりたい」という気持ちしかないのです。

 

簿記1級という資格がどれだけすごい資格で、自分にとってどれだけ人生においてのウエイトがあるのかということを痛感しておかないと、続きません。

 

テクニックは後です。

受かるかどうかは簿記1級に対する熱意で決まります。

 

やれば絶対に受かります。

受かる前に諦めてしまうから受からないのです。

 

つらい試験なので、遠回りして受かる方法もありますが、それを近道するように編み出したのが柴山式です。

 

勉強時間は一般的な学習法の半分です。

一般的な大手専門学校の勉強法だと、テキストが2,000ページ、問題集がさらに2,000ページあって、勉強を終えるまでに1,000時間程度かかります。

 

やはり時間がかかるので、簿記1級に受かった瞬間に「4パーセントの希少価値のある試験に受かった」と思ってください。

 

ある意味で、こんなに分かりやすい目標というのはありません。

ここに、まずは半年間時間を捧げてください。

 

もちろん、1日5時間も6時間も勉強しろとは言いません。

まずは2時間から3時間でいいです。

 

1年かけるのならば1日1時間半でもいいです。

そして日曜日は休んでもいいです。

 

勉強のスケジュールについてはこの後お話しますが、まずは簿記1級のレベルと価値を知っていただきたいのです。

 

受かった瞬間にみなさんは専門家だと思われるのだという気持ちを持つことが大事です。

冒頭から最も大事な話をしましたが、とにかく「受かりたい」という気持ちが強ければ受かります。

 

つらいのはたかだか半年や1年です。

受かったあとはまだまだ何十年もあります。

 

資格のもたらす恩恵を考えれば、その長い人生の中の半年や1年など、大したことはありません。

 

仕事をしていたとしても、1時間の勉強はできるはずです。

仕事を効率化して時間を捻出してください。

 

それ以外にも、何回かに1回かは飲み会などの集まりも断らなければいけませんが、それぐらいはそのあとの人生を考えたら大したことはないと思ってください。

 

「これから20年30年の人生を変えるぐらいのことをやるのだ」という意識をもてるかどうかにかかっています。

次は学習曲線についてお話をしますが、ここでいったん休憩をします。

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