連結会計と本支店会計の関係について

今回の「頑張ろう日商簿記1級合格」ですが、これは簿記1級と簿記2級に関係する話です。

簿記2級ではこれから本支店会計だけではなくて連結会計というものも試験範囲に入ってきます。

そこで、本支店会計と連結会計の関係について大きな視点から知っておく必要があります。
これを意識しておくと本支店会計と連結会計は兄弟のような位置づけにあるということが分かります。

1つの会社は法人で、法律上の人格です。
私達人間は自然人といって自然に人間としての権利や義務を持っています。

そして会社というのは登記をすることによって会社設立をすると、法律上の人格として認められます。

要するに権利・義務の主体になれるのが法人です。
法人というのが色々な種類がありますが、株式会社が最もイメージが湧きやすいと思います。

その法人の1つの活動単位が会社ですが、これを中レベルとしました。
その中レベルの会社という単位をスタートとして、そこから小さく見ていくと、今度は小さい単位で本店・支店とあります。

たとえばA社というグループの親会社があったとすると、これが本来の会計単位です。
昔は簿記2級で本格的にやっていたのですが、最近は簿記2級で本支店会計の範囲が狭まっているので、基本的な所だけやります。

柴山式の簿記2級講座でもやりますが、本支店会計というのがあります。
つまり、1つの会社が本来の会計単位ですが、会社が大きくなると本店や支店や事業部というものが出てきます。

それぞれ本店や支店に1個ずつ仕訳帳や総勘定元帳会計といった帳簿が備え付けられます。
これが支店独立会計制度です。

それぞれの本店・支店に経理担当者を置いて、それぞれの業績や損益計算書や貸借対照表を作成して持ちます。

そうすると支店の利益が出ますが、支店長の業績が分かるし人事評価もできます。
という形で支店と本店が別々に帳簿を持っていて、支店や事業部の数だけ決算書がある状態ですが、それを1個にまとめてA社と1個の法人格で決算書を出します。

これが本支店合併財務諸表です。
この本支店会計がしっかり分かっていくと、その次の大きな単位の連結決算も分かるようになります。

前にも別の動画でお話しましたが、本支店会計の仕組みが分かると連結決算が分かりやすくなります。

まずは一番小さな単位は本店や支店のそれぞれの拠点ごとの独立採算ですが、これを集めると中レベルのA社・B社といった普通の個別の財務諸表です。

日商簿記検定3級は本店・支店がない状態でいきなり会社や個人事業として作ってしまいます。

しかし、ある程度規模が大きくなると本店・支店が独立採算をして、それぞれの財務諸表を合併させて、修正した上でA社という個別の財務諸表を作ります。

それはB社もC社もD社もそうで、会社がある程度大きくなったら本店や支店でそれぞれ会計情報を持って独立採算をします。

中レベルが会社で別法人ですが、その会社の株式を50パーセント超持つと支配することになります。

A社がB社やC社やD社を支配している状態だと、それらの会社を子会社としてコントロールできます。

今度は大きなレベルのA社を本社と考えて、B社・C社・D社を支店と考えると、本支店会計の大きなレベルで連結決算が出てきます。

A社をあたかも本社のように考えて、B社・C社・D社を支店のように考えると、今度は大きな本支店会計のイメージで連結会計というのができます。
A社を本社と考える本支店会計の親玉みたいな感じです。

そして、連結集団として複数の会社を全て集めて調整をして、連結集団としてA社・B社・C社・D社という複数の会社を取りまとめた1つの会計単位としてA社の連結決算が出来上がります。

このように、個別の会社を基点とすると、それぞれの小さな単位で本店・支店というふうにすると小さなレベルの支店独立会計制度で、A社という中レベルの会社を基点として複数の会社をまとめると連結決算になります。

本支店会計は小さなレベルで、連結会計は大きなグループの取りまとめの決算だということです。
その中心にはA社という親会社があります。

ぜひこの図を参考になさってください。
本支店会計と連結会計は多くの部分で共通していますので、両者を並行して勉強すると理解が早まって効率が良いと思います。

私はいつもあなたの日商簿記検定の合格を心から応援しています。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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