ノートを1冊作る暇があったら、計算を100回やる!

がんばろう日商簿記1級合格、今回は「ノートを1冊作る暇があったら、計算練習を100回やれ」というテーマでお話をしたいと思います。

かつて「ノートが美しければ頭が良くなる」というような、ちょっとピントのずれた本がありましたが、おそらく著者本人もわかった上で言っているのだと思いますが、ノートをいくら綺麗に作っても頭は良くなりません。

綺麗に作ることが重要なのであれば、パソコンなどで作ればいいのです。

ノートを一生懸命作っても、それはほぼ無駄と言っていいです。
私の今までの指導経験から、一部の秀才や天才は別ですが、ほぼ90パーセント以上の一般の方はノートを綺麗に作っても、「百害あって一利なし」です。
綺麗なノートを作ることに意味はありません。
これは私の考えなので、違う意見もあるかとは思いますが、ノートの取り方にこだわっているうちは、力はつきません。

ノートを作ることの意味は3つあって、1つは「学習の記念」です。

日記や議事録のようなものです。
もうすこしまともな言い方をすれば、何をやったかの記録です。

2つ目は「思考の整理」です。

これはたしかに大切ではありますが、走り書きで十分です。
綺麗に書く必要はありません。

3つ目は「読み返すため」です。

これは大事なことで、読み返すために書くのならば良いのですが、そのために綺麗に書く必要はありません。

綺麗なものを読みたいのならば、書店で本を買えばいいのです。
自分のノートに綺麗さを求め過ぎてしまうと、それは書いたことで満足してしまうのです。
ノートで一番大事なのは、読み返すことなのです。
読み返すことには2つ理由があって、1つは「知識の検索」ですが、これは辞書やテキストでもできるので除外します。

一番重要なのは、ノートを見直すことであなたに必要な知識を覚えることです。
即ち、暗記です。
私は「ノートは暗記に使えなければ意味がない」と会計士の受験生時代に思いました。
ノートは後で読み返さないと意味がありません。

しかし、あなたが今まで学校で作ってきたノートは何回読み返したでしょうか?
おそらく、せいぜい2・3回ですよね。
でも、私の経験上、ノートは最低30回は見直さなければほぼ意味はありません。

そこまでやらないのならば、市販の単語集でも見ていたほうが余程マシです。
自己流でノートを作っても構いませんが、あとで30回以上見直してください。
それをやらないならば、いくらノートを書いても意味がありません。
ノートを作る時間が勿体ないです。

暗記のために使えないノートは、ほぼ紙くずです。

使えないノートを作るくらいならば、練習をするべきなのです。
習ったことをノートに書き留めて、ノートが頭良くなっても意味がありません。
頭が良くならなければならないのはあなたの脳味噌です。

書いたことで満足して、あなたの頭の中に記憶されなければ意味がありません。
だったら、ノートなど書く必要はないのです。
その暇があったら、要らない紙を使ってどんどん計算練習をするのです。

柴山式にはミニ例題というものがありますが、商業簿記で165題、工簿で140ぐらいあって、1級の知識を網羅しているので、色々な方から好評をいただいています。
1個あたり平均6分で解くことを想定しているので、全てやると30時間ぐらいです。
100問と考えると10時間になります。
これはかなり勉強していることになります。

しかし、ほとんどの方はノートを取ることに時間を費やしているのです。
ノートを取って理解することにほぼ意味はありません。
なので、ノートを取る暇があったら、その分の時間を、問題を解く時間に充ててください。
以前、授業でやった内容のテキストを見ながらノートを書いている方がいました。
それが悪いとは言いませんが、その時間は勉強時間としてカウントしないでください。
それは勉強ではありません。

ノートを作る時間が勿体ないので、そこをカットして、例題とミニ例題があるうちの、せめてミニ例題だけでもやってほしいです。
10時間で例題100問が解けます。
ノートを1冊つくるのに時間をかけるのなら、その時間で問題を100問解いてください。
その方が余程あなたの実になります。
ミニ例題なら300個で10時間ぐらいだと思いますが、見直しなどを含めて20時間ぐらいかかっても大丈夫です。

それを4回転すれば80時間になります。
4回転すればかなりの力が付きます。
80時間あればノートが8冊ぐらい作れると思いますが、ノートを8冊作ったとしても、それを眺めて自己満足するだけです。

それではあなたの頭の中には何の知識も入っていないし、理解もできていません。
問題を解くことによって後から理解がついてくるので、とにかく問題を解きましょう。
ノートを作ってもあなたの頭の中には知識は入りません。

ノートに知識を書き込むのではなくて、あなたの頭に知識を入れなければいけないのです。
知識を入れるには練習しかないのです。
問題を解いて解いて解きまくって、実践練習で間違いを繰り返して、間違う毎に解答を確認するという作業を繰り返さなければ、いつまで経っても簿記はできません。

簿記は水泳と同じで、いくら説明を聞いたり図解を見たりしても、実際にやってみないとできません。
10時間あったら、そのうち1時間ぐらいは基本の知識を学んだら、後は水の中に入って泳いでみるのです。

泳いでチェックして、また泳いでチェックして……を繰り返すのです。
「泳ぐ」という演習が必要なのです。
いくらテキストやノートを眺めていても、頭は良くなりません。
問題を解いて解いて解いて……100問の問題を解いてやっと「やった」という実感が出てきます。
理解は解いているうちについてきます。
ノートを作れば理解ができると思ったら大間違いです。

特に1級は難しいので最初は全くわかりませんが、100パーセントわからなくてもいいので問題を解いてください。
まずは例題かミニ例題を解いてください。
ミニ例題をもう少し本試験に近い状態にしたものが例題です。
1年前は例題しかなかったのですが、復習がしやすいので、最近はミニ例題を中心に勉強される方が多いです。

ミニ例題をやってから例題にステップしていただければ完璧です。
テキストの書き込みで十分なので、ノートを取る必要はありません。
ガイドブックもインターネットから無料ダウンロードできますが、本当はあれすら必要ありません。
参考程度に見て、あなたのテキストに書き込んで、手帳に学習の記録を書けばそれで十分なのです。

チラシなどの印刷物の裏で構いませんので、計算用紙を100枚用意して、ひたすら計算練習をしましょう。

こちらのほうが大事です。
ノートを作る暇があったら、計算用紙を100枚消費して、ゴミ箱に捨てましょう。
ひたすら計算練習をやることこそが、あなたが1級に受かる最大の近道です。
どうしてもノートを取りたい場合は、やっても構いませんが、時間をかけすぎないように、10時間のうちの2時間に留めてください。
10時間のうち8時間は計算をやってください。

書いてもいいですが、ノートに依存しないでください。
ノートを書いている時間は勉強時間ではないと思ってください。
計算練習をしているときにしかあなたの力は付きません。
とにかく計算練習をしてください。
無駄な時間を使わず、短期合格できるように頑張ってください。

私はいつもあなたの1級合格を毎日心から応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

PREV
簿記試験、本試験対策は、まず仕訳の集中練習から!
NEXT
稽古は本場所のごとく、本場所は稽古のごとく