クレジット売掛金(スッキリ学ぼう日商簿記2級の超入門 第8回)

はじめに

今回は、クレジット払いの取引フローについて見ていきましょう。

クレジット払いで販売したときにどうなるのか、クレジットの売掛金、代金を回収したときにどのように処理をするかについて解説します。

今までに一般的な売掛金取引をやっていますので、ちょっとした応用と思えばそれほど難しくありません。出たらしっかりと仕訳等で得点をゲットしてください。

クレジット払いの取引フロー

普通の掛け取引とは少し違うということを知っておいてください。これはお店で私達主役です。

例えば、商品を5月18日に売りました。後払いならお客さんからもらうのだけど、paypayとかいろいろな電子マネーを使ったりしますが、わかりやすいところでクレジットでいきます。これは2級でも試験対象になっています。

5月18日に商品を売りました。クレジット払いです。お金は入ってきません。
一方、裏のほうでは、お客様のカード代金の引き落としが例えば6月10日とかにあります。

これは我々の仕訳には関係ありませんけど、参考までにです。
お客さんも後払いでまとめて払えるから物を買いやすいです。手持ちのお金がなくても商品を買えるのでクレジットを導入しているお店は売上が上がりやすいです。

全部現金払いだと、お金を持っている人しか買えないので商売はそれほど大きくなりませんが、クレジットカードや電子マネーみたいなものが使えると商売が増えます。
やはりクレジット決済を導入しているお店は売上が上がりやすいので有利です。

クレジットの場合は、代金の請求はクレジット会社、あるいは信販会社にしますので請求する相手がクレジット会社または信販会社なのか、お客さんから直接もらうかによって請求する相手が違う。

これがクレジット売掛金と普通の売掛金の違いと考えてもらってもいいです。
それをふまえて、クレジット払いの取引に関するポイントです。

クレジット売掛金

商品の売上代金をクレジットカード払いとした場合に発生する売上債権のこと。
売上債権というのは、売上代金を請求する権利です。資産には3つあります。
お金、物、権利。お金は現金、当座預金や普通預金です。物というのは例えば繰越商品とか、建物などの固定資産です。

そして権利は今回一緒に見ていく売上債権や貸付金みたいなものになります。
クレジット売掛金は売上代金を肩代わりする信販会社、あるいはクレジット会社などに対する請求権です。

今までに私達が学んできた一般の売掛金は販売先のお客様に直接お金をもらう状況なのですが、クレジット会社に請求するという意味ではクレジット売掛金と普通の売掛金は請求の相手が違うということに注意をしておきましょう。これは実務上の話です。

クレジット払いで販売したときの仕訳

借方は「売掛金」ではなく「クレジット売掛金」という勘定科目で記録します。
そして信販会社に支払う手数料は「支払手数料」勘定という費用勘定で記録する。
これは受験簿記上、このようにやっていただければいいでしょう。

一般的な仕訳です。借方クレジット売掛金、そして貸方売上。手数料はだいたい何%か引かれます。私もかなりクレジット売り上げを毎月やっています。

年間1,000万レベルでやっていますけど、手数料はばかにならない。
でもクレジット会社の商売だから仕方ないです。数%取られます。支払手数料という費用です。

仕訳で見ていきましょう。
①5月18日にクレジットカード払いで商品5,000円を売り上げた。カードの決済手数料は販売代金の3%です。3%はいくらだろう。5,000×0.03で150円です。
150円を5,000円から引いて4,850がクレジット売掛金で、販売時に支払手数料を計上するパターンです。借方支払手数料150、借方クレジット売掛金4,850、貸方売上5,000。

これを仕訳し入力すると、今はパソコンで自動転記されます。
借方クレジット売掛金は資産の一つです、4,850で支払手数料150が費用のエリアです。そして売上は収益となります。

今度は回収したらどうなるかと言うと、「クレジット売掛金」勘定を貸方に記録し、借方に現金あるいは普通預金などの資産を追加記入します。

借方現金、貸方クレジット売掛金となります。あとは参考までに、今の流れとは別の流れもあり得ます。回収時に支払手数料を計上する。

つまり販売するときは売上代金の100と同じようにクレジット売掛金も同じにしましょうと。回収するときに支払手数料を引きましょうということもあり得ます。

これは問題文の指示に従ってください。今回はオーソドックスなよく見るパターンということで、クレジット売掛金を普通に回収しましょう。

①は同じです。クレジット売掛金4,850、支払手数料を販売時に引いている形です。
②6月15日になり、普通預金口座にクレジット売掛金4,850が振り込まれました。貸方クレジット売掛金4,850、借方普通預金4,850、難しくないですね。

こんな感じでみていただければいいでしょう。試験に出たらしっかりと出来るようになっていただければと思います。

まとめ

クレジット払いで販売取引をした場合、例えば5月18日クレジットカードで売りました。お金は入りません。お客様には商品を売り上げました。

翌月の一定期日にまとめてクレジット会社から代金が支払われます。もちろん手数料は引かれます。

一方でお客様は自分のクレジットカードからまとめて翌月にお金が引き落とされます。こんな感じでみていただければいいでしょう。

クレジット払いで販売した場合は、例えば借方クレジット売掛金4,850、借方支払手数料150引きます。費用です。貸方売上です。次に回収したらどうなるか、借方クレジット売掛金4,850を貸方に書いて、借方普通預金というふうに資金を回収すればいいです。

この流れをスムーズに書けるようになっていただければと思います。

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