上場企業の年金積立不足が半減(日経2005.8.29*1)
上場企業の退職金に対する引き当て不足が、半減した、との記事が29日の日経の一面に出ていました。
バブル崩壊後、株価が持ち直してきたことも、寄与しているのでしょうね。
この記事は、一読の価値アリです。

年金積み立て不足の減少が顕著だったのは、1位の日立で1兆円程度、2位の松下で8千億円程度のようです。3位のNTTでも4千8百億円も年金不足が解消されたのですから、凄いですね。
…ここで、退職金の支払に関する、年金資産の積み立てなどの制度につき、簡単にご説明いたします。
企業は、将来の莫大な退職金の負担を、支払時に集中しないよう、少しずつ掛け金を払って、外部の運用機関に預けておく、ということを行うことが多いです。

社内にお金を置いておく、といっても、あれば使ってしまうでしょうし、やはり、毎月、保険料のように掛け金を支払い、外部に積み立てておき、そこから退職金の全部または半分くらいでも支払ってもらえれば、楽ですね。
このようなときに、年金基金という機関を設定するなどして利用し、そこに毎月のように掛け金を払い込みます。
年金基金での株式運用などがうまく行けば、預けたお金が増えますから、退職金支払の原資が、なお楽になりますね。

       企 業         年金基金
       ―――         ――――
        ●→→→(掛け金)→→ ■■
             積み立て   ↓(運用)
                    ↓
                    ■■■→(退職金)→ ●
        ●→(一部、企業も支払)→          ▲
           ※企業による             退職者

ここで、かつてのバブル崩壊で、運用していた株価が半分以下に下がるとか、退職金制度が大きく変動するとか、移行するとかの大規模な変化があったら、一気に退職債務に対し、年金資産(年金基金に預けてある資産)と企業の
退職給付引当金(企業で認識した未払いの見込み額)の合計をもってしても、将来の退職金の支払に必要な資金が不足してしまうことがあります。

(説例)
       
    企業の貸借対照表       年金基金
 ―――――――――――――――   ――――
        |  :       ■100
        |退職給付        ↓
        |引当金●100     ↓ 
        |   |        ↓         ●
            ・――――――――・         ▲
                 ↓           将来の退職金
              計200億円→→→→→→→→→350億円
             (▲150億円)不足
                            
上記の説例でいくと、会社が自前で引き当て計上している額が100億円で、年金資産(時価評価)が100億円なので、計200億円の手当てがなされています。
これに対し、将来の退職金(退職給付債務といいます)が350億円になってしまっていたら、正味で150億円の積立不足といえますね。
このような積立不足の状態が、調査対象の約1500社において、ピークだった2003年の約17兆円から、半分くらいの約8兆円になった、という内容のトップ記事だったのです。
日立や松下などの減少額を見ると、数千億円単位の規模となる退職金、企業決算に与える影響がどれほどのものか、想像に難くないですね。

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