第9週① 日計表の進化形を見てみよう

2014年08月24日

【キッズ簿記(BOKI)Step3】

今回は「お店の通信簿を作るよ」というテーマです。

柴山政行氏(以下、柴山):念願だったキッズベーカリーを開店して以来、一生懸命仕事に励んできたケイイチくんですが、人気店になれたのかどうかは「お店の通信簿」を作ればすぐにわかります。
毎日の通信簿の作り方は先週学びましたが、今週からは1か月ごとの通信簿作り方や読み方、そうなった原因の推察の仕方などを勉強します。

進行:今回ももかさん、りょうたくんの2人と一緒に勉強していきます。
そして、この番組を見ているあなたも、わかりづらいところがあったら、繰り返し見て一緒に勉強していきましょう。

まずは先週のおさらいからです。
お店の1日の営業が終わってからの集計の仕方について、いろいろ勉強しました。
竹とんぼに勘定科目や数字を書き入れるのはとても大変でしたが、その後の日計表はとても簡単に作れて、そこからいろいろなことがわかるということを勉強しました。
その日計表を毎日つけていくと、こうなります。
これは、現金の部分だけに1か月の合計金額が入っています。
他の勘定科目も同じように、毎日集計したものを1か月分合計すれば良いのでしょうか?

柴山:そのとおりです。
では、ここで簡単に説明をします。
これは「月次試算表」といって、日計表の進化したものですが、勘定科目を真ん中にして、左右に3つずつ縦の列があります。
日計表は1日の合計を記入する1列だけでしたが、月次試算表は、左と右の差し引きで、残高がいくらあるのかを表す列があります。
左右ある3列のうち、真ん中の部分は1か月の合計を記入するところです。
そして、3列のうち、内側にあるものが前月末の残高を表しています。
前月末の残高と今月の合計を足し引きして、残った金額をいちばん外側の列に記入します。
何となくイメージは湧きますか?

たとえば、現金勘定をみると、左側の前月末残高に40,000と書いてあって、真ん中の列に今月の合計額があって、いちばん外側の当月末残高には60,000とありますね。
ようするに当月は、前月よりも20,000多く金庫の中にお金が入っているということです。
月次試算表は、日計表に残高の欄を追加しただけだと思っていただいて結構です。
計算方法についてですが、まず、りょうたくん、現金の前月末残高は何と書いてありますか?

りょうたくん(以下、りょうたくん):40,000です。

柴山:ではもかさん、今月はいくら増えましたか?

もかさん(以下、もかさん):748,800です。

柴山:では、りょうたくん、現金が減った場合は竹とんぼのどちら側に書きますか?

りょうたくん:右側です。

柴山:右側はいくらになっていますか?

りょうたくん:728,800です。

柴山:ということは、今月中に増えた現金は748,800で、減ったのは728,800なので、差し引きはいくらになりますか?佐竹さん。

進行:20,000です。

柴山:今月に増加した分の748,800から減少した分の728,000を引くと、佐竹さんが答えてくれたとおり、今月増えた現金は20,000となります。
ですので、前月の40,000に20,000を足して、当月末残高は60,000になったということになります。
今回は現金を例にしましたが、他の勘定科目でもやり方はまったく同じです。
りょうたくん、この仕組みはどう思いますか?

りょうたくん:すごいです。

柴山:お褒めの言葉をいただきましたので、ここで一区切りついたという感じですね。

進行:日計表を1か月足し合わせたものの進化形が月次試算表なのですが、今は現金のところしか記入されていませんが、他の勘定科目にも数字が入ってくると大変なことになりそうですよね。
しかも、「進化形」というからには、いろいろなことができると期待して良いですか?

柴山:もちろんです。
いろいろなことがわかるのですが、どの部分を見ればわかるのかということを、1個ずつ丁寧に見ていきましょう。
まず1つ目は、1か月でどれくらいのお金が動いたかがわかります。
先程も少しやりましたが、詳しく見ていきましょう。
1か月間の増減それぞれの合計を、「月中取引高」といいます。
その差し引きで、1か月にいくら増えたのか、佐竹さん答えてください。

進行:20,000シバ増えました。

柴山:そうですね。
このように、動きがわかるということです。
2つ目は、月末にいくら現金や預金が残っているかがわかります。
現金と預金の残高は左端を見ればわかります。
3つ目は、月末時点で、その他の資産や負債がどれくらいあるかがわかります。
ところで、りょうたくん、資産には3つありましたが覚えていますか?

りょうたくん:人・金・権利です。

柴山:もう1つありましたよね?

りょうたくん:物ですか?

柴山:そうです。
「金・物・権利」ですね。
お金だけではなく、物や権利も左側が増えましたよね?
だから、左端を見れば残高がわかるということです。
では、負債はどういうものだったか覚えていますか?

もかさん:将来返さなければいけないものです。

柴山:そうです。
負債にはどんなものがあったか覚えていますか?

りょうたくん:借入金ですか?

柴山:そうですね。
あとは買掛金などもありましたね。
それらが出たときは、左と右のどちらでしたか?

りょうたくん:右です。

柴山:そうですよね。
ですから、負債の場合は右端を見れば残高がわかります。
このルールさえわかれば、どこに目を付ければポイントがチェックできるか、すぐにわかります。
このように、資産の負債の残高もわかるということです。

進行:資産の負債がわかるということがなぜ大切なのでしょうか?

柴山:単純に言えば、お金や物はたくさんあったほうが嬉しいですよね。
でも、借入金とかはたくさんあったら嫌ですよね。
なので、借金が増えたら、早く気付いて減らすように努力できますよね。
借金の額が多くなってから気付いてしまったら大変なことになってしまいます。
なので、借金が増えすぎないように、そして、お金や物が程々に増えるようにというバランスを取ります。
将来のために使えるお金が少なくなると、借金も返せなくなるし、商売もしにくくなります。
4つ目は、1か月でどれくらいの売り上げがあったかがわかります。
どこでわかるかというと、「配達売上」と「店頭売上」という勘定科目を見ます。
右側の真ん中の列が今月の売上ということになります。
では、この2つの売上の、前月末残高の欄にはどんな数字が入ると思いますか?
ここには、たとえば1月から商売を始めたとしたら、1月から7月までの合計が書かれます。
この前月末残高に今月の売上を足して、右端に今月末時点での合計を書きます。
これを「累計」といいます。
たとえば、1か月で30万売ったとしたら、7か月でいくらになりますか?

もかさん:210万です。

柴山:そこに、さらに今月の30万を足したらいくらになりますか?

りょうたくん:240万になります。

柴山:そうですね。
このようなイメージで、売上や費用は累積していくのです。
キッズベーカリーでは配達売上と店頭売上を分けて集計しているというのも思い出してください。
5つ目は、1か月でどれくらいの費用がかかったかがわかります。
売上を伸ばすためには、いろいろな費用がかかります。
仕入も費用になりましたよね。
表の左側の月中取引高の欄が、1か月分の費用の金額です。
複式竹とんぼでは、費用の発生は左側でしたよね。
ここまでが月次試算表でわかる基本的な内容です。

数字の選び方や見方や目の付け所などで、もっといろいろなことが分かるのです。
商売で儲かるヒントが見つかります。
まずは、ここまでの基本的なことをしっかりと覚えていただきたいと思います。

進行:先生、レッスン41のまとめをお願いします。

柴山:1番目、日計表を進化させた1か月単位の集計表を「月次試算表」といいます。
2番目、月次試算表には、「前月末の残高」、「月中の取引合計」、「当月末の残高」という内容が書かれています。
こうやってまとめてみると簡単そうに見えますよね。
3番目、月次試算表でわかることは、現金・預金の動き、現金や預金の残高、その他の資産や負債の残高、売上の金額、費用の金額です。

進行:月次試算表を使いこなすと、いろいろなことができそうですが、今日の学習をしてどうでしたか?

もかさん:表の数字を見ると「もっと頑張ろう」という気になれるのかなと思います。
節約する気にもなれるかもしれません。

柴山:良いところに気がつきましたね。

進行:りょうたくんはどうでしたか?

りょうたくん:他にどのような進化があるのか、明日の内容が楽しみです。

進行:柴山先生、明日の内容を教えてください。

柴山:明日は「試算表をつくる練習をするよ」というお話です。
いろいろなことがわかる便利な試算表の作り方についてですが、これは、みなさんが簡単に作ることができた日計表とあまり変わりませんので、安心してください。
試算表の作り方を楽しく勉強しましょう。