今日のおすすめ本『沈みゆく大国 アメリカ』

2014年12月30日

前を向いて歩こう、今回は、本の紹介です。

本のタイトルは「沈みゆく大国 アメリカ」です。

「沈みゆく大国 アメリカ」著者は堤末果さんという方です。
この方はジャーナリストで非常に経済的な側面から見て興味深いテーマを書いています。
集英社新書、最近本屋さんに行くと平積みで結構置いてあります。
13万部突破ということで関心の高さを伺わせます。

「アメリカ医療大崩壊次は日本だ!」ということで非常に怖い話です。
このテーマはみなさんも国際ニュースで聞いたことがあるかもしれませんが、オバマ大統領の一つの政策で通称「オバマケア」と呼ばれている政策があります。

いわゆる、国民皆保険制度のことですが、国民が全員保険に入れることが日本では当たり前みたいになっていますが、アメリカはそうはいかないわけです。

なので、アメリカの国民全員が保険に入れるようにということを考えるわけです。
我々日本人は国民が全員保険に入れているのでありがたいですよね。
だから、当たり前のように思ってしまっている部分もあります。
ですが、当たり前ではない国もあります。

それで、オバマさんが、「じゃあアメリカで皆保険制度をやろう」と言ったときに、日本と同じことをやるようなイメージを受けて、「いいことをやっているじゃん、オバマさん」と思ってしまいますが、ところが、ぎっちょん、アメリカでは問題を抱えています。
ウォールストリートのマネーゲームになってしまっているのです。

市場原理で病院を経営したらどうなるか。

効率の悪い過疎地、人がいない儲けの出ないところに病院を作らない。

例えば、付加価値が高くて、高い金が取れそうな分野にだけ病院が力を入れて、あまりお客さんが来なくて採算が合わなければ廃止にしてしまうとか、本当に国民が受けたい医療とは違う、金儲けになる、利益に貢献する部分にばかり力を入れてしまうような医療になってしまうというひずみがあるわけです。

あるいは、例えば、アメリカ型の皆保険制度は問題があるらしくて、ある要件を超えると企業の負担が多くなるなど色々あるらしくて、結局、例えば、非正規雇用、パートタイマーが増えてしまうのです。
お医者さんも非正規雇用、ワーキングプアみたいなお医者さんだったらどうなります?

これは教育の現場もそうです。
考えてみたら、私も今大学行っていますけど、非正規雇用です。
つまり教育もそうなのです。

実はアメリカは教育も問題になっている、教育にも市場原理が入ってくる。
とすると、そこで先生は昔、聖職者と言われて、倫理の部分があったわけです。
だから市場原理だけでやっていってはマズイのです。

失ってはいけないものもあります。

人の命とか、精神的な修練とか、教育、道徳、健康、こういったものはお金に換えられない部分です。
それもマネーゲームにしてしまうという恐ろしさ。

その辺りのひずみを、この本では説いているのです。
次は日本だって市場開放の名のもとにこういったマネーゲームの波が医療、農業、いろいろなところに出てくるかもしれません。

すでに教育は一部そういうところがあります。
小中高は分かりませんが、大学ではもう、「生徒さんはお客さんだ」みたいなイメージとか、サービス業で「講義は商品だ」みたいになってしまう。

一部の専門学校や塾なら一歩譲って分かりますけど、本来の最高学府である大学とか、本来義務教育や人格を育てるところの教育機関で「教育は商品だ」と言いきれるかと、私は少し思っていて若干、その風潮は個人的には賛成できません。

まだメインの学校があると、小中高大と学校があって、その補足としての塾とかならば若干は市場原理があってもいいのですけど、本来、大本である学校が「教育は商品だ」と言ってはマズイと思います。
言っているかどうかは分かりませんが、そういう雰囲気を感じます。
だから、効率経営のために講師が非正規になる可能性もあるわけです。

この本にはアメリカはそういうところもあるという話が出ています。
教育もマネーゲーム、医療もマネーゲーム。
じゃあ、そうしたら、次はどうするの?

当然、格差が広がって、一部の富裕層だけが富を独占する。
儲かる医療だけをやる、儲かる場所だけマーケットリサーチをして、そこだけ大きくビルを建てる。
寡占になる。
独占する。
そうしたらどう思います。
弱者の救われる道がまた無くなってしまうかもしれません。

だから、国民皆保険制度という名前は、表面上はきれいなのですが、日本の皆保険制度とアメリカの皆保険制度は全然違うんだよ、ということを言っています。
この本は非常に面白いです。

なのでぜひ、これを読んでみていただけるとアメリカの状況も分かりますし、次は日本がでっかい医療マーケット市場として狙われている可能性がある、ということも言っています。
10年後の日本がこの問題に直面する可能性があります。

この本のタイトルで面白いと思ったのが、「これは医療じゃない、ファーストフード」あるいは、「外科医なのに、ワーキングプア」とか。
あともう一個、これはショッキングだったのですが、「手厚く治療すると罰金。やらずに死ねば遺族から訴訟」これはショッキングです。

一生懸命治療すると罰金が取られる。

でも、罰金を取られるといって医療をしないで死んでしまうと、今度は遺族から訴訟される。
弁護士がたくさんついています。
アメリカは訴訟天国ですから。

私は弁護士がたくさんついている国が必ずしもいいとは思っていません。
訴訟がなければ、ないでいいではないですか。
ということで、私は個人的には日本に弁護士が増えるのは実は反対です。
これは個人的な意見です。やはり、ギスギスしてしまいますから。

これはいろいろな奥の深い事情があるのでなんとも言えませんけど、アメリカと同じ訴訟大国というのは日本にはないのです。

だから、弁護士が増えたことで逆に弁護士の先生方は逆に苦労することになります。
競争が増えてしまって。
少ない方が弁護士の人だって、本当は希少価値が高いのだから、高い金が取れます。
だから、実は弁護士が増えるのは弁護士業界にとっていいことではないのです。

そもそも日本にはそこまでニーズがないし、ニーズを掘り起こすこと自体がちょっとおかしいことになります。
トラブルがマネーゲームになってしまいます。
やはり、なんでもかんでも金ではないのです。
会計士が言うのも変なのですが。

ということで、「手厚く治療すると罰金。やらずに死ねば遺族から訴訟」。
じゃあ、まじめに働く医者がいなくなってしまう、お医者さんになる人がいなくなってしまう、有能な人材が医療業界から消えてしまうかもしれません。
怖いですね。
こういうことを考えさせる。

あとは消費増税の話も出ています。
医療も含めて社会保障の財源として、消費税を上げました。
我々から消費税を取りました。

でも考えてみてください。
一方では法人減税しているではないですか。
法人減税の財源、穴埋めになったらどうするのか。
消費増税、社会保障に使っているとは限りません。
分かりません、そんなことは。

といういろいろな問題を示してくれています。
10年後の日本をもしかしたら、先取っているかもしれません。
よかったら読んでみてください。
時事ニュースを判断する、非常に有益な情報になると思います。

私はいつもあなたの成功を応援しております。
ぜひ、こういった本をいろいろ読んでお互いに社会について考えてみましょう。
ここまでご覧いただきまして、誠にありがとうございました。