例題は常に「初めて見る」つもりで解こう!

がんばろう!日商簿記1級合格、今回は、「例題は常に「初めて見る」つもりで解こう!」です。

例題は常に「初めて見る」つもりで新鮮な気持ちで解こう! についてお話しをします。

これまでにも柴山式の勉強、日商簿記検定1級の商業簿記のテキストはこのような感じになっています。
オレンジのテキスト、これ1冊です。
300ページ弱、これだけで問題集も書いています。
この薄さでやっています。
工業簿記・原価計算はさらに薄くて、250ページぐらいです。
上の方が青い表紙になっています。
工業簿記・原価計算のテキストも1冊で問題集もテキストも書いています。
この1冊ずつだけで日商簿記検定1級に合格してもらっています。

ポイントは基本が大事ということです。
基礎力を徹底的に熟成させよう、それが柴山式のコンセプトです。
そのため、やることは2つあります。
まず第1ステップは、講義を受講したら、テキストをじっくり読んで例題を全部Aランクにすることです。
そして、第2ステップは、過去問を10回分以上、4、5回転して、最低9割、ほぼ満点取れるようにすることです。
この2つで過去に何人も合格しています。

まずは基本を重視します。

そのように話すと、たまに「実は先生、私はこれまで例題を一通り4回転ぐらいして、Aランクになりました。過去問も過去10回分以上4回転して8割から9割取れます」と話す方がいます。
それでも、その勉強量でも過去に合格している方もいますので、実は合格する可能性は人によっては出てくるのです。

だけど、「実はこの間本試験を受けてみたら、点数が伸びなくて、70点全然及ばなかったです。
おかしい。自分のやり方が何か間違っているのでしょうか?」ということで質問を受けることがたまにあります。
例題をAランクにして、過去問を10回分以上、9割以上取れるようにしたら、合格者は出ています。
なので、効果はあるのです。

ただ、効果が出ない人は何が問題なのかということをよくよく聞いてみると、前から時々気付いていたのですが、例題の取り組み方とAランクの定義、この2つが少し違うのです。

では、Aランクとは何かというと、記憶に頼らず、初めて解いたつもりで、手順もスムーズに一発で、計算過程もスムーズに一発、そして、答えもスムーズに一発、これがAランクです。
もっと言うなら、心の準備がなく、突然その問題を見て、そして手順も一発でスムーズ、解答手順もスムーズで一発、ここまでができてAランクです。
しかも、制限時間内で。

もう一回言います。
要素1は心の準備なく突然取り組んで、手順もスムーズ、下書きもスムーズ。
要素2は下書きがスムーズ、計算過程がスムーズ。
要素3は答えも一発でスムーズ。
要素4は制限時間内です。
この4つです。
この4つをすべて満たして初めてAランクです。

もう一回言います。
要素1、やるぞやるぞといって解くのではなくて、心の準備なく突然解く。
要素2、計算過程がスムーズで一発。
要素3、模範解答も一発。
要素4、制限時間内に。

この4つの要素の最初の3つは結構アバウトなのです。
記憶に頼っている、そして書き直ししている。
「何だったかな?」と思い出しながら書くというのは、実は背景としてはうまくないのです。
なぜなら、記憶に頼っているので間違った手順を取っても記憶で戻してしまうからです。
それはダメです。
答えを覚えたら、気にしないで忘れることです。
あえて、その答えは違うと思って次へ行くのです。
間違っていても行くのです。

問題を解いている途中で間違いに気付いたときに、どうして間違えたことに気づけたのかというと、あらかじめ答えを覚えてしまっているからです。
そして無理やり記憶上の答えに合わせてしまい、間違いに気付いた時点で解答の修正をしてしまうのです。
そのうえで、正しい回答にたどり着く、それでやった気になってしまう。
こういう人が結構多いのですが、それはやらないこと。

大体4回目ぐらいだとある程度、下手をすると例題の半分ぐらい、答えを覚えているものは覚えているのです。

大体特徴的な答えで1234とか5000とか10000だと結構覚えてしまうのです。
「あれ、10000だったよな。おかしいな」、そのやり方はダメです。
そうなっても最後までやって、あえて間違ってください。
それが大事です。
だから、答えに引きずられない、記憶に引きずられない、忘れる、これが大事です。

例えば、リース取引で一つの例を出しますと、テキスト80ページ目、例題27、セール・アンド・リースバック取引というのがありますが、これは最近の過去問で少し前に出題されています。
柴山式はほぼ同じ論点をズバリ当てていますが、これをやった人はやはり解けています。
このセール・アンド・リースバック取引の問題文は1ページの半分ぐらい、答えが1ページぐらいなのですが、この答えのほうを覚えてしまっているのです。

仕訳の型を覚えてもいいですけど、答えを覚えてしまうと、答えからずれたときに記憶で修正してしまう。
そのやり方はうまくないので、本番で使えないAランクになってしまいます。
問題文をまず見る。
これはセール・アンド・リースバック取引、今の例題の問題は大体10分で仕訳ができればOKです。

という形で、まずは制限時間内に、心の準備なく、いきなり初めて解いたつもりで、常に新鮮な気持ちで解きます。
どうしても答えを思い出そうとするなら、数字をすべて倍にしてください。
数字を倍にしてみると、答えも倍になります。
数字を倍にするやり方も、あえて新鮮さを保つポイントです。

ともあれ記憶に頼らないで、常に初めて解くつもりでやって、心の準備なく始めて、計算過程もスムーズ、模範解答に一発でスムーズ、そして制限時間内。
これを常にすべての例題と計算例でチェックすれば、本当の意味で例題をマスターできます。
その状態で過去問にいったら、かなり見え方が違います。
ぜひ、やってみてください。

私はいつもあなたの日商簿記1級合格を応援しております。
ここまでご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

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