がんばろう日商簿記1級合格、今回は、本支店会計のスキマ論点、本支店の損益勘定の記入についてお話をしたいと思います。

簿記1級

ここは苦手にしている方が多いと思います。
日商検定1級では本支店会計の出題がしばらくありません。


過去問を10回や15回遡っても出てこないので、本支店会計の対策が手薄になりやすいのです。

私が言える立場ではないのですが、もし商工会議所の方がこの動画をご覧になっていたら、10回に1度くらいは、軽くでいいので本試験で本支店会計を出題して、「本支店会計も勉強して欲しい」というメッセージを発信していただきたいと思っています。
今は勉強における本支店会計のウエイトが減ってきていると思うのです。
1級が対象としているのは上場企業などの大きな会社ですから、支店がないということはまずありえません。

支店独立会計制度に関する理解が軽くなってしまうと、1級合格者の資質にも関わってくるので、本店の損益勘定の記入程度の簡単な計算問題でも構わないですし、会計学でも構わないので、少し触れてほしいと個人的に思っています。
なので、私はいつも本支店会計を大事にしているのです。
本支店会計の知識は実務でも大切ですし、連結会計にも繋がるので、理解してほしいなと考えています。

将来、会計士や税理士を目指す場合、本支店会計は頻出です。
特に税理士では出来てほしい論点なので、まずは、基本である1級レベルの本支店会計をしっかり理解してほしいと思います。

まずは全体像を把握しましょう。

柴山会計では、3人の担当者をイメージするように言っています。
本店独自の経理担当者Aさん、支店独自の経理担当者Bさん、全社の合併財務諸表を作る決算係のCさんの3人です。

決算整理前のT/B(残高試算表)からスタートして、本店独自の未達整理仕訳・決算整理仕訳、支店独自の未達整理仕訳・決算整理仕訳をします。
本支店会計が出題される場合、本支店会計特有の処理があるため、通常の財務諸表の作成問題よりも決算整理が軽くなります。
そのため、点数が取りやすいのです。
だから、決算整理に関する処理は確実にやってください。
過去の事例から、1級の場合は未達整理事項を決算整理に折り込んで出題することが圧倒的に多いです。

しかし、理論的には、未達整理は決算整理でやる必要はないのです。
到着基準といって、あえて帳簿には折り込まずに、来年度に実際に取引があったときに帳簿を合わせるという考え方があります。
では、当期末の合併財務諸表を作るときにはどうするかというと、合併整理で未達をやるケースがあるのです。
これは会計士や税理士レベルになってきますが、応用論点としてそういうケースもあります。
未達整理を、あえて本店・支店の決算整理と一緒にはやらず、ズレた状態で来年にいきます。

なので、本店勘定と支店勘定がズレてもいいという発想もあることはあります。
では、一時的に合わないときはどうするかというと、帳簿外の決算担当者のCさんがAさんとBさんから未達の状況を聞いて、本店・支店では未達の整理はしないけれども、合併整理で未達整理をして、最後に本店・支店が合った状態で照合勘定を相殺して、内部利益を相殺して、合併P/L・B/Sを作るという「到着基準」という発想があります。

この考え方を学ぶには、やはり全体像がわからないと理解ができないと思います。

合併整理で未達整理を行う方法は連結決算と同じなのです。
連結決算も、親子会社間の未達は、親会社・子会社それぞれの決算整理では処理せず、帳簿外で行うのです。

このように、連結にも通じてくるということを知っておいてください。
一般的には、決算整理前T/Bから始まって、未達・決算整理をして、それを合算します。
そして、合算した状態から、合併整理を通じてB/S・P/Lを作るというのが2級などでよく見る流れです。
だから、決算振替が苦手な人が多いのです。

今回はこの決算振替をピックアップして説明します。
まず、決算振替で大事なのは損益振替仕訳です。
AさんとBさんはそれぞれ損益振替を行って、本店・支店それぞれの純利益を出します。
次に、本店の純利益と支店の純利益を合算する、全社ベースの損益勘定が必要になるので、「総合損益」勘定というものを使います。
総合損益を使わないやり方もあるのですが、今回は総合損益勘定を使って説明します。
本店独自の純利益と支店独自の純利益を集める、第3の損益勘定である「総合損益」勘定を本店の帳簿で作ります。
総合損益勘定がポイントです。

まずは支店の損益を組み入れて、期首・期末の棚卸資産の内部利益を戻入・控除して、法人税を控除して、全社ベースの損益を出します。
全社ベースの損益は、資本振替で、この場合の資本というのは繰越利益剰余金です。
なので、2級までで学習した損益取引・純資産振替の取引をきちんと理解して積み上げていくのです。

そして、支店は独自で損益勘定を集計して、損益勘定の差額は純損益です。
純利益が出れば資本振替をします。
では、支店における資本振替とは何かというと、本店勘定なのです。
したがって、「本店」という純資産勘定を使って、「借方 損益」「貸方 本店」となります。
とすると、これを受けて、本店の総勘定元帳での支店の損益はどうなるかというと、支店勘定を相手にもってきて「借方 支店」「貸方 損益」となります。
これを踏まえて、レッスンを行います。
決算振替のあらましを事例で簡単に説明します。

まず、本店独自の収益は100で、費用が60なので、差し引き40が本店の純利益です。
本店独自の純利益を総合損益という勘定科目に振り替えます。
「借方 損益40」「貸方 総合損益40」となります。
次に支店の純利益を組み込みましょう。
支店独自の収益は40で費用が30なので、差し引き10が支店の純利益です。
「借方 損益10」「貸方 本店10」になります。
そのときに、本店勘定の決算整理後T/Bと支店勘定の決算整理後T/Bの数字は80で一致しています。
80に損益10を足して90で繰越します。
本店勘定というのは、決算整理後T/Bに支店の損益を足したものが次期繰越になります。
これは覚えておいてください。

これと同じように、本店における支店勘定も合わせなければいけないので、90で時期に繰り越します。
その時にどうするかというと、「貸方 総合損益10」「借方 支店10」という仕訳をします。
これで支店の純利益を取り込みました。
あとは内部利益の戻入がありますが、これは各自お手持ちのテキストで学習してください。
期首の棚卸資産に含まれる内部利益「貸方 総合損益7」「借方 繰延内部利益戻入7」です。

繰延内部利益はいったん「借方 繰延内部利益7」「貸方 繰延内部利益戻入7」と仕訳したあとに、直ちに「借方 繰延内部利益7」ともう1回書いて、消して、「貸方 総合損益7」とします。
内部利益控除も同じで、当期末の棚卸資産に含まれる内部利益は「借方 内部利益控除12」「貸方 繰延内部利益12」となります
繰延内部利益は、来年に繰り越す本店の残高です。
そして、繰延内部利益控除は費用なので、すぐに損益振替をします。
「貸方 繰延内部利益控除12」「借方 総合損益12」として、本店の損益ではなくて総合損益に落とし込むのです。

そして最後に、この差額に対して法人税が出ました。
今回は法人税を18として、これを引いて繰越利益剰余金に27を振り替えます。
仕訳は「借方 総合損益27」「貸方 繰越利益剰余金27」となります。
総合損益の内訳をみると、貸方は本店の純利益40、支店の純利益10、繰延内部利益戻入7です。
借方は内部利益控除12、そして法人税を引いて繰越利益剰余金に振り替えます。
そして、総合損益の貸方「支店10」に対しては、「借方 支店10」というふうに、支店勘定の決算整理後残高に支店の純損益を足して次期繰越をします。
ここまでわかっていただければGoodです。
こういう形で勉強してみてください。

今回学習したのは、本店の決算振替と支店の決算振替に関するポイント論点でした。
ここを理解すると、本支店会計に対する自信が高まってきます。
ぜひ頑張ってください。

私はいつもあなたの1級合格を心より応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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