簿記1級に合格できない要因を取り除く(場の分析)

がんばろう日商簿記1級合格、今回は「もし日商簿記1級に合格できないとしたら、失敗の原因を取り除く」というテーマでお話をしてみたいと思います。

ここで1つ質問です、2015年の11月の141回、または2016年6月の143回日商簿記1級検定に合格できないとしたら、何が最も大きい要因でしょうか?

「場の分析」という理論に基づくと、あなたが簿記1級に合格したいという具体的な目的があるのにできない場合は、それを達成できない抑止力、すなわちブレーキがあるだろうということです。

「もし合格できないとしたら」いう失敗要因を挙げてみて、それを順に除去していけば残るのは成功だけです。

消去法で合格に至るような考え方というのは、すごく高い目標をクリアするときに有効なのです。

ジェームス・スキナーさんが、月面着陸という壮大な目標に対するNASAの取り組みのところでこの話を紹介されています。

私は簿記1級合格でも同じだと思っていて、簿記1級の合格を阻む抵抗勢力は何だろうと考えると、たとえば怠ける心とか、簿記1級に受かった後のビジョンが足りないとか、興味が持てないとか、いろいろな「抑止力」があると思います。

合格するための推進力、すなわちアクセルですが、これはたとえば自分の実力とか、今持っている資源などです。

もちろん、知識量×理解力×練習量を増やせば合格に近づきますが、あなたの合格を阻んでいる見えない要因を取り除かず、ブレーキを踏んだままアクセルを踏んだとしても、押し合いへし合いでスムーズに上がっていかないだろうという分析もあります。

合格に対して上から押さえつける抑止力と、下から持ち上げる駆動力とのバランスが取れているところがあなたの現在の実力だということです。

たとえば今を40点だとして、これを70点に上げるためには、駆動力を高めることも大事ですが、ブレーキを踏んだままアクセルをふかすのは非常に効率が悪いので、大きな目標を設定するときは、抑止力を取り除く努力をすることで自然と点が上がりやすくなるのです。

駆動力の源泉である知識量や練習量が上がるのを阻んでいる抑止力は何かをみていくと、
個々のテーマに対して重要なキーワードをきちんと理解して、最低限のポイントが指摘できるかという点があります。

たとえば、割賦販売の未実現利益控除法といったら、必要なキーワードに「回収基準」があります。

さらに回収基準といえば「繰延割賦売上利益」と、いろいろあるわけですが、そういった知識がきちんと連想できるかどうかであり、連想できないこと自体があなたの合格を阻んでいる抑止力なのです。

連想ができないということは、どれが合格に必要な知識かということを特定できていないということで、それを特定するための補助材料が柴山式の簿記1級のテキストなのです。

合格に必要なキーワードはテキストのキーワード、太字で、それを全部言えることが大事なのです。

キーワードを知らないということがブレーキになっているので、この論点にはこのキーワードがあるというように理解すれば失敗要因はなくなります。

合格に必要な最低限の知識とは何かがわからないということも抑止力なのです。
私が講義で「大事だよ」と言ったところやキーワードを1個1個丹念に拾って、すべて埋めていけば抑止力が一つ消えます。

これで基礎知識はある程度身に付きますが、そのためには反復の復習が大事です。
反復の復習をすべきなのにしないということ自体が抑止力で、たとえば仕事が気になって勉強ができないとか、そのようなメンタルの抑止力をどう克服するかです。

知識や理解力や練習量が足りないというのは、それを阻んでいる要因があるのです。
気が乗らないとか、いつも疲れている時間に勉強している人は当然練習量は上がりません。

勉強時間帯やそれを支える生活習慣とか周りの協力とか、そもそもあなたは簿記1級に受かって何をしたいのかということも踏まえて、そのまますぐテキストに取り組むのではなくて、テキストに取り組むあなたの活動を阻むものは何かを考える必要があります。

合格に必要なものがわからない状態でテキストを漫然とやっていても意味がないのです。キーワードや必要な仕訳をきちんと特定しないとダメです。

特定できていないこと自体が抑止力と気付いたら、きちんと特定しましょうということです。

次に、知識量に不足があると思ったら、ピンポイントでその分野について知識を深めます。

知識がある程度できるようになったら今度は練習量です。

理解力というのは練習を積み重ねることによって身に付くので、気にしなくて良いです。
練習量をこなせない場合は、その理由を考えてください。

残業が多くて練習量がこなせないのならば、残業を減らすしかありません。
周りの環境のせいにしてもしようがないので、あなた自身でどうにか練習時間を確保するしかないのです。

抑止力というのはテキストやカリキュラムではなくて、案外、生活習慣に問題のあることが多いのです。

あとはメンタルです。

結果が出ないとすぐにイライラするという、メンタル自身が抑止力になります。

いろいろなところであなたの合格を阻む要因というのはあるのです。
そのカリキュラムに当てはめたあなたの生活リズムやあなたの勉強する時間帯、心構えもとても影響してきます。

「なぜ勉強するか」、「なぜ知識が必要なのか」ということを日々考えて勉強すると、抑止力が弱まってあなたの勉強効果が上がります。

テキストそのものだけをみるのではなくて、「なぜ私は知識量が増やせないのか?」と考えるのです。

勉強時間が足りない場合が圧倒的なのですが、完璧主義になってしまうとプレッシャーになって抑止力が働くので、プレッシャーをかけないということも大切です。

あなたの能力の向上を阻むブレーキになるものを取り除くという発想も時には重要です。
高い目標を設定しているわけですから、抑止力を取り除きながら効率良く実力を上げていきましょう。

私はいつもあなたの合格を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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