簿記の知識をビジネスに活かそう!

がんばろう日商簿記1級合格、今回は「簿記の知識をビジネスに活かそう」というテーマでお話をしたいと思います。

日商簿記検定1級というのは簿記検定の資格としては最高峰のものです。

さらにその上になると、公認会計士や税理士など、その資格だけで食べていけるような大型国家資格になりますので、実務家として考えた場合、会計士や税理士を除けば、日本における会計資格の最難関資格ということができます。

実際、私も20年以上もの間、簿記教育に携わって色々な方を見てきていますが、簿記2級の知識と簿記1級の知識の間には格段の差があります。
簿記1級の知識があれば、あとはそれを基にして、その時々の専門書を読んでいけば大抵対応できます。
したがって、すべてのベースになるのが簿記1級の知識といえます。

これは税法でも同じです。
法人税を学ぶにあたっても、1級で税効果をやりますから、簿記1級で学んだ知識があれば法人税の勉強もしやすいのです。
簿記1級の知識こそが、会計知識のあらゆる場面での基本になります。

もちろん、入門という意味では簿記3級・簿記2級も非常に重要です。
簿記2級は実務としては中級レベルですが、会計全体としてみるならば入門から中級の間です。
会計士なども含めた、会計全体のなかでは、簿記1級は中級レベルですが、最も応用が利く中級レベルといえます。

中級と上級の橋渡しをする最も重要な資格が簿記1級だと思っています。

キャリア戦略という意味では簿記1級の合格証書は大事ですが、仮に合格できなくても、多くの方は300時間から500時間の勉強をしているので、相当な知識が身に付いているはずです。

合格・不合格というのは巡り合わせもあるので、なかなか合格できない方もいらっしゃるかもしれませんが、いままで勉強してきたその努力は、必ずどこかで役に立ちます。
簿記1級の知識というのは、様々な企業活動の役に立ちます。
簿記1級の勉強をしてはじめてわかったものの1つとして、多くの方が「連結決算」を挙げます。

連結決算は簿記1級の勉強をしないと全くわかりません。
日経新聞などで「連結営業利益」といわれても、ほとんどの方は意味もわからずに見ています。
大ざっぱに営業活動の利益と思っている方が多いですが、本当は親会社や子会社などのグループ全体を合算して、そこから必要な調整をした上での、かなり専門的な利益なのです。
そこまで知っておくと、企業決算の機微がわかるのです。

あとは、税効果会計、退職給付会計、減損会計、これらは簿記2級ではやらないものです。
なので、日経新聞で出るような内容というのは、ほぼ簿記1級の知識が必要なものなのです。
セグメント情報、研究開発費、ソフトウェア、キャッシュフロー会計など、簿記1級の知識を持っていると可能性が広がります。

これは、経営管理者のための会計なのです。
簿記1級というのは、経営管理者をサポートするための知識が含まれています。
社長自身が簿記1級をやっていなくても、簿記1級に近い会計知識を持っている方を片腕に持っておくと、財務センスが身に付きます。
その方のアドバイスを聞けばいいのです。
簿記1級レベルの財務知識を持っている方というのは、数字に関して、特に決算に関しては違います。

中級・上級レベルのあらゆる知識があります。

キャッシュフローや管理会計というのは経営者であれば最も関心のあるところだと思いますが、そのへんの知識を徹底的にやっているのが簿記1級なのです。
なので、合格・不合格に関係無く、簿記1級の勉強で得た知識というのは非常に役に立つのです。

したがって、あなた自身が経営者かマネージャーで、あなたの周りに簿記1級の勉強をされている方がいたら、会計知識についてはかなり持っているので、その方に数字に関する分析などを任せてみてはいかがでしょうか。
あるいは、ご自身が興味をもったならば、会計の専門家になりましょう。

すべての会社に経理、財務、キャッシュフローがありますので、活躍の場は必ずあります。
なので、会計知識をぜひビジネスに活かしてください。
デリバティブ、為替換算、SPCなど、日経新聞に出ているような難しい話にも対応できます。
リース会計なども簿記1級の勉強をしないとわかりませんので、ぜひやってみてください。
ビジネスのあらゆる取引のアウトラインがわかること請け合いです。
一般の専門学校では簿記1級の受講料が平均15万円くらいですが、柴山式の場合は9万9千円です。

10万から15万円くらいかけても惜しくないような知識です。
今後20年ぐらいにわたってその知識が仕事に役立つと考えたら、15万円を20年で割っても1年あたり7,500円以上のリターンをすればいいわけです。
このように将来に影響を及ぼすものを、2級の知識で「繰延資産」といいます。
あなたが日商簿記検定1級にかける費用というのは、実は「繰延資産」なのです。
今年だけの経費ではなくて、将来に影響を及ぼす「資産」なのです。
合格・不合格も大事ですが、それ以前に簿記1級の知識自体が大事なのです。

簿記1級の知識を縦横無尽に活用して、日経新聞を読みこなし、企業の予算、意思決定、管理会計、色々なところで助言を聞いたり、アドバイスを聞いて自分でもこなせるように、会計の知識に興味をもっている方は勉強をしてみてはいかがでしょうか。
会計の知識はビジネスに大いに役立ちます。

私はいつもあなたの簿記1級合格を心より応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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