第2回です。

 

今回は銀行勘定調整表についてお話をしたいと思います。

銀行勘定調整表というのは、会社側の当座預金残高と銀行側の記録の不一致を明らかにするための表です。

銀行側の記録というのは会社とは別に持っています。

たとえば営業時間が午後3時に終わったとして、3時以降の受け入れ・払い出しというのは会社では当座預金の増加・減少となりますが、銀行は翌日に回されたりして時間的にズレが生じます。

 

ですので、決算日現在で必ずしも銀行側の預金データの残高と会社の総勘定元帳の当座預金残高が一致するとは限りません。

 

不一致があるケースで、その原因をすべて明らかにするためにするための表が銀行勘定調整表なのです。

 

銀行勘定調整表については、まずは会社側で直すべき項目と銀行側で直すべき項目の2つあります。

そして最終的に貸借対照表のあるべき残高に調整していきます。

 

会社の残高からスタートして、会社の中にも修正すべき点がありますので、それを直して、あるべき貸借対照表の残高に直します。

 

それとは別のルートとして、銀行は銀行で、たとえば営業時間が終わったあとに入金されても翌日扱いになりますが、実態としては入金していますから、たまたま銀行側の時間の締めの関係で実態と合わない部分があるので、これを調整します。

 

銀行は銀行で独自の残高から独自の調整をして、貸借対照表に合わせます。

こちらは会社側では調整が必要ありません。

 

銀行側の調整は次回やりますが、今回は会社側で修正する項目についてみていきたいと思います。

では早速取引例でみていきましょう。

 

銀行側の残高と会社側の残高がありますが、通常、会社側の残高は簿記の試験問題としては当座預金勘定、a/cというのは「アカウント」といって、日本語では「勘定」という意味です。

 

したがって、当座預金a/cというのは当座預金勘定といいます。

当座預金勘定の会社残高は独自のデータで100,000円あります。

 

一方、銀行のデータは96,000円で、会社側のデータと一致しません。

なぜ合わないかなという理由を分析するのが銀行勘定調整表で、基本はこのやり方を覚えてほしいのです。

 

会社側の残高10万円からスタートして、貸借対照表のあるべきB/S残高103,500に合わせます。

 

銀行は銀行で96,000からスタートして、銀行側の調整をして貸借対照表残高103,500に直します。

 

今回は右側の会社側の残高だけの詳細を見ていきます。

会社側の修正項目の典型例としては次の4つがあります。

 

(加算)

(A)未渡し小切手 3,000(+)

(B)売掛金振込未達 2,000(+)

 

(減算)

(C)振込手数料未記入 1,000(-)

(D)企業側誤記入 500(-)

 

まず「未渡し小切手」ですが、これは第1回でやりました。

いったん振り出した(いつでも渡せるように準備をした)けれども、実際には渡していないので、振出時にいったん減らした当座預金を加算し直します。

 

次に「売掛金振込未達」というのがありますが、これは売掛金の当座預金への入金があったけれども、銀行からその連絡が来ていなかったり、入金をしたというデータを会社側で把握していなかったケースなので、銀行の入金に合わせてプラスします。

 

減算する項目もあります。

まず、「振込手数料未記入」ですが、銀行側では引き落としはされていて残高は減っているのに、会社の担当者が1,000円の引き落としを気づかずに処理をしていない状態です。

 

これを減らす必要があります。

ちなみに、これらには完璧に決まった言い方はないので、だいたいの意味が分かればいいです。

 

あとは常識の範囲で、何度か練習問題を解いて、そこで出てくる言い回しを概ね覚えておけばいいです。

 

少しぐらい言い方が違ったとしても不正解にはなりません。

これは摘要といって、だいたい意味が分かれば通じます。

 

だいたい未渡し小切手の場合はパターンが決まっていますが、その他はアバウトでもいいです。

 

だいたい意味が分かれば結構です。

大事なのは金額です。

 

次に「企業側誤記入」ですが、これはいろいろなケースがあります。

たとえば買掛金を払ったときに500円足りなかった場合です。

 

本当は1,500を払ったはずなのに、間違えて「1,000」と帳簿に記入してしまうと500円合わなくなってしまいます。

そういった場合は修正します。

 

逆に入金の場合も誤記入があり得ます。

1,500円の入金なのに、「2,000」と帳簿に記入してしまうこともあります。

その場合も間違った金額の分だけ差額を訂正します。

 

そしてこれらを足し引きします。

100,000+3,000+2,000-1,000-500=103,500になります。

 

このようにして正しい残高に合わせます。

これが銀行勘定調整表です。

 

そして、銀行側から調整しても103,500になりましたし、会社側から調整しても103,500になって、ぴったり一致したということで、銀行勘定調整表を書きました。

しかし、これで終わりではありません。

 

こんどは総勘定元帳に反映させなければいけないので、仕訳や転記を行います。

今回は仕訳だけを示します。

 

決算修正仕訳は日商簿記検定2級に限らず簿記1級でも出ますし、税理士簿記論や財務諸表論で出てもおかしくないので、銀行勘定調整表に関する修正記入はぜひ覚えておいてください。

 

しかもここは結構配点が来るので、侮れません。

まずは未渡し小切手についてですが、これは(借方)当座預金3,000 (貸方)( )3,000となります。

 

「( )」の部分は「買掛金」や「未払金」など、ケースバイケースになります。

費用の支払いで払ってなかった場合によくあるのは、「(貸方)○○費」というように費用の取り消しをやってしまうことがありますが、これは間違いです。

 

消費は既にしていて、当座預金を払っていないだけなので、費用の場合は「未払金」となります。

 

費用の取り消しはしないでください。

買掛金は負債なので修正してもいいのですが、費用は既に消費しているので「未払金」になります。

 

そして売掛金の振り込み未達については(借方)当座預金2,000 (貸方)売掛金2,000となります。

 

振込手数料の未記入は(借方)支払手数料1,000 (貸方)当座預金1,000となります。

企業側誤記入は(借方)( )500 (貸方)当座預金500となります。

借方の勘定科目は問題文の内容に応じて「買掛金」や「○○費」などとします。

 

これらを踏まえて当座預金勘定の記入をします。

まず当座預金勘定の借方に(A)3,000、と(B)2,000を記入します。

 

T/Bというのは試算表のことをいいますが、決算整理前残高試算表が100,000なので、それに3,000と2,000を足して借方合計は105,000となります。

貸方は(C)1,000、と(D)500を記入します。

 

そして105,000から1,500を引いて、次期繰越は103,500となります。

これは簿記3級で勉強することですが、次期繰越を書いたらすぐに左下に「前期繰越103,500」と書きます。

 

このように、会社側の調整というのは銀行勘定調整表を書くだけではなくて、決算修正仕訳と当座預金勘定への記入なども行うということを知っておきましょう。

もちろん売掛金の記入や支払手数料などの記入も行います。

 

このように仕訳や転記の修正が必要だということを知っておいてください。

ご参考になれば幸いです。

 

銀行勘定調整表は得点源になりますし、受かる人と受からない人で差がつきやすい論点です。

 

基本ですが将来の上級レベルの試験にも繋がりますから、ぜひ知っておいていただきたいと思います。

 

私はいつもあなたの簿記2級学習を心から応援しております。

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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