今回は売上の計上に関して平成28年度以降の改定論点である「検収基準」と「現金預金」に関する見慣れない勘定科目についてお話をしたいと思います。

 

従来、日商簿記2級で「売上」といえば、大抵は出荷時に売上を計上する場合の問題が基本的に出題されていました。

ですので、問題文には「商品を発送した」「商品を出荷した」などという表現がよくみられました。

 

しかし、業種によっては出荷しただけでは売上が立ったとは言いにくいものもあります。

たとえば、システム開発でソフトウェアを納品した場合、バグチェックや変更・修正をしなければいけないケースがあります。

 

それから、発電所の建設の場合は、試運転を数日程度やって問題なく動くかどうかを確認してみないと、本当に納品していいかどうか分かりません。

 

もし問題があった場合は、修理し直して再度納品するということがあります。

このように、試運転やテストが必要なものは、出荷したからといって売上を立てればいいとは限りません。

 

相手が検収報告を出すまでに時間がかかるとなかなか売上が上がらず、一般的な業種では実務上使いにくいため、出荷したときに売上を立てる方法が一般的です。

 

しかし、相手に届いてからテストをして検収をして、検収日に売上を上げるという方法があります。

これが検収基準です。

 

業種的にこういう方法で売上を計上することもあるということを理解しましょうということが、平成28年度の簿記2級の改定論点の1つなのです。

それでは事例をみていきましょう。

 

①商品100,000(原価64,000)の注文を受け、本日、商品を発送した。売上の計上は検収基準、記帳は3分法による。

 

わざわざ「原価64,000」と書いてあるので、「商品100,000」というのは売値になります。

今までの簿記2級の問題ならば、出荷したときに売上を上げてもいいのですが、今回は問題文に「売上の計上は検収基準」という文言が入っています。

 

このように書いてあったら、出荷・発送のときに売上を上げてはいけません。

「記帳は3分法」とありますが、3分法というのは「仕入」「売上」「繰越商品」の3つの勘定を使う方法です。

 

検収基準の場合は発送・出荷のときには「仕訳なし」としましょう。

次です。

 

②上記商品につき、得意先より検収が完了したと伝えられた。掛けとする。

検収基準では検収が完了したときに売上を計上するので、この段階で売上(掛売上)を計上します。

 

仕訳は(借方)売掛金100,000 (貸方)売上100,000となります。

そして次です。

 

③上記売掛金につき、本日、当座預金口座に入金された。

通常、第一問の仕訳問題であれば、勘定科目群に「当座預金」という勘定科目があるはずなので、そのときには(借方)当座預金100,000 (貸方)売掛金100,000と書けばいいのですが、いつもこうとは限らないかもしれません。

 

というのも、先日、当座預金を使わずに「現金預金」という勘定科目を書かせたいという趣旨の問題をある問題集で見かけたからです。

実際にこれに引っかかって間違えた受験生がいたので、一応注意してください。

 

よく、問題文の一覧表に「当座預金はあるはずだろう」と思って、よく問題文を見ずに勘で反射的に「当座預金」と書いてしまうような人がいますが、この場合は間違えてしまう可能性があるので、気をつけてください。

 

現金勘定と当座預金勘定と普通預金勘定などを兼ねた「現金預金」という勘定科目がありますので、問題文をよく読んで、その条件に従って勘定科目を書いてください。

 

それからもう1つ、会計学的なお話をします。

理論の問題も出ないとは限らないのでお話をします。

 

実は、売上の計上(認識)をするときは、販売(引渡)基準ということが教科書では一般的に言われます。

これがみなさんが考えている、商品を引渡したときに売上を計上する方法です。

 

商工会議所には改定ポイントのサイトがあって、そこには「引渡」という言い方をしていますが、商工会議所が言っている「引渡」はコンビニなどのレジでその場で手渡しをして相手に商品が移転したというケースを考えているようで、これは狭い意味での引渡です。

 

一般的な教科書ではもう少し広い意味で「引渡」を考えることがあります。

いろいろな考え方がありますが、ここで1つの例としてみておいてほしいのが、「販売基準」という言葉があるということを知っておいてください。

 

販売基準を「引渡基準とも言う」と書いてあるテキストも結構あるので、販売=引渡というイメージを持っていただいて構いません。

 

しかし、商工会議所のサイトを見ると、もう少し狭い意味で引渡を捉えているので、いろいろな見方があるのかなと思います。

 

先ほどのように、店頭で直接お客さんに商品が渡るケースばかりではありません。

商品を出荷してから相手に届いて、検収が終わるまでに数日かかることがあるので、引渡までの期間が長くなります。

 

このように、販売というのは段階があるのです。

細かくみると、出荷して、輸送している間に日にちを跨いでしまったら、発送日と到着日が違ってきます。

 

販売基準を「引渡基準と言うこともある」と書いてあるテキストの場合、引渡基準をもう少し意味で言っているという場合もあるということも知っておいてください。

 

そして、出荷(発送)→到着→検収という取引の流れのなかで、最後のほうの段階である検収のときに売上を上げることが検収基準だということも、1つの考え方として知っておいてください。

 

問題文のなかに「検収基準」という言葉があったら、検収があってから売上を計上すると考えて解いてください。

 

今回の改定は、より実務に則した方法ということです。

だいたいでいいので、なんとなくイメージを持っていただければと思います。

 

とにかく、問題文に「検収基準」とある場合には発送・出荷のときには「仕訳なし」とすることだけを知っておいてください。

本試験、ぜひ頑張ってください。

 

私はいつもあなたの日商簿記検定2級合格を心から応援しております。

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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