今回の「頑張ろう日商簿記2級合格」ですが、簿記2級で主に学習する有価証券の評価に関する記帳方法についてお話をしたいと思います。
 
簿記2級で学ぶテーマの1つに有価証券の種類と評価方法があります。
その中で試験に出て重要だと思われるものの1つに、売買目的有価証券とその他有価証券があります。

売買目的有価証券というのは、短期的に時価が上がったらすぐに売るつもりで所有する株のことで、資産運用という財務活動の一環として行う短期売買目的の有価証券のことです。
 
かつて、日商簿記検定3級でこの評価をやっていましたが、今は有価証券に関する評価は簿記2級のほうに集約されました。
売買目的有価証券というのは時価評価をします。
 
買ったときは1,000円で、時価が1,200円だった場合、この200円の差額は財務活動の成果ということで、損益計算書の営業外収益というところに「有価証券評価益」として記載されます。
もちろん、下がれば損をします(有価証券評価損)。
 
もう1つですが、株を買うときに得意先や仕入先などと長期的な取引関係を維持したいときに、お互いに株を持ち合うことがあります。
 
こういったときは、長期的な取引関係を維持するためなので、これは持ち合い株といってすぐに売るつもりのない株です。
 
売ってしまったらお互いの関係が壊れてしまう危険性すらありますので、すぐに売るつもりがない有価証券は「その他有価証券」といって売買目的有価証券とは違う扱いをします。
 
こういった株は、一時的に株価が上がったり下がったりしても、売る気がないので財務活動の成果(業績)には反映させません。
 
では、どういうふうにするか?
これを今回は簡単な事例で見ていきたいと思います。
 
たとえば現金1,000万円を払って有価証券を買いました(売買目的有価証券)。
仕訳は(借方)有価証券 1,000 (貸方)現金1,000となります。
これを取得原価といいます。
 
一方、相互持ち合いということで、得意先との取引関係などを維持するために取引先の株を買いました。
これは長期保有目的です。
 
仕訳は(借方)投資有価証券(あるいはその他有価証券)2,000 (貸方)現金2,000となります。
 
売買目的有価証券とその他有価証券は目的が違います。
ちなみに、勘定科目としては、「有価証券」という言い方もありますし、「売買目的有価証券」と言うこともあります。
 
簿記2級の場合は「売買目的有価証券」が基本で、「有価証券」という勘定科目も許容範囲となります。
 
そして、日商簿記検定2級でもう1つやっているのは、「その他有価証券」というのが基本なのですが、または「投資有価証券」です。
 
これは問題文の状況によって使い分けますが、どちらも一応正しい勘定科目です。
基本は「その他有価証券」ですが、「投資有価証券」も許容範囲です。
どちらを使うかは問題文の状況をみて、問題文の指示に従ってください。
 
その他有価証券(投資有価証券)は長期保有目的なので、時価が変わっても損益計算書の収益には影響させません。
これは柴山式総勘定元帳で見ると分かりやすいです。
 
柴山式総勘定元帳は十字を書いて左上が「Ⅰ.資産」、右上が「Ⅱ.負債」、右真ん中が「Ⅲ.純資産」、右下が「Ⅳ.収益」、左下が「Ⅴ.費用」というように分けて、それぞれのグループに応じて勘定科目を書きます。
 
そうすると何が分かるかというと、純資産というのは株主の持分ですが、業績には反映させないということで、純資産直入法といいますが、その他有価証券は業績には反映させません。
 
一方、売買目的有価証券は短期的に時価の変動によって資産価値の増減があります。
売る気マンマンで短期保有目的なので、時価が300上がった場合、300儲かったので、損益計算書の業績に反映させて、時価の変動による資産価値の増減は財務活動の成果ということで、利益の一部に加算します。
 
これが柴山式総勘定元帳の「Ⅳ.収益」の一部として有価証券評価益の右側に「300」と書きます。
 
「Ⅰ.資産」と「Ⅳ.収益」の関係で、(借方)売買目的有価証券300 (貸方)有価証券評価益300 となります。
 
一方、その他有価証券のほうは、売るつもりがない長期保有の有価証券なので、時価は参考情報と考えてください。
 
すぐに売るつもりはないので、2,000が2,400に増えてもあまり関係ないのです。
期末にたまたま2,400だったというだけですが、一応この情報も必要なのです。
 
決算日時点で時価いくらかという参考情報として知らせるので、とりあえず決算日時点では2,400で評価をします。
 
仕訳は(借方)投資有価証券400 (貸方)その他有価証券評価差額金400 となります。
損益計算書には反映させたくないので、貸借対照表の「Ⅲ.純資産」の項目に直入します。
 
そして、決算日翌日に反対仕訳を行ってこれを消します。
期末の決算日だけ400にします。
 
理論的に言うと、前払保険料のように次の日(翌期首)に反対仕訳をしてゼロにするのが基本ですが、次の日ではなくても、翌期の決算整理で反対仕訳をしても大丈夫です。
 
どちらにしても結局2,000に戻すのです。
従って、投資有価証券はあくまで基本は2,000の取得原価なのです。
 
ただ、決算日時点では2,400というふうに時価情報を参考として出します。
そういう意味なので、400の差額は収益として損益計算書に計上することはないということを知っておいてください。
 
ぜひご参考になさってください。
このあたりは試験によく出ると思うので、得点源になり得ます。
 
私はいつもあなたの日商簿記検定2級の合格、そして簿記学習のスキルアップを心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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