固定資産の買い替え(スッキリ学ぼう日商簿記2級の超入門 第5回)

買い替え取引の概要

まず固定資産の買い替えとは何かということですが、以前使用していた有形固定資産を下取りと言って業者さんに出します。

そして新しいものと買い換えると向こうも嬉しいので下取り価格を見てくるわけです。それを頭金に充てて新しいものを買うので代金が少し安くなります。

このように同種の有形固定資産を新たに取得することです。下取りに出すと少し処分価値を見てくれます。

買い替え取引の考え方、ステップ1、旧固定資産を売却します。
この時に売却損または売却益が出ます。時価と下取り価格が同じ前提です。

これが違う前提になると1級でやります。時価と下取り価格が同じで深く考えずに、車両価格で売却したと考えます。売却損、売却益が出ます。

ステップ2、売却代金、下取り価格を頭金として新しい固定資産を買いますので、下取り価格の分だけ支払額が減りました。これが業者さんとしてもありがたいです。

ウィンウィンです。今まで使ったものも少し頭金にできますから、差額の未払金が出ます。残金はお金を払うのです。だいたい小切手を振り出して払うなどがありますけど、未払金ということです。残金、未払金また現金になります。

見ていきましょう。買い替えに関する基本仕訳です。

買い替え取引のステップ1: 旧固定資産の売却

まずはステップ1、古い固定資産、旧固定資産を売却します。
この時に売却損、売却益が出ます。例えばもともと車両運搬具を1,000万円で持っていました。
借方1,000万、貸方減価償却累計額200万円。結構新しいのに売ってしまうのですが、貸方車両運搬具1,000、借方減価償却累計額200で、800万の帳簿価額、簿価、または未償却残高と言います。

未だ償却せざる残高、これから償却する予定で800です。200は償却済みです。1,000のうち200は償却済みで800は未償却残高です。

または帳簿価額、あるいは帳簿価額の簿と価の間の2つを取って簿価と言います。800のものを900で売ったので100の売却益が出ました。

ステップ1です。

買い替え取引のステップ2: 新固定資産の購入

このもらえるはずの未収金を新車両の代金に充てます。手付金みたいなものです。

手付金900を右側の貸方に置いて、1,200の固定資産を買いました。
借方車両運搬具1,200、900の手付金、未収金を充てて差額の300を未払金にする。

このステップ2がポイントです。一種の手付金です。もらえるお金を充てたのです。
未収金を充てて差額の300です。この未収金がいくらかによって車両運搬具の値段が決まります。下取り価格プラス未払金が車両運搬具だと思ってください。

仕訳と勘定科目の整理

買い替え取引の仕訳を見ていきましょう。
未収金の借方900と貸方900、これはもう差し引きして消します。
この2つの仕訳を合体させて未収金の借方貸方900を消します。

そうすると借方減価償却累計額200、借方車両運搬具1,200で借方1,400、貸方車両運搬具1,000と固定資産売却益100プラス未払金300で1,400、ちゃんと合います。
未払金を消します。借方減価償却累計額200、借方車両運搬具1,200で合計1,400。貸方は車両運搬具1,000、固定資産売却益100、未払金300で1,400です。あるいは上半分で見ます。

借方減価償却累計額200、貸方車両運搬具1,000、固定資産売却益100で1,100。1,100と200で900が消えています。未収金です。右側も900が消えますから。
貸方未収金900、未払金300で1,200です。未収金が消えたと思ってください。

実践的な問題解説

問題文です。当期首に買い替えを行い、車両1,000、減価償却累計額200を下取り価格900で下取りに出しました。1,000と200で800のものを下取りに出したから100の固定資産売却益があります。これがもし700だったら固定資産売却損の100です。それは頭金として1,200の車両を購入し残額は翌月末払いとしました。

その時に皆さんはいきなり仕訳をしてもいいです。その前にステップ1、まず未収金を立てて一旦売ったとしましょう。

それからステップ2、未収金を貸方に充てて買ったとします。この2つに分けて仕訳をするといいと思います。
よかったらこの2つの下書きをして未収金の左右を消して回答欄に正解を記入してください。

では問題文にいきましょう。自動車の買い替えを行いました。
旧車両の取得原価1,000、減価償却累計額200なので800です。

下取り価格900ということで同じ事例です。新車両は1,200で未払額300。下取価格900と未払額300で合計1,200で合っています。800のものを売って900だから固定資産売却益は100です。

ステップ1、借方減価償却累計額200、借方未収金900、貸方車両運搬具1,000と固定資産売却益100。

ステップ2、貸方未収金900、未払金300で借方車両運搬具で1,200。未収金を消せばいいのです。慣れないうちは下書きをすることをおすすめします。

あとは借方車両運搬具1,200、貸方車両運搬具1,000、元々あった1,000が消えました。減価償却累計額借方200、そして未払金が300と固定資産売却益100です。

是非これもこの動画で止めて、2、3回この仕訳とT字勘定を書く練習をしていただくと皆さんの簿記のイメージがパズルのように右脳に覚えられますので、この柴山式元帳を使ってやってみてください。ということで、今回の動画はいかがでしょうか。

これで本編が終わってまとめです。

固定資産の買い替えとは何か。
従来使用していた有形固定資産を下取りに出し、同種の有形固定資産を新たに取得することです。買い替え取引の考え方です。

ステップ1、旧固定資産を売却します。売却損、売却益が出ます。

ステップ2、売却代金、下取り価格を頭金として新しい固定資産を購入します。新資産の取得原価-下取価格、これが残金で未払金になったり小切手を振り出したり預金を振り込んですると現金預金です。

仕分けは借方減価償却累計額200、貸方車両運搬具1,000。
これと売却代金の差額が固定資産売却益です。

ステップ1とステップ2に分けてもいいです。借方車両運搬具1,200、貸方未払金300で未収金が900あって1,200です。

これはもう合体させます。借方減価償却累計額200、借方車両運搬具1,200、貸方車両運搬具、古い物1,000、固定資産売却益100、未払金300ということです。

この場合の問題文は当期首に買い替えを行い車両1,000、減価償却累計額200を下取り価格900で下取りに出し、ここで売却益100が出ます。それを頭金として新種の車両を購入し、残高は翌月末払いとした。

こういった問題も3回、4回、5回と音読すると皆さんの頭の中に染み込んでいきますので、音読は大事です。音読100回とは言いません。音読5回10回やってみてください。最強の勉強法の一つです。

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