「製品」という用語について解説します。
この「製品勘定」や「製品」という言葉は、2級工業簿記を学ぶ上で非常に重要な概念です。
また、商業簿記の「商品」との違いを理解することも大切です。
さらに、製品の前段階にあたる「仕掛品」、すなわち未完成品との関係についてもしっかりと理解しておきましょう。
それでは早速、詳細を見ていきます。
重要度は星3つで、非常に大切な用語です。
製品は最終的に「売上原価」として扱われます。
「製品」とは、製造工程で使用された材料、労働力、その他の諸資源(例えば、電気代やガス代など)が加工されて完成品となった時点で、振り替えられる勘定科目です。
関連する用語には「仕掛品」と「完成品」があります。
「仕掛品」は製造が途中の未完成品を指し、その一歩先にあたる完成品が「製品」と呼ばれます。
また、完成品を外部から購入した場合は「繰越商品」として仕入勘定に分類されます。
工場に材料を投入すると、工場内で作業を行う「直接工」がその材料を加工して製品を完成させます。
製造業の特徴は、材料を加工して形が変わるところです。
商業簿記では、購入した商品をそのまま販売しますが、製造業では材料を仕入れ、加工を施して製品に変えてから販売するというプロセスがあります。
この過程で、材料、労働力、さらには電気やガスなどの資源が消費されます。
これらの消費が集まって、製造途中の未完成品である「仕掛品」となります。
仕掛品は、製造過程でまだ完成していないが、製品に向かう途中の重要な状態です。
製造工程の最終段階を経て、仕掛品は完成し、出荷を待つ状態になります。
この時点で完成したものが「製品」となります。製品が完成すると、工業簿記の記帳処理において製品勘定に金額が振り替えられます。
例えば、仕掛品が10万円で、その内訳が材料4万円、労務費3万5,000円、その他の諸資源(経費)2万5,000円だとします。
これらの費用が当月中に完成したため、仕掛品勘定から製品勘定に振り替えられます。
つまり、資産としての「仕掛品」が減少し、「製品」という資産に変わったことになります。
仕訳は次のようになります
借方(左側)に「製品」+10万円
貸方(右側)に「仕掛品」−10万円
「製品」という用語は、小売業における「商品勘定」と対になる概念です。
製品勘定は、未完成の「仕掛品」が完成し、「製品」になる流れを理解することが大切です。さらに、製品が出荷されると、それが売上原価に変わることも覚えておきましょう。
以上、参考になさってください。
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