子会社・関連会社の株式評価損の開示意義

先週おとどけした火曜版とまったく同じ日・同じ面に載っていたもうひとつの重要記事をご紹介します。
先週ご紹介したのは、「たな卸資産の低価基準・強制化」のテーマですね。

今回は、その記事の左側にあるトピックで、子会社・関連会社株式の評価損が、個別事業の失敗の規模を明らかにする、というお話です。

かんたんにいうと、子会社株式・関連会社株式が少々損になっても原価のまま評価しますが、いざ価値が半減したとなったら、一気に評価損をどばっと計上しますので、その事業への投資失敗の規模が分りやすい会計処理ですね、という趣旨の記事です。
(すっごくかんたんにまとめると、そんな感じですね。)

さきほど、[1]でも申し上げましたとおり、原則として、子会社株式・関連会社株式は「原価法」で評価します。

つまり、時価評価しないのが基本なのですが、やはり、その子会社・関連会社の事業が失敗し、大赤字になったときにも原価法、というのはちょっとおかしいですね。
だから、強制評価減を適用して、バランスシートの株式評価を引き下げ、同時に、それと同額の利益を減少させます。

そのときに、損益計算書にも、「特別損失」という区分に、「子会社株式評価損100億円!」などの項目で明示されますので、「ああ、この会社は子会社の事業失敗で、100億円の損失をこうむったのね」と判断できますよね。

※例:180億円の原価の子会社株式を、80億円まで評価減した。

      親会社のB/S          損益計算書
  ―――――――――――――――    ―――――――――
         |             :    :
         |           特別損失 △100
         |                ――――
  子会社  80|利 益△100 ←← 当期純利益△100
  株式 (修正)|                ====

上記のように、損益計算書で、おもいっきり子会社の事業損失が反映されるので、個別決算上は、特別損失の項目に動きがないか、注意しておくのも大事です。

子会社株式・関連会社株式の単独決算における評価損、要チェックですね!!

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