さて、まずはグレーゾーン金利というものの基礎知識を確認しましょう。
実は、このような時事用語については、柴山会計サイトで、毎週、注目したい言葉を選んでプチ解説しています。
→ http://bokikaikei.net/01jijiyougo/index.html

このカテゴリー、すでに110以上の時事用語をピックアップしていますので、よかったら、どんどん活用してやって
ください。
さて、今回のグレーゾーン金利については、柴山会計サイトの時事用語解説の本文を用いて、説明いたします。

(引用、ここから)
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                       2006年8月11日更新
 【金利のグレーゾーン】
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要点|
――・利息制限法と出資法の最高上限利息の間のこと
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視点|
――・利息制限法では、利息の上限が10万円未満は20%、10万から100万円未満は18%、100万円以上は15%までと決まってます。
しかし、出資法では、上限が29.2%です。
利息制限法は上限の利息を超えるものは無効としていますが、罰則を設けていません。
しかし、出資法の、29.2%を超えると罰則があるので、消費者金融ではこの上限ギリギリに利息を設定しています。
しかし、最近ではグレーゾーンの廃止が本格化していきそうなので、金利が安くなるはずですが、消費者金融にとっては利益が減るので、審査基準やサービスなどにも大きく影響していくことが考えられます。
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(引用ここまで)
■関連ページ http://bokikaikei.net/01jijiyougo/116.html

以上でもお分かりのように、元本が100万円以上の場合を想定すると、たとえば、借り入れ元本が1000万円の場合、1000万円×(29.2?15.0)%=1000万円×14.2%=142万円が、グレーゾーンの金利となります。
この部分について、過年度に支払った額が、消費者から返還請求を受け、業績的に苦しくなるであろう、というのが
話の要旨になりますね。
一例として、オリコの平成18年3月期における信販業の収益が3076億円ですから、もしも、それが全部グレーゾーンで金利返還でも請求されようものなら、最大、年間の営業収益に対して、約3000億円×14.2%=426億円となります。

※あくまで、決算書でわかる一つの極端なケースですので、参考程度に見て置いてください。

これは単年度のお話ですので、もちろん、それ以前の数年間について、今後、利息返還請求が増加する可能性もあります。
そうなると、たとえば、過去三年分の収益の額に、単純にグレーゾーン金利の利率をかけると、3000億円×3年×14.2%=1278億円という、すさまじい金額になりますね。

計算過程は、実際の現場における実務とは、おそらく一致しないでしょうけれど、オリコの決算修正の発表を見ると、だいたい1000億円台の影響を見込んでいるようなので、規模としては、あながち的外れではないと思います。

ところで、たとえばグレーゾーン金利について、1000億円の金利返還訴訟による将来の損失を決算書に反映させようと
したら、どうなるでしょうか。

「将来の特定の費用・損失」で、「決算日以前の原因」によるものは、「発生の可能性が高いもの」に限り、合理的に金額を見積もって、決算書に「見込みの未払い額(負債)」として、公表します。
このような決算項目を「引当金」といいます。

(例)3月時点で、在職中の従業員に支払う義務が
   見積もられている「6月の賞与の支払い見込み額」
   「賞与引当金」を、3月の決算で300万円計上した。
           B/S
   ――――――――――――――――――――
   (資産)     |(負債)
            |賞与引当金  300
            |        ↑
            |(純資産)   ↑
            |        ↑
            |利益剰余金 ▲300←・
   ―――――――――――――――――――― ↑
                        ↑
          損益計算書         ↑
      ―――――――――――――     ↑
      売 上 高     ×××     ↑
        :        :      ↑
      販売費・一般管理費         ↑
       賞与引当金繰入額▲300     ↑
        :        :      ↑
               ――――     ↑
      当期純利益    ▲300→→→→→・  

このように、まだ請求書をもらうなどがあるわけではなく、完全に支払額が法的に確定しているわけではないけれど、
決算時に、会社の判断で、「将来、支払いなどの費用・損失の発生可能性が高い」と判断した項目については、自発的に
「将来の支払い見込み額」を「○○引当金」という名目で開示することになります。

ここで、グレーゾーン金利に相当する損失見込み額をバランスシートに計上すると、下記のような表示になります。

           B/S
   ――――――――――――――――――――
   (資産)     |(負債)
            |利息返還損失 ×××
            |引当金     ↑
            |        ↑
            |(純資産)   ↑
            |利益剰余金 ▲×××←・
   ―――――――――――――――――――― ↑
                        ↑
          損益計算書         ↑
      ―――――――――――――     ↑
      売 上 高     ×××     ↑
        :        :      ↑
      営 業 費 用  ▲×××     ↑
        :               ↑
      特 別 損 失  ▲×××     ↑
        :        :      ↑
               ――――     ↑
      当期純利益    ▲×××→→→→→・  

利息返還損失引当金については、それが毎期経常的なら「営業費用」、臨時・異常なものなら「特別損失」として、損益計算上は表示されることが予想されます。
以上、消費者金融としては、死活問題にもなる、利息過払い返還関係の会計処理のお話でした。

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