第136回 簿記2級第1問(仕訳)の頻出テーマをチェック!

がんばろう日商簿記2級合格、今回は第136回第一問の仕訳テーマについてお話したいと思います。

2月23日に実施される本試験まで残りわずかとなりましたが、125回から135回まで過去11回で出題された55個の仕訳問題を検討して、どういったテーマがよく出るのかという情報をこの機会に提供したいと思いますので、大体の目安にしてください。

残りあと数日ですが、最後に効率良く勉強するために、頑張ってほしいと思います。
仕訳問題は第一問で5題出て、1題4点なので20点の配点がきます。
第一問は5つのうち4つは取りたいので、失敗しても12点、できれば16点が目標になります。
そして、15分以内で解くように柴山式では言っています。
このような時間配分や得点戦略を考えながら、本番に向けて効率よく対策を練ってください。

画面上、丸を付けているのは、2回以上出題されているテーマです。
資産会計が11個、負債会計が5個、純資産が4個、商品売買が8個、その他のテーマが4個で、合計32個のテーマに分けました。
その中で、過去3回出ているのが、負債会計のなかの「その他引当金」です。
その他引当金は、125回と129回と134回に出題されています。
125回は役員賞与引当金の見積もり計上をする仕訳だったと思います。
129回と134回は商品保証引当金が出題されています。

なので、最近は商品保証引当金が出題されているなと思っていただければ良いです。
その他引当金のうち、3回に1回は役員賞与引当金で、2回は商品保証引当金という、比較的新しい論点が出ているので、流行を追ったのでしょう。
純資産会計については、テーマは少ないのですが、どれも定番です。
増資が127回、128回、131回の3回出題されています。
設立も130回と133回の2回出ているので、資本金の増加ということで考えるならば、設立と増資を合わせて5回出題されています。
11回のうち5回出題されているので、出題頻度としては50パーセントに近い非常に高い割合です。

しかし、純資産会計は苦手にしている人が多いのです。

純資産会計については、柴山式総勘定元帳をぜひ活用してください。

剰余金の処分・配当も過去に3回出ています。
合併・買収は2回出ています。

ということで、純資産会計は、設立、増資、剰余金の処分・配当、合併・買収と4つのテーマしかありませんが、どれも2回以上出題されているので、すべてマスターしてほしいです。
次の試験に出題される可能性も非常に高いので、効率良くマスターしてください。
将来、日商簿記検定1級を学習するときにも役に立ちます。
純資産会計は頻出論点の宝庫であるということが言えます。
それから、資産会計も、範囲が広いだけあって色々出題されています。
その中で注目して欲しいのは、未渡小切手です。
これは定番中の定番です。

それから、固定資産の買換も大事です。
車両などの下取価額を手付金と考えて、差額は未払いというイメージです。
買換の論点は日商検定1級の買換にも繋がります。
1級の場合は、古い資産の下取価額と時価が違うので、その差額を値引するという処理が出ますが、2級の場合は意識しなくてもいいです。
1級に比べたら簡単なのですが、それでも苦手な人が多いのです。
固定資産の買換は2ステップに分けて考えます。

まず、旧資産の売却をして固定資産の売却損益を出して、売ったときの下取金額を手付金と考えて、差額を未払金にします。
それから、建設仮勘定も定番で、昔からよく出ています。
そして、修繕の支出は、資本的支出と収益的支出があります。
「改良」というキーワードがあった場合は固定資産の取得になります。
ここも試験に良く出ます。

あとは、修繕に絡めると、修繕引当金という論点もあります。
それから、保険差益や火災損失などの未決算勘定もよく出ます。
有価証券の購入もよく出ます。
有価証券の購入には、株式を買ったケースと、債券を購入したときの端数利息の処理という2つのパターンがあります。
有価証券の売却も同じで、2級の場合は総平均法あるいは移動平均法といって、株式を2回以上にわたって買ったときの平均単価を使って譲渡の原価を出して、それと売却金額との差額で有価証券の売却損益を計算します。
有価証券の売却も、社債や国債など債券の売却の場合、売る側は端数利息をもらいます。
債券を買うときには端数利息を払います。

この、端数利息の論点もよく出るので意識してください。
このように、未渡小切手、固定資産の買換、建設仮勘定、修繕支出、未決算勘定、有価証券の購入と売却については複数回で出題されているので、注意してください。
負債会計では、その他の引当金がよく出ています。

それから、最近は出ていませんが、社債の発行も怖い論点です。
社債の発行は収入額で社債を計上します。
社債発行費等もあるので、こういったものも処理をしましょう。
あとは、社債の買入償還が134回に出ています。
社債といえば第三問対策としても重要な論点ですが、償却原価法の定額法という仕訳をお手持ちのテキストで復習してください。
償却原価法の定額法をしっかり学ぶと、1級でやる償却原価法の利息法の学習もスムーズに繋がります。
1級のベースにもなりすし、2級の第三問対策にもなるので、ぜひ勉強しておいてください。

それから、今はちょうど消費税率が変わるときなので、消費税に注意してください。
出題者からすると、時事問題に関連するトピックは出しやすいのです。
消費税には「税込方式」「税抜方式」があります。
そして、今度は8パーセントで出る可能性があります。
137回のほうが出る確率は高いですが、136回でも注意してください。
商品売買にも色々あって、売上割引と仕入割引は基本なので理解してください。
予約販売、未着品販売、委託販売も基本的な仕訳をきっちり出来るようにしてください。
1級にいったときに特殊商品売買が苦手な人がとても多いのですが、それは2級で特殊商品売買の基本的な仕訳をしっかりマスターしていなかったからです。
時間に余裕のある方は、一通り仕訳をスムーズに書けるようにしておくと、1級でかなり有利になります。

過去の出題実績をみると、なぜか受託販売が多いのです。

20年前からそうなのですが、なぜか受託販売が好かれるのです。
ここは荷為替手形にも関係してくるので、注意してください。
委託販売と荷為替手形の関係もよく出ます。
日商検定1級になると割賦販売がとても大事になりますので注意してください。

そして、受託買付は129回、委託買付は132回で出題されています。
その他の論点では、荷為替手形が王道で、最近は本当によく出題されています。
荷為替手形に関して変わった出題があったのが126回で、受託販売からの荷為替手形が出ましたが、これは出来なくてもしようがないので、無理しなくてもいいとは思います。
それ以外には131回と133回と134回で出題されていますが、そのうち2回が委託販売で、積送品勘定を使う取引です。
積送の段階で荷為替手形を組んだ場合はお金が入りますが、これは前受金なので注意してください。

委託販売の場合の荷為替手形の取り組みは売上が立っていませんから、商品を売る前に受託者がもらったお金と考えて、前受金にしてください。
最近は委託販売や受託販売と関連づけて荷為替が出ることが多いです。
昔は売上と関連していたことが多かったです。
船便で商品を輸出すると売上になるので、貸方に売上が立って、売上に対して借方は当座預金になります。
荷為替手形との額面の差額は手形売却損、そして最後は2割程度が売掛金だったりします。
売却代金全額を手形の額面とするケースは丸為替といいますが、これは1級で出ました。
過去問集をお持ちの方は、荷為替手形の各パターンを見ておいてください。
過去出題された4回のうち2回は、積送品の積送高に関連する前受金勘定が出る荷為替手形というのが最近の傾向です。

それから、不渡り手形と保証債務もそれぞれ3回出ています。
それと、本店集中計算制度を使った支店間取引は忘れた頃に出題されます。
支店間取引は126回に1度出ています。
10回に1回程度なので、頻出論点ではありませんが、稀に顔を出します。

あと、変わったところでは源泉税などの支払というのが135回に出題されていますが、頻出論点ではないので、2回連続で出題されるとは考えにくいです。
ただ、荷為替手形については頻出論点で、134回に出たのを最後に出題されていないので、注意が必要かなと思います。
仕訳問題に関しては、お手持ちのテキストの重要な仕訳問題をやるだけでも全然違いますので、頑張ってください。

今回ご紹介した過去11回で重要な論点はほぼ網羅しています。
それ以外にも、長期前払費用は意外と出来ないので、注意してください。
保険料や家賃などを2年分支払った場合、1年を超える部分は長期前払費用といって、固定資産の「投資その他の資産」に分類されます。

そういったことも踏まえながら、まずは32個のテーマを参考にしていただいて、3回・2回出題されているものはしっかり潰していってください。
今回の内容をぜひ参考にしてください。

私はいつもあなたの2級合格を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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